マネしちゃいけません
とある会社での実話です。
その会社では、データセンターの移転を行いました。
現在機器類が設置されているデータセンターでも良かったらしいのですが、子会社情報システム部門の、より都心に近いデータセンターが良い、との要請をうけた形で新データセンターに移設、ということになったらしいです。
実際には、データセンターって、入館管理が厳しいため、そんなに頻繁にいくものではないのですけどね・・・サーバ類が近くにないと落ち着かない方々もいらっしゃるのでしょう。
移転作業自体は、現データセンターの管理会社主導で行う(新しいデータセンターも同管理会社)ことになったらしいです。
さて、皆様の期待を裏切らず、移転後問題が起こりました。
問題とは・・・
ファイアウォールの設定が全部飛んだ!
機器移転の際に、当然ながら電源の遮断が発生します。
再設置後、最初の通電は結構緊張する瞬間ですが、案の定・・・
機器は復旧不能で、代替機を至急準備したようです。
さらなる問題はその後・・・
元の設定がわからない!
なぜそんなことになったのでしょう?
通常は、移転前のサービス停止後、バックアップを取得し、不測の事態に備えるものです。
今回のこの作業の際に、その部分はユーザー側の作業として事前定義されていました。
もちろん、データセンターの管理会社や、インテグレータに頼むことも可能です。
しかしながら、今回の場合、費用を抑えることも考慮事項だったため、ユーザー側の作業ということで合意がなされたようです。
移転準備は問題なかったようですが、いざ鎌倉!というときに、また問題がありました。
バックアップし忘れた!
移転にはユーザー企業側から2人のスタッフが立会いを行なったようです。
1人は柔軟性にかけるシニアエンジニア。
もう1人は、インシデント管理や変更管理等の知識が全くない、まず真っ先に手が動いてしまうエンジニア。
移転準備にあたっては、手順書というか、タスク表があったらしいのですが、実際にはそれを順に追うのではなく、感覚でどんどん作業を進め、その後にまとめてチェックを入れる、ということが行われていました。
今回のファイアウォールのバックアップ(実際には、設定ファイルをエクスポートし、外部媒体に保管する、という1分ほどの作業)は、上記のようなオペレーションの際に見事に抜け落ち、気がついたときにはすでに電源まで解体されていた状態だった・・・ということです。
そこで上記2人のエンジニアは、「まぁいいか・・・たぶん大丈夫だろ。」という気分だったに違いありません。
その後、輸送されてきた機器類は、新データセンター内に設置され、配線後、いざ通電。
はーい、起動しません・・・
結局、代替機に、ファイアウォール設置当初の設定を導入資料を見ながら再度入れ込んでいったそうです。
しかし、その設定値は約2年前のもの・・・
当然その後、設定項目は変わっています。
上記エンジニア達はさぞかしドキドキでしょう。
その報告を受けた上長の対応もなかなか面白いものがあります。
その対応とは・・・
影響範囲が明確でないので、問題が上がってきたら、その時々で対応しよう。
その際には、不測の機器の故障で設定が消えたため、ということで対処するように。
・・・
ちなみに、この会社では、ISMS(情報セキュリティマネジメント認証)や、ITSMS(ITサービスマネジメント認証)を取得しているそうです。
けんぢが自分の組織でそんなことが起こったら・・・と考えるとぞっとします。
クワバラクワバラ・・・
3輪バギーレストア(最終)
エンジンも無事始動し、いよいよ車体調整です。
今回の車体は(たぶん)中国製のため、各部品が陳腐な作りのものが多いようです。
ボルト一つとってみても、レンチにカチッとはまる感じがありません。
また、素材も柔らかく、ボルトやナットの山が潰れやすいです。
一番困ったのが、ナットの中心点がずれていることです。
ボルトを止める、といった基本機能自体に問題はないのでしょうが、メンテンス性が悪すぎます。
今回はありあわせの部品で、最低限必要な部分から強化部品に変えていきます。
一番最初に手をつけたところは、リアシャフトの取付部分です。
入手時点での状態は、車体を後ろから見ると、傾いていました。
その現況を探っているうち、スイングアームのリアシャフトの取り付け部分の遊びが大きすぎ、それが傾きに繋がっていることが判りました。
