売るだけじゃなく、もう少し楽しんで直してみる。ワーゲンバス補修記録 #1 | ロックベーシスト 西本圭介

ロックベーシスト 西本圭介

テクニカルベーシストとしてベース・マガジンでも紹介 / ディープ・パープルのグレン・ヒューズ達と共にヨーロッパ11カ国を周り、また巨匠ビリー・シーンと共にKoRnのドラマー[レイ・ルジアー]のリズム隊として登場。

 

これまでこのワーゲンバスについては、「そろそろ売却しようかな」という話を中心に書いてきました。

もちろん、売却するという考え自体がなくなったわけではありません。

ただ、せっかく手元にあるのだから、売れるまでただ待つのではなく、自分が楽しめるところまで手を入れてみようと思うようになりました。

古い車なので、見れば見るほど直すところが出てきます。

でも、それも含めて楽しめるのが古いワーゲンバスなのかもしれません。

ということで、これからはFacebookに断片的に書くだけではなく、作業記録としてブログに残していこうと思います。

今回はその第1回。

昨日は友人に溶接機とプラズマカッターを持ってきてもらい、3か所の補修を進めました。


1.朽ちていたバッテリートレーを自作

まずはバッテリー周辺。

これまではバッテリー固定用のフックが錆びて朽ちてしまっていて、バッテリーは置いた状態に近く、ゴムブロックを押し込んで動かないようにしていました。
 

バッテリーを一度降ろして床を確認すると、やはり錆がかなり進行。

穴も開いていました。

さすがにこのままではよろしくない。

そこで今回は鉄板から新しいバッテリートレーを作ることにしました。

 


人生初のプラズマカッター。

これが想像以上に便利で、鉄板がスーッと切れていく。

 

グラインダーで延々切っていたことを考えると、かなり感動します。

 


 

切り出した鉄板をトレー形状にして、さらにバッテリー固定金具を使えるようにタブも溶接しました。

 

これでようやく、バッテリーをきちんと固定できる状態になりました。

 

当初はこの自作トレーを内部で溶接しようかと思いました。
しかし私のテクニックもダメダメですし、エンジンの近くで火花を散らすのもリスキー。
また暗くて狭すぎてとても点付け溶接も困難ということで、ボンド クイックメンダー30 1kgセットを買いました。
モノタロウで税込¥5,828でしたから決して安くありません。

ただ、このような場所で固定するにはこのボンド作戦が一番かなと思いました。(DIYとしてはいう意味です。)
 

見た目は完全な純正仕様ではありません。

でも今回はオリジナルに戻すことよりも、ちゃんと使えて、安全で、今後も整備しやすいことを優先します。

 



実際に置いた結果トレーとバッテリー自体が超重たいので、トレーを接着していなかったとしても、そんなにグラングラン動くことは無いだろうと。
ましてや工業用の強力な接着剤ですから、素人溶接よりは良いかと思いました。

変な話、私的にはあと15年持てばいいやが、コンセプトです(笑)

 


2.キャンパー用補助席の固定タブが2個とも朽ちていた

次はリアの補助席。

以前から妙にグラグラするなと思っていたのですが、原因を調べてみると、座席を固定するためのタブが2か所とも錆びて朽ちていました。

そりゃグラグラするわけです。

人が座る場所なので、ここはさすがに放置できません。

片側は千切れかけているフロアの切れ端部分と肉盛り溶接して固めました。
もう片方は床板から千切れていたので、溶接で弱い床板に溶接しても駄目だと判断。
 

そこで鉄板を切って固定部分を作り直し、ボルトを溶接しステンレスの床にリベット止めして固定できる状態にしました

 


 

古いキャンパーなので、家具も座席も「そこに付いているから大丈夫」と思ってはいけません。

一度全部疑ってみるくらいがちょうどいいのかもしれません。

これで補助席も、以前よりかなりしっかり固定できるようになりました。



3.助手席側の床を溶接補修

そして最後は助手席側。

ここは聖子が何度乗り降りしたか分からない場所です。
たこ焼き屋の移動販売車で使っていたので、運転席ではなくて、助手席をメインのドアとして乗り降りしていたのです。
 

たぶん普通の人の100年分くらいは、この助手席から乗り降りしたんじゃないかと思います。

 


 

