日本最大の獣害事件⑤ | そうゆう星の生まれだもの・・・

そうゆう星の生まれだもの・・・

不幸を笑い飛ばしたい

通夜の席で襲われた太田家から明景家に戻った救護隊は明景家のただならぬ気配を察知した。


村長が耳をすます…

「今食ってる…」



バリバリバリバリ…


生々しい音が暗闇に鳴り響いた。

中の女子供を案じながらも、恐怖のあまり誰一人家に入ることが出来ない。


家に火をつけようとするも、先程ヒグマに襲われながらも何とか逃れたヤヨが中に取り残された我が子を思い反対した。


村長は銃を空に発砲するように指示した。

パーン…

次の瞬間、ヒグマは驚き入り口を破ってとび出し戸口の一番近くにいたマタギの前に立ちはだかる。

マタギは急いで銃の引き金を引いた。


しかし、これもまた不発に終わった…

ヒグマ暗闇に消えた。



救護隊は中に入るのをためらったが、日露戦争経験者が先頭をきって中に入る。


「生存者は出てこい!」



穀俵の影に潜み難を逃れた力蔵と失神して寝ていたヒサノが声も出せない状態で救いだされた。



部屋の中は一面血の海。血しぶきは天井裏まで飛び散り、死臭が充満していた。

犠牲になった斉藤タケ、春義、明景金蔵は部屋の中心に頭を並べ、布団やムシロなどで覆われていた。

タケの上半身は見る影もないほど食いつくされていた。

胎児はわずかに母体とつながり、無傷で生きていたが一時間後に息たえた。

三人とも素っ裸にされていた。ヒグマの習性である。

隊員が遺体を回収し引き上げようとしたとき、

「おっかあ!!熊獲ってけれ!」

と大きな叫び声


隊員は生存者を見逃していたのだ。
ムシロの下に瀕死の斉藤厳を発見した。

厳は左大腿部から臀部にかけて骨が露出しており、皮膚がぼろ肉のようにまとわりつき、直視しがたい酷い姿であった…