「勇気くん、カッコいい!!全然チキンなんかじゃないよー!!勇気出して言ったじゃん!!しかも大事なことをさっ!!」
キャラメルマキアート一杯でこれだけ持ち上げてくれるのは彼女、アキちゃんぐらいのもんかな・・・
「そう?ありがとう。」
「で、で、で、その後、『さくら』ちゃんとはどうなったの?」
「それっきり。」
「はぁ~あ、意味がわかんない!!ダメだ!!やっぱりチキンだったんだ!!最後の一押しが出来なかったチキンなんだ!!」
・・・疲れる・・・持ち上げるなら持ち上げる、扱き下ろすなら扱き下ろす、どっちかで頼むわぁ・・・
「まぁ、そういうことだねぇ。でも本当はちゃんと告白したかったんだよ。」
「ん?どういうこと?」
「彼女、『さくら』は引っ越しちゃったんだ。」
「・・・そんなドラマみたいなことって本当にあるんだねぇ?」
目を潤ませているアキちゃん。
どれだけ人の過去に感情移入してんだか・・・
でも、良い子なんだろうなぁ。
何となくアキちゃんになら話してもいいような気分になったのは、
この子から『良い子オーラ』が出ていたからかもしれない。
それを無意識で僕は感じて・・・
「当時の僕も全く同じことを思ったよ。ここで会えなくなるって、そんなのドラマの世界の話じゃないのか?って。」
「『事実は小説よりも奇なり』・・・だね。」
「んはっ、気持ち的にはそこまでの表現をしたいところだけど、実際はドラマと同様にってぐらいだと思うよ。」
「な、なんてクールな言い方!!格好良くないよ!!そんな言い方!!」
「別にさぁ、格好つけてなんかないよ。それが現実、事実って言ってるだけ。」
「あ~あ~あ~、勇気くんのイメージが次から次へと変わっていってよくわかんなくなってきたぁぁぁ・・・」
「何?アキちゃんはどうしたいの?僕の恋バナが聞きたいんじゃないの?それとも自分で勝手に持っていたイメージと実際の僕を照合させたいの?」
「・・・わかんない・・・ただ気になる人だから・・・話がしてみたかった・・・」
何を言ってんだか?これはアキちゃん特有のモノなのか?
それともジェネレーションギャップなのか?
意味がわからなくてついていけない・・・
「あああっ!!」
「どうした?」
「勘違いしないでよ!!あたしは別に勇気くんのこと好きじゃないよ!!」
「はいはい、それ、僕に対して失礼な発言。」
「あっ!そうか・・・でもね、ちゃんと言わないとわかんないことってあるからね。」
「そうだね。」
しっかりしてんだか、してないんだか・・・
何かお父さんみたいな気持ちになってきた・・・多分こんな感じかなぁ?
「でも、きっと良かったんだよ、それで。」
「僕もそう思ってるよ。アキちゃんは何でそう思うの?」
「だって『さくら』ちゃんは大切な人に大切な人を見ている瞬間を見てもらうことが出来たから。一番美しい瞬間を見てもらうことが出来たから。そしてその瞬間を絵にしてくれるって、大切な人が約束してくれたから。」
「・・・こうやって聞いてみるとやっぱりカッコいいかも!!」
「そんな邪念はダメだって『さくら』ちゃんが言ってたんでしょ!?」
「冗談じゃん・・・」
「ダメ!!あたしはこう見えて生真面目なの!!」
ははは、わかった!!この子がなんかよく見えるのは僕に似てるところがあるからだ。
自分に似てるヤツって嫌いなヤツばっかりだった・・・
自分の嫌なところを見せつけられてるある種の拷問のようで・・・
でも、僕にも良いところはあるんだな。
『恋バナ』なんてのをしなければこんなことは気付かなかったな。
「ありがとう!!」
「ん?何が?突然何?」
「いいのいいの!!」
「何か気持ち悪い・・・そういうの・・・」
「うん!!わかるわかる!!でも、いいのいいの!!」
やっぱり似てるわ、この子。
「まぁいいや・・・本当はヤダけど・・・で、肝心のその瞬間の絵は描いたの?」
「まだ描いてないよ。」
「どうして描かないの?」
「うーん、どうしてかなぁ・・・頭では整頓しているつもりだけど、心はまだ追っ付いてないんじゃないかな?」
「いつになったら追っ付くの?」
「多分、今日。」
「はっ?何で?」
「アキちゃんが追っ付かせてくれたんだよ!!」
「あたしが?何かしたっけ?」
「したよ。」
「何を?」
「それは内緒。」
「もう!!そういうのヤダ!!」
この子・・・アキちゃんのおかげでその時は訪れた。
あの日のあの瞬間からもうすぐ丸九年。