購入以前から床に穴があり、前任者がドナーから切り出した床板を当ててリベットで補強してありました。

ところが、そのリベットも経年劣化で何か所か外れてきていました。
再度リベットするのは受ける側のボディが腐食しているから駄目だろうと判断。

今回は浮いていた鉄板部分を溶接して固定。
 

ひとまず骨格としてはこれで安定しました。
 

そして本日は、この周辺の穴や隙間を「リブロック」という補修材を使って塞いでみる予定です。

リブロックは今回初めて使うので、仕上がりや作業性も含めて試してみたいと思います。

今回補修していて、錆穴の埋め作業を溶接機でと思っていたけど、私の素人DIYではとてもできそうに無いと気が付きました。
 

そこでYouTuberの方が多く実例紹介しているコレを試すことにしました。
先程の強力接着剤と併用しながら、穴を埋めて、最終的にはパテで整形するという手法を取りたいです。

 

 

 

うまくいけば、外装の錆穴補修にも本格的に使っていく予定です。
 


売るためだけではなく、自分が楽しめる状態まで

これまでは、このワーゲンバスについて「売却する」という方向で考えることが多くありました。

それ自体は今も変わっていません。

ただ、売れるまで何もしないのでは、ちょっともったいない。

どうせ手元にあるなら、自分がもう一度乗りたくなるくらいまで手を入れてみようと思っています。

 


 

外装の錆穴を塞ぐ。

内装を一度外して作り直す。

床を板張りにする。

ドアや室内の壁もウッディーな雰囲気にしてみる。

室内灯もLED化する。

カーテンも作り直す。

少しずつ、自分好みのワーゲンバスにしていく予定です。
 

完璧なレストアではありません。

純正状態を忠実に再現するわけでもありません。

「古いワーゲンバスを、今の自分が楽しく使える状態にする」

そんな感じです。


春頃には、見た目も中身ももう少しパリッとした状態になっているといいなと思っています。

売れるなら、それも縁。
 

売れなければ、また乗ればいい。


しばらくはそんな距離感で、このバスと付き合ってみようと思います。


次回は、助手席床の穴をリブロックでどこまで補修できるのか。

 


あとがき なぜYouTubeではなくブログなのか

実は、今回の作業も映像は回しています。

せっかくなのでYouTubeにしてもいいのですが、たぶんやりません。

 

理由は単純で、作業したあとに動画を編集する時間が取れないから。

一人で撮影しながら作業するだけでも結構大変です。

カメラを置いて、作業して、アングルを変えて、また作業して。

そこから夜になって素材を取り込み、不要部分を切って、テロップを入れて、音を調整して、サムネイルを作って……。

昼は板金屋、夜は編集マン。

 

これはなかなかの地獄です。

 

しかも僕は、このワーゲンバス再生を商売にしようと思っているわけではありません。

 

ワーゲンバスのレストアも、錆穴補修も、リブロックを使った板金も、YouTubeを探せばすでにたくさんの人が発信しています。

言ってしまえば、ネタとしては擦られまくっています。

 


 

今から僕がそこへ参戦して再生回数を競ったところで、別に勝ち目を探す必要もない。

そもそも、そこが目的ではありません。

だから僕は、あとから自分自身が紐解きやすいブログという形で残すことにしました。

「あのとき、ここをどう直したんだっけ?」

「この部品はいくらだった?」

「この時期、何を考えながらこのバスを直していたんだろう?」
 

数年後にそんなことを思ったとき、記事を開けばすぐに振り返れる。

僕にとっては、そのほうがずっと価値があります。

そして、もう一つ大きな理由があります。
 

妻の聖子が亡くなってから、僕は今、遺品の整理や、彼女が関わっていた事業や身の回りの整理を少しずつ進めています。

このワーゲンバスの再生も、僕の中ではその延長線上にあります。
 

聖子が何度も乗り降りした助手席。

一緒に使ってきたキャンパー。
 

残されたものをただ処分していくのではなく、手を入れて、もう一度走らせて、その先へつないでいく。

だから僕にとって、このワーゲンバス再生もひとつの遺品整理なんだと思っています。
 

もちろん、直すことそのものを僕自身が楽しみたい。

それで十分です。

それなのに「せっかくならYouTubeで伸ばそう」「収益化できるかもしれない」と考え始めて、毎晩パソコンの前で動画編集をするようになったら、本末転倒です。
 

聖子との思い出をつなぐために始めたことなのに、その記録をマネタイズするための作業に追われたくはありません。

だから、YouTubeにはしません。
 

動画が残っていれば、必要な場面だけ後から見返せばいい。

そして文章と写真は、こうしてブログに残していく。

僕にはそのくらいがちょうどいい。
 

このブログは誰かと競争するためのコンテンツではなく、ワーゲンバスを直しながら、その時々の自分が何をして、何を考えていたのかを残すための記録にしていこうと思います。