それを補正するため、取り付けボルトにスペーサをかませ、遊びを少なくする作戦を取ります。
ボルトも強化品(と言っても、以前にレストアしたRG50Γの部品ですが)に交換していきます。
傾きの補正完了です。
次にチェーンテンションを正しくします。
入手状態ではテンションが張りすぎ、この状態でダート走行すると、確実に切れてしまいます。
という訳で、3センチほどの遊びを確保します。
これでリア周りは大丈夫です。
フロント部分に移ります。
フロントフォークのよじれですが、これはフォークポストに問題がありました。
ボルトの締め付けで対応を試みましたが、設計上の問題なのでしょうか、あまり効果は得られませんでした。
スタビライザを流用または自作して対処するしかないようです・・・
それでも入手時よりは格段に良くなりましたがね。
スロットルワイヤー、ブレーキワイヤーはグリスアップとCRC556で潤滑を確保しておきます。また、ブレーキレバーの調整も行い、息子の小さな手でも確実にブレーキがかかるよう調整します。
これで完璧です。
前後のタイヤにエアーを充填し、再度エンジン始動です。
蘇りました、3輪バギー♬
早速息子に引渡しです。
息子はオートバイ系に乗るのは初めてなので、アクセルの操作は超おっかなびっくりです。誰でも最初はそうですね。
息子のよいおもちゃ(というには本格的すぎるかもしれませんが)ができました。
乗り物にドンドン親しんでいってほしい、という親の願いです。
妻は若干反対してますがね(笑)
3輪バギーレストア(その3)
やはり今回もキャブレターと格闘です。
といっても、定期メンテナンスの一環として、キャブレターのオーバーホールは定期的に行うべきことでしょう。
しかしながら、エンジンが無事始動している限り、なかなか手を付けることから足が遠のいてしまうことも事実です。
やればやったでなかなか面白いし、車体に対する愛情が深まるのですけどね・・・
さて、今回の車体ですが、何度も書いていますが、刈払機のエンジンを使用しています。
そのため、キャブレターも簡素な物(混合油ですから、エンジンオイルの分離給油部分がなく、構造的にシンプル)が取り付けられています。
車体自体がシンプルなため、なかなか手が届きにくいところに取り付けられています。
まず、エアークリーナを外します。
クリーナボックス、と呼べる物ではなく、単にカバーがあり、それにフィルタが付けられているだけです。
今回の車体はダート仕様のため、ゴミやホコリが多い環境で走らせることを考慮し、乾式ではなく湿式仕様にし、フィルタの表面にエンジンオイルを塗布します。
いよいよキャブレターの取り外しです。
六角レンチを何とか差し入れボルトを回していきます。
取り外しにこれだけ苦労する、ということは、取り付けにも苦労する、ということです・・・はぁ・・・
キャブレターの取り外しは無事成功しました。
早速分解清掃します。
フロートが入っているドレンを外します。
内部はすごく綺麗です。というより、燃料が入っていた形跡もありません。
???
燃料が入っていなければ、エンジンは当然かかりません。
キャブレター内部に燃料が入っていない、と言うことは・・・
①燃料タンクからキャブレターまでの通路に問題がある。
②キャブレター内のフロート部分に問題がある。
ということになります。
早速チェックを行います。
まず①から。
燃料をタンクに注ぎ、コックをオンにします。
燃料が勢い良く出てきました。あまりの勢いにズボンにかかり、すごくガソリン臭い人間になってしまいました。
次に②ですが、これは分解清掃で補います。
キャブレターに取り付けられているジェット類を慎重に取り外し、曲がりや傷等無いかチェックします。
問題ありません。
また、キャブレター内の通気・通油孔にすべてエアーを通します。これでキャブレター内は正常状態になっているはずです。
再度組み立てを行い、燃料ホースを組み付けます。
キャブレターのドレンボルトを緩めます。
燃料がポタポタ漏れてきました。これでキャブレター内に燃料が充満しているはずです。
キャブレターを再度エンジンブロックに慎重に取り付けます。
これでかからなければもう諦めです。
エンジン始動最挑戦。
コイルスタータを引きます。
1回目 → ダメ
2回目 → ダメ。でも何か感覚が違った
3回目 → やはりダメだが、かかりそうな気配がある
ここでチョークの存在を思い出した。
チョークを引き、再度挑戦。
エイッ!
