こうして、やっと陸(おか)に上がった太郎は、
「いまごろ、おがっつぁんは、なんじょしてんべぇ」
と思いながら、家にいそいだんだと、すると、その途中の道路っぱたに、ウマが一頭倒れていたんだと。
そこで太郎は、長い針を出して、ウマの鼻をちくっっと刺したんだと。すると、鼻がびくっと動いたんだと。またちくっと刺すと、今度は、ヒヒーンと鳴いたんだと。
またちくっと刺すと、今度はもっくりと起きあがったんだと。太郎は喜んで、このウマにふんぞりかえって
乗っていったれば、途中で、
「やぁやぁ。そこいくあんつぁん。その馬っこ、どこからつれてきた」と、声かける者がいるんだと。
「あそこの道路っぱたで死んでいたのを、生きかえらせて来たんだ」
太郎がこういうと、その人はたまげて、
「その馬っこは、オラの大事な馬っこなんだ。銭っこやっから、返してけぇねぇが」というんだと。
太郎は馬っこかえして、そのお礼に大金もらったんだと。
それからまた、しばらく行くと、立派な門構えの家があって、そこの大勢の人たちが集まって大騒ぎしてたんだと。太郎が、そのわけをたずねると、
「情け深い庄屋さんの、たった一人のの娘さんが死んでしまったんで、悲しくて、こうしてみんなで泣いてんだ」と口をそろえて太郎に訴えたんだと。
「ほんでぇ、オレが生きかえらせでけっから、みんな、一時、座敷から出はってけらえん」太郎がこういうと、「なんぼなんでも、死んだ者を生きかえせるごと、できるっけぇ」みんなはこう思いいながら座敷から、出たんだと。太郎は長い針を取り出して、娘の鼻を刺すと、娘は、
「う、うーん」と小さくうなったんだと。
そこでまた、つくっと刺すと、「う、うーん」と声出して、身体をふるわせたんだと。
三度目、つくっと刺すと「う、うーん。おかゆ食いでぇ」といったんだと。
娘を生き返らせたんで、庄屋さんはうんと喜んで、お膳に一杯、銭っこをくれたんだと。
これがこう変わります。

はじめから読む目次へ
トップ


にほんブログ村 漫画ブログ オリジナル漫画へ
おきてがみ

原本
太郎、お父(ど)っつあん、ジョン万次郎の乗ったボートは、鯨岬の入江の
洞窟にボートを隠し、そこから険しいがけを3人はよじのぼり(時間は夜中)
太郎「お父(ど)っつあん、いまごろお母(が)っつあんはどうしてるべ」
父「ああ心配(すんぺい)だな」
太郎「お父(ど)っつあんあそこに馬が倒れてる」
父「この馬ッコ死(す)んでるべ」
太郎「一時、待ってケロ」
長い針を取り出し馬の鼻をチクっと刺すと鼻がもぞもぞと動きもう一回刺すと
ヒヒーンと起き生きかえったんだど
そして側に馬車があったので馬につないで3人馬車に乗って太郎の家を目指したんだど
そして、しばらく行くと立派な門構えの家があって、そこに沢山の人が集まって大騒ぎしてたんだど
太郎「なんだべお父(ど)っつあん」
父「あそこはフカヒレ長者の家(え)だべ」
父「何かあんのすか」
客「長者の一人娘死(す)んだので今晩、お通夜なんだ」
太郎「一時、待ってくんろ」
ジョン「オイ、面(つら)見らればれるぞ」
太郎「あの娘、めんこ(かわいい)くってオラ好きだった」
そういうが早いか
人の列に入り込み
太郎「長者様、娘さんを生きかえらせてみせっす」
長者「オメエが?」
奥さん「藁にもすがるつう例えあっから頼むちゃ、あんちゃん」
太郎「秘密の呪文があんので一時、みんな座敷から出でけんねぇ」
そうして長い針を取り出すと娘の鼻をチックと刺したれば
うーんと小さくうなり
もう一回刺すと「あっ太郎ちゃん」と声を出し
もう一回刺すと「おかゆ食いてぇ」と言ったんだと
それを聞いた長者は「おお」と襖を開け
太郎にローソクを近づけた
「オメェ島流しになった太郎でねぇが!」
太郎「長者様、ここは見逃してくんない」
長者「ああ、娘を助けたから黙ってぺ早く逃げろ!」
長者「お礼はオメエの家さぁ朝に届けっぺ」
太郎「そだこど良(い)いでば」
太郎小走りで馬車に乗る
太郎「ジョンさん面(つら)わからった!」
ジョン「バカ!」
太郎「娘を生きかえらせたがら長者様黙ってるって」
ジョン「そんなのあてになっか」
父「ともかく朝までにお母(か)っつあんを連れ(ちぇ)で行ぐぞ
家まで馬車を急がせろ!」
続く
はじめから読む目次へ
トップ


にほんブログ村 漫画ブログ オリジナル漫画へ
おきてがみ

キャップテン アノ子供ヲ回収セヨ!(望遠鏡で見てる)
ボートが下り、太郎を救う
船長室の場面
太郎は父の救助されたアメリカの捕鯨船の船長の尋問を受け
次の注意を受けた、それはジョン万次郎という土佐の通訳が
話した。
1、鬼が島の三つの宝の機器は昔々難破船の大切な宝だから
必ず鬼が島に返すこと
2、太郎は鬼が島から逃げたのは脱獄であり、役人に見つかると捕まり
島流し以上に厳しい死罪になるかも、だからくれぐれも役人に見つからぬよう
3、父と太郎が母に会う
4、父も異国船との接触は罪になる
5、故に父、太郎ともまた元の家で暮らすことは困難だろう
6、この船の現在地は鯨岬沖から約十マイル(約8キロ)である
7、家族が暮らすのには鬼が島で一緒に暮らすのがいいだろう
8、母を父と太郎が説得し
9、ボートを貸すからこの船に戻ってくること
10、そうすれば家族を鬼が島まで運んでやろう。
というような注意を受け、お父(ど)っつあんと太郎は鯨岬をボートで目指した。ジョン万次郎も乗船した。(これはメモのようなもので実際は吹きだしなどが入っています。)
日米を取り持つ捕鯨船の最初の出会い

続く

はじめから読む目次へ
トップ


にほんブログ村 漫画ブログ オリジナル漫画へ
おきてがみ