英才教育の成果か? | 302号室のヘビとトカゲとヤモリたち

302号室のヘビとトカゲとヤモリたち

レオパ、フトアゴ、アオジタ、ノギハラバシリスク、コーンスネーク、ニホンヒキガエルたちとの楽しい生活

 コーンスネークの大吉には、小さい頃に英才教育を受けさせました。

 

 映画『アナコンダ』を見せて、「立派なヘビとは」を学ばせたのです。

 

 立派なヘビとは、人間を恐れるのではなく、恐れられるもの。

 

 人間に殺されるのではなく、殺すもの。

 

 自分以外の生き物はすべてエサ。それこそが立派なヘビである――

 そんな教育を受けて育った大吉ですが、凶暴アナコンダとは真逆な、とてもおっとりした性格の、のんびりヘビに成長しました。

「あの英才教育は無意味だったのか」

 そんなふうに思っていましたが――

 

 

 昨夜!

 

 

 

 咬まれましたよ! 痛かった!😭
 ケージの掃除をしようと、大吉の体を掴んだんです。普段通り、普通に。いつも体を掴むと大吉は踏ん張るみたいに体に力を入れるのですが、昨夜の大吉はその力がすごく強かったんです。全身の筋肉が収縮して硬く引き締まった大吉に、「あれ? なんかいつもと――」と思ったその瞬間、「バチン!」という感じでやられました。ガブリと咬まれたというより、すごくしなったムチで強く打たれたような感じでした。頭がムチのように飛んできて、ぼくの人差し指にサクッと牙を突き刺し、一瞬で離れていきました。
 指を見ると、牙が刺した穴から丸く血が浮き出てきて、見る見るうちに膨らみ、やがてボタボタと床に垂れ始めました。すごい量の血が!
 

 あの英才教育の成果が、いまになって現れたのでしょうか!? でも、おい大吉! あの英才教育は、世の中にはびこる悪人をやっつけるためのものだったんだぞ! 悪人をみんな食べちゃえ! という意味のものだったんだぞ! ダメじゃないか、ぼくを食べようとしちゃあ!

 

 

 まあ、昨夜の大吉は、何かぼくにはわからないことがきっかけでスイッチが入ってしまったのでしょうね。捕食スイッチか、あるいは身を守るスイッチが。

 大吉を飼って8年7ヶ月になりますが、咬まれたのは2回目になりました。それにしても、ヘビってやはりすごいですね。普段のんびりおっとりしている大吉の、あのスピード、あの迫力! ほんと絶対に反応できる速度なんかじゃないです。

 

 ちなみに、いまは大吉はまた普段どおりの、おっとりのんびりに戻っています。

 かわいいヘビです。