い~や~、久しぶりに贅沢な映画を観ましたね。
ビビリました!!感動しましたよ、本当に!!

この間の金曜ロードショー。
決してヒマじゃなく、やることなんて腐る程あるのに思わず最後まで観ちゃいました!!



       『THE 駄作』



何を、どこから、どう、突っ込めばいいんですかね?
突っ込むところがありすぎて面倒臭くなる・・・ってか笑える。
旧作映画は素晴らしかったのに・・・何やってんだよ・・・スピルバーグ・・・
原作は読んだことないのでわかりませんが、よく周りからは素晴らしい小説だと聞きます。

無駄遣いってこういうことを言うんですよね、間違いなく。
最高の贅沢・・・それは無駄遣い!!
いや~、本当にアッパレ!!

唯一の救いはダコタ・ファニング。
『アイ・アム・サム』しか、彼女の出演作品は観たことなかったのですが、やはり彼女はスゲー!!
『アイ・アム・サム』で、あのショーン・ペンを喰ってた、
と言っても過言ではない程の演技を披露してましたもんね!!
僕の中では多分、No.1俳優のショーン・ペン。
2人の共演は最高でした!!
とても良い映画でした!!
ミシェル・ファイファー、綺麗でした!!(関係ないか?)
この映画のサントラもとても素晴らしかった!!
権利問題で金がかかりすぎるからでしょうが、全てがカバー、ビートルズの。
でも、それがスンゲーいいんです!!
ビートルズのオリジナルをそのまま使うよりも絶対にいい!!
映画の雰囲気にとても合っている。
僕の中では間違いなく映画のサントラでベスト3に入る作品です。
おっ、またまた話がそれてる・・・
『アイ・アム・サム』についてはまたそのうち記事を書きます。
大好きな映画のひとつです。

話を戻して・・・
って、言っても書くことないか?
こんな駄作・・・
あっ!!あった!!
悲しいことが・・・
なぜ、出演依頼を受けたんだ・・・ティム・ロビンス・・・
僕は悲しくて絶叫してしまいそうになったよ・・・
あなたの存在感はこの映画の中でもやはり抜群でした。
でも、そんなことじゃないんです。
ダメ・・・絶対に出ちゃダメ・・・駄作には・・・
あなたのキャリアが・・・
僕は本当に悲しかった・・・
絶叫してしまいそうになる程・・・



最後に一応、トム・クルーズにも触れておきますかね。
あなたに似合う役柄じゃないと思いました・・・以上・・・
あっ!!もうひとつ!!
ダコタ・ファニングとの共演は辛かったんじゃないかぁ・・・?
誰もビッグバンを起こすヤツは現れない。
そりゃあそうだ。
読者の気を引くことに重きを置いてモノを書くようなヤツらだ。
そこに情熱などない・・・時間と共に魂はなくなった・・・のだろう。
ようやく最後の記者だ。

「えー、初めまして。フリーでカメラマンをやっています荒木です。絵のことは全くわからないのですが、ある雑誌でこの作品『ある雨の日のサクラ』を見てどうしても相沢さんに聞いてみたいことがありまして今日は足を運んだ次第です。質問よろしいでしょうか?」

「どうぞ。」

「この絵は誰の恋心を表したモノなのでしょうか?私が初めてカメラで心を写した時と同じ感じを受けたのですが・・・」

会見場がざわついた。
絵の知識もない素人が、ましてジャンルの違うカメラで写した時と同じ感じと発言した
カメラマンに対して、つまみ出せという声もあれば、面白い視点だと言って興味を持つ記者もいた。
このカメラマン、荒木の発言によって何人かの記者にビッグバンが起きたのは明らかだった。
さっきまで全員全く同じ体勢でメモ書きをしていたのが、
何人かの記者は荒木の方に体を向け、真剣にその眼差しを見つめている。
この絵の作者である僕にではなく荒木の目をだ。
ビッグバンは自分で起こすモノ、自分でしか起こせないモノだと思い続けてきたが、
どうやらそうでもないらしい。
外部からの突っつきがあって起こるビッグバンもあるみたいだ。
『無』なんて概念、よくよく考えてみなくてもそもそも意味がわからないことだ。
『無』が爆発を起こして何かが生まれた・・・なんのこっちゃ・・・
言うなれば『無』という存在があってそれが内部から爆発するのか、
外部から突っつかれることによって爆発するのか、そういったことではないのだろうか?
存在が存在しないなんてことはあるワケがないのだ。

