tell me、テル ME 6 | きままに小説書いてるブログ

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She gave rock n roll to you という小説を書いています。
どん底な少年がロックとヒロインで救われていく話です。

いよいよ、ライブハウスでのライブが近い。
今日は大事な練習だ。
僕の気合いもばっちりだ。大きく深呼吸。シンセもマイクもばっちりだ。
「今日はライブでやる曲を一回MCありで流してみよう」
まこっさんが言った。
緊張している僕、楽しそうな顔してるジン、微笑んでいるかおちゃん、そして、寝ているへーぞーさん。
「おいっ!へーぞーいい加減にしてくれっ」
「あぁなんだ松本……。怒鳴ると美容に悪いぞ」
「だれがこうさせたと思ってやがる!」
「そんなときはな……ゴマ豆腐と絹豆腐とゴマ豆腐と絹豆腐を、交互に交互に食べてだな……」
「あたしは卵豆腐が一番好きなんだっ……いや、どうでもいーよ豆腐なんか!」
「しかし、沖縄の豆腐は死ぬほどうまいんだ」
「沖縄のやつって木綿だっけ?いや、うん豆腐はもういーから。ガチでそろそろ脳みそも起きてくれないかな」
「……俺は脳みそまで豆腐でできてるんだ」
どやぁー。
そしてこのドヤ顔である。
「あーバカだから脳ミソにシワが一個もないって事?」
「……」
まこっさんの一言にへーぞーさんが言い負かされた。
やっぱりへーぞーさん天然だわ。




ライブの曲順は、

Dr.stain、Helloween

覇王樹 オリジナル(作詞作曲へーぞーさん サボテンと読む)

映写機回せ、オリジナル(作詞作曲へーぞーさん)

リボルバージャンキー、thee michelle gun elephant

レッドゾーン、オリジナル(作詞かおちゃん作曲まこっさん)

ライジングウォリアー、オリジナル(作詞作曲まこっさん)

駆け抜けて性春、銀杏boyz

漂流教室、銀杏boyz

tell me、hide

覇王樹、レッドゾーン、ライジングウォリアーは、最近できた新曲だ。
覇王樹は、ヘヴィメタル。シンセである僕の出番だ。ツインギターにシンセがからんで、どんどん加速していく。
レッドゾーンは、英語。早口で捲し立てるようなパンクだ。
ライジングウォリアーは、ヘヴィメタル。特攻隊の歌だ。筋肉少女帯みたいな感じだ。まこっさんの鬼気迫るボーカルがやばい。
全員、対バンのやつらに負けないぞー、キメキメにいくぜーって張り切るけど、僕は緊張している。
なんてったって駆け抜けて性春、漂流教室は僕がボーカル担当だからだ。
き、緊張するー。
「テルくん、平気平気。しんこきゅー」
かおちゃんが後ろから声をかけてくれる。
ジンの目がギラギラしている。
ブー……ンンンン……
マーシャルアンプも鼓動を始める。
ついにはじまる。
僕の緊張はもうピークだ。
ああ……なんか、
「……!」
なんかなんか……
「お……!……ル!」
まぶしいやあ……
「テル!おいテル!」




「テル!おいテル!」
はっ
「ま、まこっさん」
「出番だっボケっとすんな」
そうだ今日は、高司劇場でのライブの日だ。
いつの間にか、リハーサルの事を思い出しながら、ボーッとしていた。
対バンとすれ違いに舞台に出ねばならないんだ。
対バンは、同年代の青春パンク野郎だ。
負けたくない。
ドグラマグラは得意なジャンルは無い。何でもチャレンジするのが、うちらのバンドの音楽性だ。
さあ、出番だ。
扉を開けると、歓声と光が僕らを包み込んだ。