これから始まる、ひとりの暮らしのために | ロックベーシスト 西本圭介

ロックベーシスト 西本圭介

テクニカルベーシストとしてベース・マガジンでも紹介 / ディープ・パープルのグレン・ヒューズ達と共にヨーロッパ11カ国を周り、また巨匠ビリー・シーンと共にKoRnのドラマー[レイ・ルジアー]のリズム隊として登場。

今週、聖子の四十九日法要と初盆、そして納骨式を迎えます。

 

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2026年6月15日の事故から、この一か月半。
悲しむ時間がなかったわけではないけれど、目の前には、止めることのできない現実が次々と現れました。
 

相続、解約、名義変更、事業の整理。


聖子が残してくれたもの、聖子の名前で動いていたものを、一つひとつ確認し、手続きを進め、終わらせていく。


東京の音楽学校の仕事は休職していました。

この先のことを考えても、すぐに以前と同じように東京で働くことは、簡単ではないと感じています。

 

その理由として今日も宅急便が来ました。
「あれっ俺何も注文しとらんがの〜」と思って受け取ったら、加害者の勤めていた会社からの生花の贈り物でした。
初盆だから気を使っていただいたのでしょう。
それについては大変感謝しています。
同時にもしも僕が2週間、東京に戻っていたら、この生花はどうなったんかの〜と心配になりました。

僕が受け取らないせいで箱の中で生花を枯らしてしまったかもしれません。

先日も回覧板が地域で回ってきました。
これも僕が2週間留守にしていたら、僕で止まるんだよね....と思ったのです。

こういうときに「あ〜東京には戻れないよな〜。自宅を守るということは簡単ではないな...」と感じるのです。

聖子に任せきりだった地域の活動(町内清掃や草むしり等)にも僕は参画しなくてはならないので、それは徐々に近隣の方のサポートを得ながら参加したいと思っている。

 

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東京での仕事が困難な理由は前記のことや相続のことだけではありません。
 

事故に関する刑事・民事の事もこれから続きます。
刑事は結構長引くそうで2年くらいを覚悟してと言われています。

また3丁目のたこボールの事業をどう整理していくか。
ワーゲンバスを誰にどうやって販売するのかなど...

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ガレージにあるたくさんあるバイクをどのように残し、手放していくのか。
バイクは腐らないので、廃車にして持っておけば良いという話もあります。


ただ古いバイクは走らせないと、とたんに調子が悪くなります。
聖子は小まめに走らせて維持していたのですが、僕がその立場になると意外と大変です。


毎日、バイクを交代して走らせるのですが、昨日もヤマハYB125がキックで掛からないので、坂道を使って押しがけしてなんとか走れました。
こんな感じのバイクが多いので、1台なら集中してメンテナンスもできますけど、8台ありますからね。
少し気を抜いて忘れていると調子悪くなるという感じで、流石に今の僕には気が重たい。

頻繁にバッテリーを買っている気がするけど、それも流石に財布に痛いよね。

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バイクがガレージにあって今とても困るということではないのだけど。

今あるのから2台を選抜して1台を普段の足バイクとして徹底的にメンテする。
もう一台をコレクション号として将来価値が出ることを期待してナンバー外して所有する、それくらいでいいんだよな。

そんな感じでやるべきことと、考えることは、まだまだ山のようにあります。


そして、お盆が終われば、自宅前の献花台も一区切りにします。
飾っている写真なども外して普通の窓に戻そうと思っている。


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3丁目のたこボールの店頭だった場所を、これからはもう一度、西本家の家として、そして僕が一人で暮らしていくための自宅とした見た目に整えていかなければなりません。
 

もちろん、これまでもここは家でした。
ただ、店だった頃の名残は、家の内外にたくさん残っています。

それを無理に消したいわけではありません。

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聖子の息遣いや、聖子が積み重ねてきた時間まで消してしまいたいわけでは、決してありません。

ただ、これから僕がここで生きていくために、少しずつ形を変えていく必要があります。
 

人生の「シーズン2」が始まるのかもしれない。
いや、これまでだって、何度も生活は変わってきました。
だからシーズン3か、4か、5かもしれません。

 



それでも今は、自分にとって無理のない形で、この家をもう一度、自分が気負いなく生活して使えるようにしていく時期なのだと思っています。

誰の目も気にすることなく、家の前の駐車場にビーチチェアでも置いて、音楽でも聞きながら日光浴でもしたい。

涼しくなったら外でバイクをいじって一人だけの時間を堪能したい。
庭の花をいじって家の周りに彩りを加えたい。
ときには駐車場でバーベキューでも仲間内でやりたい。

 

昔は子どもたちが3人いて、5人で暮らしていた頃の部屋。
子どもたちが巣立ったあと、いつの間にか3タコの資材倉庫のようになっていた部屋。
 

 

たこ焼き屋の材料・資材・二台の冷凍ストッカー、使い切れなかった備品や道具。

 

物が山積みだった場所も、少しずつ片付いてきました。もう一息で空にできそう。

まだまだ冬場に店頭でお客様が使うためのブランケット(ひざ掛け)、クッションなどが山積みで保管されています。
それはどうするかな....と悩みつつ(どこかに寄付かの....)、腐らないので、まあうちの中の別の倉庫へ仕舞うかと考えたり....

