SBIから新しい「SBI・オールカントリー・インデックス・ファンド」が登場するようです。
設定日は2026年11月17日。
そして、気になる信託報酬は……
年0.055%(税込)
かなり安い。
連動する指数は「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」。日本、米国、欧州、新興国など、世界中の株式に幅広く投資する、いわゆる「オルカン」です。
すでにオルカンは安いのに、さらに安くなる
オルカンといえば、すでに低コスト商品の代表格。
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」など、低い信託報酬を売りにした商品が以前からあります。
そこへ今回、SBIが新商品を投入。
信託報酬は年0.055%です。
投資信託のコスト競争、どこまで行くんでしょう![]()
昔なら、「信託報酬0.1%以下なんて安い!」という感覚だったのに、今では0.05%台の商品が登場。インデックス投資をする側からすると、ありがたい話です。
では、信託報酬が0.01%違うと、どれくらい変わる?
たとえば、同じような商品で信託報酬に0.01%の差があった場合。
100万円を保有していれば、年間のコスト差は約100円。
1,000万円なら約1,000円。
1億円なら約1万円です。
金額が大きくなれば差も大きくなりますが、100万円なら年間100円。
もちろん長期間保有すれば積み重なりますし、運用額が大きくなれば無視できない差にもなります。ただ、「信託報酬が0.01%安いから、今持っている商品をすぐ乗り換えよう!」と考えるほどの差なのかは、別問題です。
信託報酬だけでは本当のコストは分からない
投資信託を見るとき、つい信託報酬だけを比較してしまいます。でも、実際にかかるコストはそれだけではありません。株式の売買にかかる費用や、保管にかかる費用など、信託報酬以外の費用もあります。いわゆる「隠れコスト」です。
そのため、信託報酬が0.055%だから、実際のコストも0.055%というわけではありません。
特に新しく設定されたファンドの場合、まだ運用実績がないので、実際にどの程度のコストがかかるのかは分かりません。
実際のコストは、今後公表される運用報告書などを見て確認していくことになります。
だから、「信託報酬が安いから、とりあえず乗り換え!」ではなく、実際の運用状況をしばらく見てから判断するというのも一つの方法です。
そして、既存のオルカンが値下げする可能性も
もう一つ忘れてはいけないのが、今あるファンドが、そのまま高いままとは限らないということ。
たとえば、eMAXIS Slimシリーズは「業界最低水準の運用コストをめざし続ける」という方針を掲げています。
これまでにも、競合商品の登場などをきっかけに、インデックスファンドの信託報酬が引き下げられてきました。
今回のように、かなり低いコストの商品が登場すれば、既存のファンド側が対抗して信託報酬を引き下げる可能性もあります。
そうなると、「新しい商品に乗り換えなきゃ!」と思っていたら、今持っている商品も安くなったなんてこともあり得ます。投資信託のコスト競争は、こういうところが面白いですね。
新商品が出たら、今持っているオルカンはどうする?
新しい商品が登場すると、「今持っているものより安い!」となって、すぐ乗り換えたくなることがあります。
でも、投資信託の乗り換えは、必ずしも急ぐ必要はありません。
特にNISAの場合、売却したからといって、その年に使った投資枠がその場ですぐ復活するわけではありません。
そのため、「新商品が出たから、今のオルカンを売って乗り換える」と単純に考えるのではなく、「これから積み立てる商品をどうするか」という視点で考える方法もあります。
すでに持っている商品に問題がないのであれば、無理に売却する必要があるとは限りません。
そして、証券会社も忘れてはいけない
今回のSBIの新しいオルカンを見て、「信託報酬が安い!じゃあ買おう」と思っても、もう一つ確認したいことがあります。
自分が使っている証券会社で取り扱っているか?ということ。特にNISAでは、NISA口座を開設している金融機関で投資することになります。
そのため、「この投資信託、安い!」と思っても、実際に自分のNISAで購入できるのかは確認が必要です。
投資信託を選ぶときは、
●信託報酬
●投資対象
●連動する指数
●実質的なコスト
●純資産総額
●NISAでの取り扱い
●ポイントなどのサービス
などをまとめて確認したほうがよさそうです。
それにしても、投資信託の値下げ競争はすごい
今回のSBIの新商品を見て思ったのは、投資信託の低コスト化、本当にすごいなということ。
同じような指数に連動する商品が、「うちはもっと安くします」、「じゃあ、うちはさらに安く」と競争していく。投資家にとってはありがたいことです。
ただ、ここまでコストが下がってくると、「信託報酬が一番安いから、これに決まり!」と考える必要もなさそうです。
新しく設定されたファンドなら、実際の運用状況や実質的なコストが分かるまで待つ。
既存のファンドなら、競合に対抗してコストが下がる可能性もある。そして、NISAで利用するなら証券会社の取り扱いも確認する。
安いことはもちろん大事。でも、「安いから即乗り換え」ではなく、「本当に乗り換えるメリットがあるのか?」を考えてからでも遅くはない。
SBIの新しいオルカンの登場で、また投資信託のコスト競争が一段進みそうです![]()