なぜ今、こんな話が出てきたのかというと、iDeCoの制度が大きく変わるから。2026年12月から、iDeCoの拠出限度額が引き上げられる予定です。
iDeCoといえば、
「節税になる」
「老後資金を作れる」
「運用益も非課税」
ということで、かなりお得な制度として紹介されることが多いですよね。
実際、iDeCoの掛金は全額所得控除になり、運用中の利益も非課税です。(厚生労働省)
でも、「iDeCoって、本当にそんなにお得なの?」という意見もあります。
もちろん、これは人によって答えが変わります。
所得税率が高い人なら、掛金の所得控除によるメリットも大きくなります。
一方で、そこまで所得税を払っていない人なら、思っていたほど節税額が大きくない場合もあります。
つまり、「iDeCo=誰にとっても絶対お得」ではない。
そして私が一番気になるのは、節税額よりもこっち。
途中で自由にやめられない
NISAなら、積立をやめることもできるし、必要になれば売却して現金にすることもできます。
ところがiDeCoは、老後資金として作る制度なので、基本的に途中で自由に引き出すことができません。
これって結構大きな違いですよね。
「毎月1万5,000円くらいなら大丈夫」と思って始めても、それが何年、何十年と続く。しかも、そのお金は基本的に老後まで自由には使えない。
だからこそ、加入する前に、自分の生活に本当に合っているのかを考える必要がある。私はここが大事なんじゃないかなと思います。
さらに、iDeCoには手数料もあります。金融機関によって運営管理手数料が無料のところもありますが、制度全体にかかる手数料まで全部無料になるわけではありません。
現在は、国民年金基金連合会の手数料が月105円、事務委託先金融機関の手数料が月66円。
合わせて月171円です。(iDeCo公式サイト)
年間にすると2,052円。
そして2027年1月からは国民年金基金連合会の手数料が120円に引き上げられる予定なので、事務委託先の66円と合わせると月186円になります。(iDeCo公式サイト)
もちろん、これだけで「iDeCoは損」と言う話ではありません。節税メリットのほうが大きければ、それでも十分意味があります。
ただ、「無料だからiDeCo」ではないということ。
そして、もう一つややこしいのが、出口です。iDeCoは受け取るときにも税金のことを考えなければいけません。
一時金で受け取れば退職所得控除、年金で受け取れば公的年金等控除の対象になります。(厚生労働省)
一見、「退職所得控除があるなら安心じゃん」と思うんですが、ここも単純ではない。
勤務先から退職金を受け取る人なら、iDeCoの一時金と退職金の受け取り時期によって、退職所得控除の計算に影響が出る場合があります。
しかも2026年から、この重複調整に関するルールも変更されています。(国税庁)
つまり、入れるときに節税。だけ見ていればいい制度ではなく、受け取るときまで考えておく必要がある。ということなんですよね。
一時金で受け取るのか。年金で受け取るのか。あるいは一時金と年金を組み合わせるのか。人によって正解が違う。
だから私は、「iDeCoは絶対やるべき!」と言われても、「ちょっと待って。加入する前に仕組みを勉強したほうがいいんじゃない?」と思います。
NISAもそうだけど、制度が「お得そう」というだけで始めるのはちょっと危ない。
特にiDeCoは、一度入れたお金を自由に引き出せない。ここがNISAとは大きく違います。
そして、2026年12月からはiDeCoの拠出限度額が引き上げられる予定。
自営業者など第1号被保険者は、国民年金基金などとの合算で月7.5万円まで。会社員などの第2号被保険者についても、条件に応じて拠出限度額が引き上げられます。(厚生労働省)
「もっと入れられますよ!」となるわけです。
でも、入れられる金額が増えることと、入れたほうがいい金額が増えることは別。ここは分けて考えたい。
老後資金をしっかり作りたい人には、iDeCoが合う場合もある。でも、数年後に使う可能性があるお金までiDeCoに入れてしまうのは考えもの。
私なら、「節税になるから」だけでは決めない。
いつ使うお金なのか。
途中で使えなくても困らないのか。
受け取るときの税金まで考えたのか。
ここまで考えてから始めるかな。
NISA貧乏の次は、iDeCo貧乏。投資や節税って、「やればやるほどいい」ではないんですよね。お得な制度ほど、仕組みをちゃんと理解してから使う。
これ、結構大事だと思います![]()