住宅ローン控除も大きな理由のひとつでした。
かつては、住宅ローンの金利より住宅ローン控除の控除率のほうが高くなる「逆ざや」が発生するケースもあり、
「繰り上げ返済を急がず、住宅ローンを残しておいたほうが有利」
という考え方もありました。
現在は制度が改正され、控除率は0.7%。
住宅の性能などによって借入限度額や控除期間も異なります。
さらに住宅ローン金利も上昇してきています。
そのため、以前のように「低金利だから、とにかく借りておけばいい」とは言い切れなくなっています。
それでも手元資金には大きな価値がある
では、頭金をできるだけ入れるべきなのか。
ここで考えたいのが流動性です。
頭金として1,000万円を入れれば、住宅ローンは1,000万円少なくなります。
その分、利息負担を減らせる。
これは確実なメリットです。
でも、一度住宅に入れてしまった1,000万円は、必要になったからといって簡単に取り戻すことはできません。
手元に残しておけば、
現金として持っておく。
投資に回す。
生活費や大きな出費に備える。
将来、繰り上げ返済に使う。
といった選択肢があります。
つまり、手元にお金を残すことそのものにも価値があるわけです。
「残したお金を投資する」なら慎重に
ただし、ここからが重要です。
住宅ローンを多く借りて、手元に残したお金をすべて株式投資に回す。
これは、現金を手元に置いておくのとは意味が違います。
金利が上昇して住宅ローンの負担が増えているときに、株式市場まで下落する可能性があります。
つまり、
ローンの負担は増えるのに、投資資産の価値は下がる
という状況もあり得ます。
だから、
「住宅ローン金利より投資のリターンのほうが高そうだから大丈夫」
という単純な比較だけでは判断できません。
投資には、元本割れする可能性があるからです。
結局、どちらが正解なのか
「頭金をできるだけ入れる」
「頭金を入れず、できるだけ借りる」
どちらかが絶対に正解というわけではありません。
金利が低かった時代には、フルローン+投資という考え方に追い風がありました。
でも金利が上昇してきた今は、以前より慎重に考える必要があります。
それでも、手元資金を残すことには、流動性という大きなメリットがあります。
そして、住宅ローンには団信という保障もあります。
だからこそ、
金利だけで判断しない。
投資の期待リターンだけでも判断しない。
手元にどれくらい資金を残すのか、金利が上がっても返済できるのか、投資資産が大きく下落しても耐えられるのか。
そこまで含めて、自分に合った借入額を考える。
金利のある時代になった今は、そんな住宅ローンとの付き合い方が大切なのかもしれません。
住宅ローンは「できるだけ早く返すもの」とも、「できるだけ長く借りるもの」とも限りません。
自分のお金を、住宅・現金・投資のどこに置いておくのが一番いいのか。
そう考えると、頭金をいくら入れるかという問題も、少し違った見方ができるようになります![]()
