不思議なイカの塩辛事件 | 302号室のヘビとトカゲとヤモリたち

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レオパ、フトアゴ、アオジタ、ノギハラバシリスク、コーンスネーク、ニホンヒキガエルたちとの楽しい生活

 爬虫類とはまったく関係ない話なのですが――
 ちょっと前(2週間くらい前かな?)にイカの塩辛を買ったんです。スーパーに買い物に行って野菜やらお菓子やらと一緒に、ちょっと食べたくなってイカの塩辛を。パック入りの、ごく普通のイカの塩辛を。
 

 で、家に帰ってきて、買ってきた物を買い物袋から冷蔵庫に移していたら、イカの塩辛が見当たらなかったんです。

 車の中で買い物袋からシートに落ちたのかなと思って車を見に行ったのですが、車の中にはなく、ならばすでに冷蔵庫に、無意識のうちに違う所に入れちゃったのかなと思って冷蔵庫を隅から隅まで、なんなら冷凍庫のほうも見てみましたが見当たらず。無いとは思いますがレシートと一緒にゴミ箱に捨てちゃったかと見てみましたが、見当たらず。食器棚も見て、穿いていたズボンのポケットも見て、ありとあらゆる場所を見てみましたが、どこにも見当たらず。

 
 レシートには「イカの塩辛」とばっちり書いてあるので、買ったことは間違いありません。でも見当たらないということは、これはもうスーパーで買い物かごに忘れてきちゃったんだろうと思いました。買い物かごから袋に移し替えるときに、イカの塩辛だけ入れ忘れちゃったんだろうと。
 
 で、2週間くらい経った今日。車に乗ると、アクセルペダルのところにイカの塩辛があったんです。
 
 なんなんですか、これは?
 
 その場所ならしっかり確認したし、あれから2週間くらい経っていて、そのあいだ何回も車を運転しましたよ。そのあいだずっとその場所にあったというのですか? それは無理がありますよ。いくらぼくがバカでアホで間抜けでくだらない何の価値も無い人間でも、アクセルペダルのところにイカの塩辛が落ちているのに気づかず車を運転するなんて、それは無理がありますよ。
 
 結論としては、「イカの塩辛は2週間、車のどこかに隠れていて、今日、出てきた」ということになるのでしょう。つまりあいつは生きていて、動いて隠れて、また出てきたのです。
 パックに入ったイカの塩辛の、パックの中身がたくさんの生命体なのか、それともパックごとでひとつの生命体なのか、それはわかりません。わからないですが、生きているのでしょう。そうじゃないと困ります。だってそうじゃないと、ぼくは2週間ずっと、イカの塩辛を足元に置きながら「あーあ、イカの塩辛、もったいないことしちゃったなあ」なんて思いながら車を運転していたことになってしまいます。
 
 ちなみにそのイカの塩辛、賞味期限的には大丈夫なのですが、捨てました。この2週間のあいだに暑い日がけっこうありましたからね。
 
 皆様もどうぞ気を付けてください。