巨大なクリスマスツリーや備品、ハロウィン用の飾り物達は今年はどうしよう......。
店でも無い家の駐車場に期間中は飾っておくかの〜。
能天気なアメリカ人の家みたいになりそうじゃの〜。
 

そんな事を考えつつ、何もなくなりつつある部屋を見ていると、寂しさもあります。
 

でも同時に、ここを僕の書斎兼・配信部屋・ベースレッスンの部屋にできるかもしれない、と想像する自分もいます。

ベースを教えている時は、不思議と少しだけ、本来の自分に戻れる気がします。

また配信部屋を作って、オンラインのレッスンに対応しても良いし、事故の遺族として何か発信できることもあるのでは無いかと思うこともあります。

 

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ガレージも、これから少しずつ仕様を変えていこうと思っています。
入口を改装したら車も入れられるスペースがあるからね。

ガレージに入れるような車は持っていないけど、逆説的にガレージが無いと持てない車というのもあるからさ。

車が入れられるガレージを作ることで、新しい趣味ができるかもね....と夢想もしてみる。
 

只今、聖子のバイクは、事故で大きく傷ついた状態で警察で検査中です。

 

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まだ警察から戻ってきていないので、今は状態は何も判断できません。
 

僕が警察で見たときは後方から衝突されているので、後ろが大破していたからフレームは駄目かもしれないね。
フレームが逝ってたら、フレーム修正するような価値のバイクではないので全損でしょう。

もしもフレームとエンジンが生きているなら、バイク屋で大まかに走る・止まるができるように直してもらった上で外装は保険金使って自分でカスタムするかもしれない。

現在は僕自身が2年前に大事故でバイクを手放したこともあって、自分用のバイクを持っていないので、聖子のボルティを引き継ぐことになるかもしれません。あくまでも可能性がある程度。

そのためのガレージに長期間使って修理するための専用スペースをつくるのもありかと思っている。
今すぐ直さないと困るということでも無いので、何か長期的に集中することが僕自身にあることは精神的な支えになるような気もしている。
直すのをYouTubeで配信しても良いかなと思う。
これはカスタムの配信というよりも安全運転の啓蒙のための入口と思っている。

それを機会にバイク用リフトテーブルでも買おうかいの...
僕自身はメカニックの素養は無いけど、バイクのカスタムをやりたいとは以前から思っていたので、それのチャンスかもしれん。
 

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ただ夢想しているだけで、まだ、何も決まっていません。
バイクカスタムよりも先にやることが山積みだからさ。

 

でも、片付けながら、そして残すものを選びながら、部屋の使い方を考えながら、僕は少しずつ次の暮らしをつくろうとしています。

聖子がいない現実は、これからも変わりません。

 

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そうそう、来週には心療内科に通う事になっているのだ。
警察のカウンセラーからもサポート頂き、心の健康を取り戻そうと思っている。
一見元気そうに見えている僕も不眠だったり、感情の起伏が以前より激しくなったり、着信音に動悸がしたり、仕事に集中力がなくなったりと以前と同じ自分かと言われると、やはり心は疲れ果てていいると自覚しています。

 

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56歳の今、これからの余生をどうやって生きていくのかという本質的なことに目が向くようになりました。

これまでやっていた仕事をどうするのかではなく。
聖子がいたときを思い出して過去にすがるのかではなくて。

聖子がいなくなって独り身になった自分としてどういう人生を残り過ごしたいのかということを考えるようになった。

聖子が残してくれたメッセージとして彼女は本当に全力で毎日を生きていたと思う。
お客様の笑顔のために、また被災地ボランティア活動や献血活動、寄付活動など、人から恨まれることなく全力で生きていたことを僕も学ばせてもらって、僕自身も全力で自分の人生を後悔のないように生きていこうと思っている。
 

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この家で生きていく。

聖子が残してくれたものを大切にしながら、自分自身もちゃんと生きていく。
 

その準備を、今、少しずつ始めています。

 

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