大学に途中入学した人たち | むかし日記

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僕の古い日記です。

大学に入学して1か月ほどしたある日,途中入学した人だけの集まりがあった。

といっても,僕の学年が2期生なので,1つ上の学年と僕らの学年の2学年だけのこじんまりとした集まりだった。

 

その集まり,いわゆる途中入学者の飲み会に行くと,大阪出身の1つ上の学年の女子学生がいた。

どうやら,この女子の先輩が音頭をとって,今回の集まりを企画したようであった。

この女子の先輩はキソコウに入学したようで,3年次に入学しても,単位が不足しているため留年することになると話していた。

京都の大学や名古屋の大学も3年次に入学しても,単位が不足しているため留年することになるとの話だった。

東京の大学ははなっから,2年次入学なので,受験は論外だ。

つまり,僕たち7名が入学したコウガクブが,留年することなしに卒業できる数少ない学部であることを知った。

やはり,僕はついていたのだ。

 

さらにキソコウは就職の時にリガクブ同様,教授推薦がもらえないため,コウガクブに比べて,就職に苦労するということであった。

 

米国でも,サイエンスとエンジニアリングでは,就職や国家試験の受験の時に区別されており,いうまでもないが,エンジニアリングという専攻は,就職の時に絶大な威力を発揮する。

僕がいった学科は,職業訓練学校であるコウガクブでありながら,中身はサイエンスを学ぶという,いかにも日本的な玉虫色のところだった。

学ぶことは興味のある量子力学や統計力学でありながら,就職の時には職業訓練学校の仮面をかぶって,リガクブやキソコウを後目に楽々と大企業に入れるというわけである。

 

就職での優先的採用という非常に重要なことを高校生など受験生が,全く知らされていないというのが,いかがなものかと思うが,そこが日本という国の特性なのだろう。

 

話はずいぶん横に逸れたが,その集まりで,久留米の学校から電気工学科に入学したフジモト,鹿児島の学校から電子情報機械に入学したクボ,大阪の学校から材料工学に入学したマエダの3名と共通した科目をとっているということで仲良くなった。

 

のちにマエダが言っていたが,彼は大阪の高校の電気工学科で席次が2番であり,この大学の電気工学科を第1希望で受験したが,合格せず,第2希望の材料工学に入学することになったということだ。

大阪の学校の電気工学科で席次が1番の者は京都の大学を受験し,合格したという話だった。

なお,大阪の学校では,電気工学科で席次が3番の者と工業化学科で席次が1番の者が,この大学の応用物理を受験したらしい。

 

その後,第2回の途中入学者の集まりがあるかなと思っていたが,どうやらキソコウの先輩女子学生が気分が乗らなかったのか,この会,1回限りで終わってしまった。

もともと専攻が違うし,接点もほとんどないので,こういう会合は続かない。