冥途の土産 ～俺の昭和歌謡～ 第11回
（このシリーズを始めたきっかけはこちら）
『Will You Dance?』ジャニス・イアン
今回は「昭和歌謡」と言えるのかどうか...スピンオフってことになるのかもしれませんね。
前回の山田太一原作脚本ドラマ『ふぞろいの林檎たち』の主題歌『いとしのエリー』を取り上げたことで、ドラマ『岸辺のアルバム』を思い出しました。原作脚本は同じく山田太一。
あの八千草薫さんが不倫妻を演じるのが何とも衝撃でした。1977年放送ということですが、私はそのずっと後の再（再々？）放送で見たんだと思います。その時に主題歌のことはほとんど意識していませんでしたが、2012年放送NHKEテレ『アンジェラ・アキのSONGBOOK in English』でこの歌が取り上げられて、その内容にびっくりしたことを覚えています。
曲調と詞の内容が何ともアンバランスな感じで、それが歌詞が持つ、なんだろ...シニカルさとか虚無感みたいなものを際立たせている気がします。ドラマの内容とも微妙に重なる感じもして...
では、どうぞ。
Someone is waiting
Over by the window,
Just beyond the stairwell someone's crying
Drowning in the words of the prophets
that are written for the dead and the dying
Someone's lying. No one's buying
窓のそばで誰かが待っている
階段の向こうで誰かが泣いている
死者と死の際にある者のために書かれた
預言者の言葉に溺れて
誰かが嘘をついている 誰も信じないけど
Someone is dying
Panic in the streets
Can't get no release, someone escaping
Waiting on a line for the holy revolution
Parading illusion
Someone's using. Most amusing
誰かが死にかけている
通りで人がパニックになっている
救いの手が得られない 逃げ出している人がいる
聖なる革命が起こるのを待っている
でも革命のパレードは幻想にすぎない
誰かがドラッグをやっている 超笑える話ね
Will you dance, will you dance?
Smell of caviar and roses
Teach your children all the poses
How familiar are we all...
Will you dance, will you dance?
Light fantastic in the morning
How romantic to be whoring
Boring though it may be
Who'll survive
if you and I should fall
踊ります？ ねえ、踊ります？
キャビアとバラの香り
子供たちに（大人たちの）うわべだけの姿を見せてあげよう
私たちがみんないかに仲がいいか
踊ります？ ねえ、踊ります？
素晴らしい陽が差し込む朝
娼婦のように淫らになるってすごくロマンチック
退屈かもしれないけど
いったい誰が生き残るっていうの
あなたと私が死ぬようなことがあったら
Someone is bleeding
Crimson in the night
Strangers, in the light a sudden meeting
Greeting one by one every life runs
flashing before those dashing eyes
誰かが深紅の血を流している
夜の闇の中で
見知らぬ者同士が明かりのもとで突然の出会い
一人ひとり挨拶を交わし
求める眼差しの前をそれぞれの人生が通り過ぎる
Will you dance, will you dance?
take a chance on romance
and a big surprise?
Will you dance, will you dance?
Take a chance on romance
and a big surprise?
踊ります？ ねえ、踊ります？
出会いに賭けてみて
そうしたらびっくりする事が待っているかも
踊ります？ ねえ、踊ります？
出会いに賭けてみて
そうしたらびっくりする事が待っているかも
（原詞・日本語訳は『アンジェラ・アキのSONGBOOK in English』テキストより引用させていただきました）
UnsplashのAhmad Odehが撮影した写真