皆様、こんにちは。
ルート社労士事務所でございます
本日は厚生労働省HPで公開されている
新型コロナウイルスに関するQ&Aのうち、
労働時間についてご紹介したいと思います
(変形労働時間制の導入や変更)
【問1】
新型コロナウイルス感染防止対策のため、
イベントの中止や学校の休業、事業活動の閉鎖や縮小などの影響を受けて、
労働時間が減少してしまうことや、
休む従業員が増えたときに残りの従業員が多く働かないとならない事態が考えられます。
その人達について、労働基準法の労働時間の上限を超えないようにするため、
変形労働時間制を導入したり、変更したりするにはどうしたらよいでしょうか?
【答】
労働基準法第32条の4においては、労使協定において、
1年以内の変形期間を平均して1週間あたりの労働時間が40時間を超えない範囲内で、
1週に1回の休日が確保されるなどの条件を満たした上で、労働日および労働時間を具体的に特定した場合、
特定の週および1日8時間・1週40時間の法定労働時間を超えて労働させることができるとされています。
今般の新型コロナウイルス感染症に関連して、人手不足のために労働時間が長くなる場合や、
事業活動を縮小したために労働時間が短くなる場合については、1年単位の変形労働時間制を導入することが考えられます。
また、今回の新型コロナウイルス感染症対策により、1年単位の変形労働時間制を既に採用している事業場において、
当初の予定どおりに1年単位の変形労働時間制を実施することが困難となる場合も想定されます。
1年単位の変形労働時間制は、
対象期間中の業務の繁閑に計画的に対応するために対象期間を単位として適用されるものであるので、
労使の合意によって対象期間の途中でその適用を中止することはできないと解されています。
しかしながら、今回の新型コロナウイルス感染症への対策による影響にかんがみれば、
当初の予定どおりに1年単位の変形労働時間制を実施することが企業の経営上著しく不適当と認められる場合には、
特例的に労使でよく話し合った上で、1年単位の変形労働時間制の労使協定について、
労使で合意解約をしたり、あるいは協定中の破棄条項に従って解約し、改めて協定し直すことも可能と考えられます。
ただし、この場合であっても、解約までの期間を平均し、
1週40時間を超えて労働させた時間について割増賃金を支払うなど
協定の解約が労働者にとって不利になることのないよう留意が必要です。
(36協定の特別条項)
【問2】
36協定においては、臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合(特別条項)には、
限度時間(月45時間・年360時間)を超えることができるとされていますが、
新型コロナウイルス感染症関連で、
休む従業員が増えたときに残りの従業員が多く働くこととなった場合には、
特別条項の対象となるのでしょうか?
告示においては、特別条項の運用について、
「当該事業場における通常予見することのできない業務量の大幅な増加などに伴い臨時的に限度時間を超えて
労働させる必要がある場合をできるだけ具体的に定めなければならず、「業務の都合上必要な場合」、
「業務上やむを得ない場合」など恒常的な長時間労働を招くおそれがあるものを
定めることは認められないことに留意しなければならない。」としていることろです。
一方で、今般のコロナウイルス感染症の状況については、
36協定の締結当時には想定しえないものであると考えられるため、
例えば、36協定の「臨時的に限度時間を超えて労働させることができる場合」に、
繁忙の理由がコロナウイルス感染症とするものであることが明記されていなくとも、
一般的には、特別条項の理由として認められるものです。
なお、現在、特別条項を締結していない事業場においても、
法定の手続きを踏まえて労使の合意を行うことにより、特別条項付きの36協定を締結することが可能です。
(労働基準法第33条の適用)
【問3】
新型コロナウイルスの感染防止や感染者の看護などのために労働者が働く場合、
労働基準法第33条第1項の「災害その他避けることができない事由によって、
臨時の必要がある場合」に該当するのでしょうか?
【答】
質問については、新型コロナウイルスに関連した感染症への対策状況、
当該労働の緊急性・必要性などを勘案して個別具体的に判断することになりますが、
今回の新型コロナウイルスが指定感染症に定められており、一般に急病への対応は、
人命・公益の保護の観点から急務と考えられるので、労働基準法第33条第1項の要件に該当し得るものと考えます。
また、例えば、新型コロナウイルスの感染・蔓延を防ぐために必要なマスクや消毒液、治療に必要な医薬品などを
緊急に増産する業務についても、原則として同項の要件に該当するものと考えられます。
ただし、労働基準法第33条第1項に基づく時間外・休日労働はあくまで必要な限度の範囲内に限り認められるものですので、
過重労働による健康障害を防止するため、実際の時間外労働時間を月45時間以内にするなどしていただくことが重要です。
また、やむを得ず月に80時間を超える時間外・休日労働を行わせたことにより、
労使の蓄積が認められる労働者に対しては、医師による面接指導などを実施し、適切な事後措置を講じる必要があります。
(参考)時間外・休日労働とは?
労働基準法第32条においては、1日8時間、1週間40時間の法定労働時間が定められており、
これを超えて労働させる場合や、労働基準法第35条により毎週少なくとも1日または4週間を通じ4日以上与えることと
されている休日に労働させる場合は、労使協定(いわゆる36協定)を締結し、労働基準監督署に届け出ていただくことが必要です。
しかし、災害その他避けることのできない事由により臨時に時間外・休日労働をさせる必要がある場合においても例外はなく、
36協定の締結・届出を条件とすることは実際的ではないことから、そのような場合には36協定によるほか、
労働基準法第33条第1項により、使用者は、労働基準監督署の許可(事態が急迫している場合は事後の届出)により、
必要な限度の範囲内に限り時間外・休日労働をさせることができるとされています。
労働基準法第33条第1項は、災害、緊急、不可抗力その他客観的に避けることのできない場合の規定ですので、
厳格に運用すべきものです。
なお、労働基準法第33条第1項による場合であっても、
時間外労働・休日労働や深夜労働についての割増賃金の支払いは必要です。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました
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