「質問返しをするようで大変恐縮ですが、荒木さんが撮ったのは誰の恋心だったのですか?」

純粋に聞いてみたくなったから逆に聞いてみた。

「え、あぁ、そうこられますか?・・・そうですよね、恋心なんて語りたくないですよね。ましてや公の場で・・・そもそも私が勝手に思い込んでるだけであって、私のソレと相沢さんのソレが同じであるとは限らないですし・・・失礼しました・・・」

再び会見場がざわついた。
早々と自分を引っ込めるぐらいなら最初から出て来るなと、いうモノや、
簡単に自分を引っ込めるんじゃない、せっかくここまで来たんだろ?と、いうモノ、
僕・・・相沢はなんて返答するんだと、いうモノ・・・

「いえ、こちらこそ大変失礼致しました。荒木さんが純粋に僕に聞いてみたいと思い、わざわざここに足を運ばれたのと同じように、僕も純粋に荒木さんに聞いてみたいと思い、質問させて頂きました。・・・荒木さんがおっしゃるように、僕のソレと荒木さんのソレが同じかどうかはわかりません。ただ、それは全てが同じではないだけであって、少なくともひとつの視点では同じモノなのではないかと思います。全てが同じなどというモノはこの世には存在しない、と、僕は思っています。まして、人の心なんて・・・生意気言うようですが、アートの作者が作品を創り出す想いはみんな同じなのではないかと思っています。・・・自分の想い、ありったけの愛情を作品に投影するのだと思っています。その作品が幸せの象徴であろうと悲劇の象徴であろうと・・・」

さっきまでの困惑は何だったのだろうと思うぐらい、
気持ちが爽やかに、穏やかに、そして嬉しく、会見を終えることができた。
『恋心』かぁ・・・
何かいい響きだなぁ・・・
そんなのって中高生の特権みたいなモノだと思っていたけどそうでもないのかもしれない。

雨が桜に降り注ぐ・・・
お父さんがさくらを包み込む・・・

まだ一度も顔を会わせたことのない2人が一年に何回かだけ、
優しく触れ合い想いを確かめ、いつか会える日を願う・・・

・・・『恋心』・・・

僕はさくらのことが好きだった・・・
さくらは僕のことを好きだったのかな・・・

『大切な人を見ている一番美しい瞬間を絵にすると大切な人に約束してもらえたから』

と、アキちゃんは言った。
僕の見方は少し違う。

『大切な人を見ている一番美しい瞬間を大切な人と繋げてくれた人に見てもらえたから』

お父さんと繋がっている瞬間、その最も幸せで美しい瞬間を
誰かに見てもらいたかったのではないだろうか。
それは必ずしも僕でなければいけなかったとは思わない。
たまたま僕の描く絵がさくらの中でお父さんと繋がったから、
その僕に見てもらいたいと思った、それだけのことではないだろうか。

