寝ぼけたていたのもあるでしょうが、亡くなると言う言葉が
頭に無かったのでしょうね。
親父が病院から居なくなったと聞き違えたのです。
当然と言えば当然だと思います。
昨日退院の話をしたばかりですから。
でも親父は病院のベッドで冷たくなっていました。
「おとうさん、返事して。おとうさん眼を覚まして!」
呼び続ける母の声が病室の中で空しく響いた。
死というのはこうもあっけないものかと、私も呆然と
立ち尽くすしかありませんでした。
多臓器不全。
敗血症ではよくあることだそうです。
でもこれは医療ミスではないのか?。
そんなことが頭をよぎったのですがここで病院と事を荒立てることが
母親にとってプラスになるのだろうか。
ここに決めた母親に後悔の念だけが残ってしまうのではないか。
親父が死んでしまった今、重要なのは年老いた母のケアだと思いました。
仕方が無かったことだと母にいいきかせ病院を出ました。
勿論無念の思いに心がかき乱されていました。
でも今は母の心を落ち着かせることを第一に考えたのです。