住宅を購入するとき、
「頭金はなるべく入れない」
「住宅ローンはできるだけ多く借りる」
「手元に残したお金は投資に回す」
という考え方があります。
私自身も、住宅ローンを利用しながら手元資金を投資に回すという考え方をしてきました。
住宅ローンの金利が低い時代には、これはかなり合理的な考え方のひとつでした。
たとえば、住宅ローンの金利が0.5%程度なのに、手元に残した資金を長期的に運用して、それ以上のリターンを期待できるのであれば、
「わざわざ頭金として住宅に入れてしまうより、運用に回したほうがいい」
という考え方ができます。
ところが、最近は少し状況が変わってきました。
金利が上がれば「借りるコスト」も上がる
日本銀行の金融政策が正常化する中で、住宅ローン金利も上昇傾向にあります。
2026年9月には、大手銀行の一部で変動型住宅ローンの金利が引き上げられました。住宅ローンの変動金利は、日銀の政策金利や銀行の基準金利などの影響を受けるため、今後さらに金利が上昇すれば、住宅ローンの負担も大きくなる可能性があります。(東京報道新聞 - 深層に隠れた真相にせまるメディア)
そうなると、
「低い金利でお金を借りて、そのお金を投資に回す」
という戦略のうまみは、以前より小さくなります。
もちろん、住宅ローン金利が上がったからといって、すぐに「頭金をたくさん入れるべき」という話ではありません。
大事なのは、
住宅ローンの金利と、投資で期待できるリターンを比較すること。
そしてもう一つ重要なのが、投資のリターンは確実ではないということです。
住宅ローンの金利は上がれば確実に負担が増えます。
一方、株式投資は長期的には成長が期待できても、途中で大きく下落することがあります。
つまり、
「住宅ローン金利<投資リターン」
なら必ず得をする、という単純な話ではありません。
それでも「頭金ゼロ」が完全に間違いになったわけではない
では、金利が上がってきた今は、頭金をたくさん入れたほうがいいのでしょうか。
私は、そこまで単純ではないと思っています。
住宅ローンには、手元に現金を残しておけるという大きなメリットがあります。
住宅を買ったあとには、家具や家電、修繕、税金など、何かとお金が必要になります。
さらに、投資資金をすべて住宅に入れてしまえば、あとから必要になったときに簡単には取り出せません。
その意味では、
「頭金を入れすぎず、ある程度の現金を手元に残す」
という考え方には、今でも意味があります。
ただし、
「借りられるだけ借りて、その全額を投資する」
となると、以前より慎重に考えたほうがよさそうです。
私なら「金利上昇に耐えられるか」を先に考える
これから住宅を購入するなら、
「投資で何%儲かりそうか」
だけではなく、
「住宅ローン金利が1%、2%と上がっても無理なく返せるか」
を考えておきたいところです。
金利が上がったときに投資資産が同時に下落していたら、かなり苦しくなります。
だからこそ、
住宅ローンは余裕を持って返せる範囲で借りる。
そのうえで、余裕資金を投資に回す。
このくらいのバランスが、これからの「金利のある世界」では現実的なのかもしれません。
住宅ローンの金利がほとんど気にならないほど低かった時代と、金利上昇が現実になってきた今。
「頭金をなるべく入れず、借りられるだけ借りて投資する」という考え方も、少しずつ見直すタイミングに来ているのだと思います。
とはいえ、住宅ローンを組む目的は「投資で住宅ローン金利を上回ること」ではありません。
無理のない住宅ローンを組みながら、手元資金も残し、長期的に資産形成を続ける。
これからは、そんな考え方がより大切になってきそうです。
続きます![]()