広島県高等学校軽音楽連盟のバンドセミナーに講師で行ってきました。 | バイク馬鹿 ロックベーシスト 西本圭介

バイク馬鹿 ロックベーシスト 西本圭介

テクニカルベーシストとしてベース・マガジンでも紹介 / ディープ・パープルのグレン・ヒューズ達と共にヨーロッパ11カ国を周り、また巨匠ビリー・シーンと共にKoRnのドラマー[レイ・ルジアー]のリズム隊として登場。

お久しぶりです。
アメブロの写真のアップロード不具合が多くて書けなくてすいません。


先日、広島県高等学校軽音楽連盟のバンドセミナーに講師で行ってきました。

名古屋スクールオブミュージック専門学校でバンド指導を頻繁にしているので、慣れたものですが、全員高校生というのは久しぶりなのでちょっと緊張。

今回は約10バンドの広島市内の学生さんバンドを見ました。

各バンドのコメントは割愛しますが、全体を通して感じたことを書きたいと思います。


まず、僕達が高校生の頃と比べると、というとおっさん臭いですが、いやいや45歳でさ~自分の息子よりも年下の子供達だから、僕は十分におっさんですが、昔と比べると、という話で聞いてください。

まず、オリジナルをやっている子達が多いのにびっくり。
邦楽のコピーの子達ももちろん多かったけどね。

僕達の頃って洋楽のカバーやろうぜっ!! 
っていう雰囲気が強かったのだけど、今は高校生でオリジナルなんですね。

それにはすごく関心しました。

ただ、それによる弊害も感じた次第です。

コピーをする、特に洋楽のスタンダードをコピーするということは、やはり一定基準のクオリティというのが、目標になるよね。

まあっ洋楽に限らず、僕の当時だとディープ・パープルやマイケルシェンカーとか、日本だとラウドネスとかコピれないと駄目っていうような暗黙の了解があったと思う。

もちろん、めんたいロックやっている友達とかフュージョンやっていた子も一杯いたけど、コピるためのハードルの曲のようなものがあったと思う。

そういうのをやってある程度、技術をつけてからのオリジナルというのが、今はいきなりオリジナルの子達が多いなという感じ。

それは良いことでもあるけど、当時に比べると圧倒的にボキャブラリが少ないなと感じるのです。

これは今専門学校で教えていても感じること。

ここは非常に難しい部分であり、プロを目指すのであればオリジナルも書かなくては行けないということもあるが、コピーから学べることって凄く大きいのだよね。


そして、洋楽のコピーやっている子がうちのライブハウスを例にとってもとても、というか、めちゃくちゃ少ない。

洋楽がすべてよいという意味ではないのだけど、やはり定番の大物バンドをコピーしてほしいの。

そうすれば、自ずと楽器のトーンの方向性とか、アレンジとか、そういうことが学べると思う。

そしてギターソロ弾く子が少ないよね。

まあっギターSOLOをやればいいのかという話ではあるのだけど、ギターソロを弾くことでメロディックなセンスって磨かれると思うし。

高校生君達の好きを伸ばしてあげたいという気持ちと同時に僕達の若いころのように先輩から「これ弾けんと駄目じゃろ~」ってな、ある程度の押し付けも必要なのかと思った。

僕が若い時に出入りしていた小さなレコード店にいくと、「プログレ好きだったらこれだろ~」とか、本当にいくたびに色々な新しいバンドを紹介してもらって買っていたの。

「先日買ったこれ良かったす!」というと、「じゃ今度はこういうのもいいんじゃない」という具合に本当に一杯教えてもらった。

今はそんなマニアックなレコード店やブートレッグ屋など少ないので、そういう情報の場所がないのだよね。

そんな中で同じ学年の同じレベルの子たちがSNSなどで横のつながりだけは当時より強いから、高校生のコピっている曲がほぼ一緒という状態なの。


高校のクラブの先輩がやっていたあの曲をコピろうという具合に。

僕達の頃は横の繋がりよりも縦の繋がりが強かったと思うの。それも大人との。


今回のセミナーで感じたことはセミナーで指導することも大切だけど、それよりも高校生君達に世の中にもっともっとある音楽を紹介することとか、プロのライブにいく重要性とか、エフェクターではなくて、腕でトーンを作るということとか。

そんなことを今後は伝えていきたいと思っているの。


音楽は楽しい。

ただ野球部などのスポーツ系がただ楽しくクラブをやっているか??

そうじゃないよね。

好きを極めるというのは、表面をサラっと撫でて楽しくやるだけでは駄目だと思うの。

お客様に聞いていただく以上は趣味だとか、プロ志向とか関係なく、お客様に失礼のない演奏が出来ないと行けない。

その為には、キチンとコーチングをうける必要がある。


スポーツの世界はプロになってもコーチングを受けている。

しかし、バンドの世界を見ると、まったくの初心者がまったくコーチングも受けずに見よう見真似でやっていることが散見される。

僕はそれはやっぱいかんと思う。

生涯の趣味に出来るという素晴らしい分野だから、若い子達には本当にボランティアでも僕は教えていってあげたい。

そうすれば、プロになるとか、関係なく一生の素晴らしい趣味になる。


今回のセミナーでそんなことを感じました。


今後共、彼達のために色々とサポートしてあげたいです。