『ある雨の日のサクラ』・・・僕は未だにあの日の景色より美しい瞬間に触れたことがない。

ひたすら小説というフィクションの中で想像力を養ってるだけだ。
そろそろ僕も新たなるビッグバンを起こさなければならないのかもしれない。

『恋心』・・・多分、これだろう・・・


「勇気くん、カッコいい!!全然チキンなんかじゃないよー!!勇気出して言ったじゃん!!しかも大事なことをさっ!!」

キャラメルマキアート一杯でこれだけ持ち上げてくれるのは彼女、アキちゃんぐらいのもんかな・・・

「そう?ありがとう。」

「で、で、で、その後、『さくら』ちゃんとはどうなったの?」

「それっきり。」

「はぁ~あ、意味がわかんない!!ダメだ!!やっぱりチキンだったんだ!!最後の一押しが出来なかったチキンなんだ!!」

・・・疲れる・・・持ち上げるなら持ち上げる、扱き下ろすなら扱き下ろす、どっちかで頼むわぁ・・・

「まぁ、そういうことだねぇ。でも本当はちゃんと告白したかったんだよ。」

「ん?どういうこと?」

「彼女、『さくら』は引っ越しちゃったんだ。」

「・・・そんなドラマみたいなことって本当にあるんだねぇ?」

目を潤ませているアキちゃん。
どれだけ人の過去に感情移入してんだか・・・
でも、良い子なんだろうなぁ。
何となくアキちゃんになら話してもいいような気分になったのは、
この子から『良い子オーラ』が出ていたからかもしれない。
それを無意識で僕は感じて・・・

「当時の僕も全く同じことを思ったよ。ここで会えなくなるって、そんなのドラマの世界の話じゃないのか?って。」

「『事実は小説よりも奇なり』・・・だね。」

「んはっ、気持ち的にはそこまでの表現をしたいところだけど、実際はドラマと同様にってぐらいだと思うよ。」

「な、なんてクールな言い方!!格好良くないよ!!そんな言い方!!」

「別にさぁ、格好つけてなんかないよ。それが現実、事実って言ってるだけ。」

「あ~あ~あ~、勇気くんのイメージが次から次へと変わっていってよくわかんなくなってきたぁぁぁ・・・」

「何?アキちゃんはどうしたいの?僕の恋バナが聞きたいんじゃないの?それとも自分で勝手に持っていたイメージと実際の僕を照合させたいの?」

「・・・わかんない・・・ただ気になる人だから・・・話がしてみたかった・・・」

何を言ってんだか?これはアキちゃん特有のモノなのか?
それともジェネレーションギャップなのか?
意味がわからなくてついていけない・・・

「あああっ!!」

「どうした?」

「勘違いしないでよ!!あたしは別に勇気くんのこと好きじゃないよ!!」

「はいはい、それ、僕に対して失礼な発言。」

「あっ!そうか・・・でもね、ちゃんと言わないとわかんないことってあるからね。」

「そうだね。」

しっかりしてんだか、してないんだか・・・
何かお父さんみたいな気持ちになってきた・・・多分こんな感じかなぁ?

「でも、きっと良かったんだよ、それで。」

「僕もそう思ってるよ。アキちゃんは何でそう思うの?」

「だって『さくら』ちゃんは大切な人に大切な人を見ている瞬間を見てもらうことが出来たから。一番美しい瞬間を見てもらうことが出来たから。そしてその瞬間を絵にしてくれるって、大切な人が約束してくれたから。」

「・・・こうやって聞いてみるとやっぱりカッコいいかも!!」

「そんな邪念はダメだって『さくら』ちゃんが言ってたんでしょ!?」

「冗談じゃん・・・」

「ダメ!!あたしはこう見えて生真面目なの!!」

ははは、わかった!!この子がなんかよく見えるのは僕に似てるところがあるからだ。
自分に似てるヤツって嫌いなヤツばっかりだった・・・
自分の嫌なところを見せつけられてるある種の拷問のようで・・・
でも、僕にも良いところはあるんだな。
『恋バナ』なんてのをしなければこんなことは気付かなかったな。

「ありがとう!!」

「ん?何が?突然何?」

「いいのいいの!!」

「何か気持ち悪い・・・そういうの・・・」

「うん!!わかるわかる!!でも、いいのいいの!!」

やっぱり似てるわ、この子。

「まぁいいや・・・本当はヤダけど・・・で、肝心のその瞬間の絵は描いたの?」

「まだ描いてないよ。」

「どうして描かないの?」

「うーん、どうしてかなぁ・・・頭では整頓しているつもりだけど、心はまだ追っ付いてないんじゃないかな?」

「いつになったら追っ付くの?」

「多分、今日。」

「はっ?何で?」

「アキちゃんが追っ付かせてくれたんだよ!!」

「あたしが?何かしたっけ?」

「したよ。」

「何を?」

「それは内緒。」

「もう!!そういうのヤダ!!」

この子・・・アキちゃんのおかげでその時は訪れた。
あの日のあの瞬間からもうすぐ丸九年。
あの日の心を描きたい衝動が込み上げてきた。