突然妻を失った遺族の現実。今日、加害者本人と話をしました | バイク馬鹿 ロックベーシスト 西本圭介

バイク馬鹿 ロックベーシスト 西本圭介

テクニカルベーシストとしてベース・マガジンでも紹介 / ディープ・パープルのグレン・ヒューズ達と共にヨーロッパ11カ国を周り、また巨匠ビリー・シーンと共にKoRnのドラマー[レイ・ルジアー]のリズム隊として登場。



今朝、事故を起こしたご本人が、ご両親とともに私の自宅を訪ねて来られました。

私は最初から、「許す・許さない」の話をするつもりではありませんでした。


私が知りたかったのは、あの日、妻 聖子(きよこ)に何が起きたのかという事実です。
聖子が最後に何か語っていなかったのかという事。


 

事故から今日まで、多くの方から「実際はどうだったのですか」と聞かれました。

しかし、一番知りたいはずの遺族である私自身が、その答えを持っていませんでした。

壊れたバイクもまだ戻ってきていない。
遺品もまだ手元にない。

 

さまざまな噂だけが耳に入り、何が本当なのか分からない。

その状態が、私の心をずっと苦しめていました。

だから私は、今日の面談では事実を一つひとつ確認しました。


その日、どんな思いで運転していたのか。
事故のあと妻はどんな状態だったのか。
その後どう行動したのか。


聞くたびに胸は締め付けられましたが、それでも知ることは、遺族として前へ進むために必要な時間だったと思っています。

一方で、改めて実感したことがあります。




交通事故で亡くなるのは、一人だけではないということです。

亡くなった本人はもちろんですが、残された家族の人生も、一瞬で変わってしまいます。

私は東京で仕事を続けることが難しくなり、現在は一時休職を余儀なくされました。
 

妻が守っていた家。
妻が営んでいた店。
残された猫たち。
山積みの手続き。
 

毎日が「妻がいない現実」と向き合う時間です。

悲しむ時間すらありません。
 

朝起きてから夜眠るまで、「妻がいたら必要なかったこと」を一つずつ片付け続けています。

この現実は、経験した人にしか分からないと思います。




今日、私は加害者の方に一つだけお願いしました。

今後、様々な状況において嘘をつかないでほしい。

事実に誠実に向き合ってほしい。


 

そして、これ以上お互いが傷つくような争いにはしたくないということです。

どれだけ時間を巻き戻したくても、妻は帰ってきません。

だからこそ、これから先は、残された私たち家族が少しでも穏やかな生活を取り戻せるよう、誠実な対応が続くことを願っています。

 


 

交通事故は、ニュースでは数十秒で終わります。

しかし、遺族の人生は、その日から毎日続いていきます。
 

もし今日この文章を読んでくださった方が車やバイクを運転されるのであれば、どうか数分早く着くことよりも、大切な誰かの人生を守る運転を選んでください。
 

その数分が、一つの家族の未来を守ることにつながるかもしれません。