あの日の心を描きたい衝動が込み上げてきた。
キャラメルマキアート一杯でこれだけ持ち上げてくれるのは彼女、アキちゃんぐらいのもんかな・・・
「そう?ありがとう。」
「で、で、で、その後、『さくら』ちゃんとはどうなったの?」
「それっきり。」
「はぁ~あ、意味がわかんない!!ダメだ!!やっぱりチキンだったんだ!!最後の一押しが出来なかったチキンなんだ!!」
・・・疲れる・・・持ち上げるなら持ち上げる、扱き下ろすなら扱き下ろす、どっちかで頼むわぁ・・・
「まぁ、そういうことだねぇ。でも本当はちゃんと告白したかったんだよ。」
「ん?どういうこと?」
「彼女、『さくら』は引っ越しちゃったんだ。」
「・・・そんなドラマみたいなことって本当にあるんだねぇ?」
目を潤ませているアキちゃん。
どれだけ人の過去に感情移入してんだか・・・
でも、良い子なんだろうなぁ。
何となくアキちゃんになら話してもいいような気分になったのは、
この子から『良い子オーラ』が出ていたからかもしれない。
それを無意識で僕は感じて・・・
「当時の僕も全く同じことを思ったよ。ここで会えなくなるって、そんなのドラマの世界の話じゃないのか?って。」
「『事実は小説よりも奇なり』・・・だね。」
「んはっ、気持ち的にはそこまでの表現をしたいところだけど、実際はドラマと同様にってぐらいだと思うよ。」
「な、なんてクールな言い方!!格好良くないよ!!そんな言い方!!」
「別にさぁ、格好つけてなんかないよ。それが現実、事実って言ってるだけ。」
「あ~あ~あ~、勇気くんのイメージが次から次へと変わっていってよくわかんなくなってきたぁぁぁ・・・」
「何?アキちゃんはどうしたいの?僕の恋バナが聞きたいんじゃないの?それとも自分で勝手に持っていたイメージと実際の僕を照合させたいの?」
「・・・わかんない・・・ただ気になる人だから・・・話がしてみたかった・・・」
何を言ってんだか?これはアキちゃん特有のモノなのか?
それともジェネレーションギャップなのか?
意味がわからなくてついていけない・・・
「あああっ!!」
「どうした?」
「勘違いしないでよ!!あたしは別に勇気くんのこと好きじゃないよ!!」
「はいはい、それ、僕に対して失礼な発言。」
「あっ!そうか・・・でもね、ちゃんと言わないとわかんないことってあるからね。」
「そうだね。」
しっかりしてんだか、してないんだか・・・
何かお父さんみたいな気持ちになってきた・・・多分こんな感じかなぁ?
「でも、きっと良かったんだよ、それで。」
「僕もそう思ってるよ。アキちゃんは何でそう思うの?」
「だって『さくら』ちゃんは大切な人に大切な人を見ている瞬間を見てもらうことが出来たから。一番美しい瞬間を見てもらうことが出来たから。そしてその瞬間を絵にしてくれるって、大切な人が約束してくれたから。」
「・・・こうやって聞いてみるとやっぱりカッコいいかも!!」
「そんな邪念はダメだって『さくら』ちゃんが言ってたんでしょ!?」
「冗談じゃん・・・」
「ダメ!!あたしはこう見えて生真面目なの!!」
ははは、わかった!!この子がなんかよく見えるのは僕に似てるところがあるからだ。
自分に似てるヤツって嫌いなヤツばっかりだった・・・
自分の嫌なところを見せつけられてるある種の拷問のようで・・・
でも、僕にも良いところはあるんだな。
『恋バナ』なんてのをしなければこんなことは気付かなかったな。
「ありがとう!!」
「ん?何が?突然何?」
「いいのいいの!!」
「何か気持ち悪い・・・そういうの・・・」
「うん!!わかるわかる!!でも、いいのいいの!!」
やっぱり似てるわ、この子。
「まぁいいや・・・本当はヤダけど・・・で、肝心のその瞬間の絵は描いたの?」
「まだ描いてないよ。」
「どうして描かないの?」
「うーん、どうしてかなぁ・・・頭では整頓しているつもりだけど、心はまだ追っ付いてないんじゃないかな?」
「いつになったら追っ付くの?」
「多分、今日。」
「はっ?何で?」
「アキちゃんが追っ付かせてくれたんだよ!!」
「あたしが?何かしたっけ?」
「したよ。」
「何を?」
「それは内緒。」
「もう!!そういうのヤダ!!」
この子・・・アキちゃんのおかげでその時は訪れた。
あの日のあの瞬間からもうすぐ丸九年。
あの日の心を描きたい衝動が込み上げてきた。