ブルンブルン、バリバリバリバリ!!!
ものすごい音とともに、エンジンが無事始動しました。
しかし、このサイレンサー、ちっとも効いてないな・・・
まるでレース場みたいなエンジン音だ。
公道を走るわけではないので良いのだろうが、ちょっと朝晩だったら近所迷惑な音だな。
ガレージの防音対策も考えなければならないかなぁ・・・
次はいよいよ車体の調整です。
3輪バギーレストア(その2)
3輪バギーのエンジンを再生しなければなりません。
まず恒例のプラグチェックです。
シリンダーヘッドからプラグを取り外し、状況をチェックします。
ちょっと煤けています。
今回の3輪バギーは、エンジンに刈払機のものを使用しているため、燃料は混合油を使います。
取扱説明書によると、1対30から1対40程度の混合油を使用する、とあります。
つまり、ガソリン3リットルから4リットルに対し、100ccの2サイクルエンジンオイルを混合することになります。
プラグが煤けている、ということは、不完全燃焼が起こっていることであり、以前に使用していた混合油のエンジンオイル比率が高かったのかな?と考えました。
いずれにしても、今回はタンク内の燃料を一度すべて抜き、正規比率の混合油を充填します。
エンジン圧縮は問題ありません。
プラグのスパークをチェックします。
プラグコードに清掃したプラグを取り付け、接点をシリンダーに付けます。
その状態でスタータ(今回の車体はコイルスタータです)を引きます。
スパークが・・・飛びません・・・
ジェネレータの問題でしょうか・・・気が重くなります。
今回の車体は、保安部品がないため、電装系のチェックは行いませんでしたが、エンジンのキルスイッチは右スロットル側についています。
その配線が断絶していれば、キル状態にあるため、当然エンジンは掛かりませんし、プラグのスパークも飛びません。
テスターを使用してチェックします。
ジェネレータ⇔キルスイッチ間の配線は生きているようです。
ますます深みに入り込んでいきます・・・
仕方ない・・・やるか・・・とジェネレーターカバーを外します。
ここで気がついたことが・・・
ジェネレータからエンジンブロックに結線が伸びており、それがジェネレーターカバーの取り付けボルトにセットされていなければならないはずだが・・・
どう考えても、コードをエンジンブロックとカバーに挟み込んでいます。
コードは当然ながらビニール素地で覆われており、それを挟んでも通電はしません。
まさかそんなことはないよなぁ・・・と思いつつ、カバーを外し、一応内部チェックします。
非常にきれいな状態で、この状態で通電しないのであれば、初期不良に近いものがあります。
そのまま再度組み立てます。もちろん、コードを挟まず、結線します。
再度スパークテスト挑戦。
パリパリパリ・・・
火花が飛びました。
胸を撫で下ろしたことは言うまでもありません。
無事に火花が飛んだところで、プラグを組み付け、エンジン始動を試みます。
かかりません。かかる気配もありません。
これはまたキャブレターのオーバーホールが必要ですね・・・
3輪バギーレストア(その1)
以前にバイクの引き取りの件で仙台まで強行軍を敷いたが、その引き取り物件をレストアしなければなりません。
引き取ってきた物件は3輪バギーで、あくまでホビーとして使用するものです。保安部品等は付いていないため、公道は走れませんし、もちろんナンバーも取得できません。
今回引き取ってきたバギーは、外観はほぼ新品です。
前のオーナーが、公道を走ろうとして入手したが、その後不可能と判り、その情熱を放棄されてしまったものです。
引き取ってきたものの、その他のレストアやIT系の仕事のために、しばらく手をつけられませんでした。
今回その重い腰をやっとあげ、レストアにとりかかります。
さて、いつものように、全体点検から始めます。
【車体概要】
取扱説明書 → あり(英語)
車名 → 不明(ダートバギーと書かれています)
メーカー → 不明
生産国 → たぶん中国
その他 → たぶんキット販売されていたもの
【車体系】
ボディ → 問題なし
フロントサス → 問題なし
フロントフォーク → 問題ないが、よじれが出やすい
リアサス → かなり固めだが問題なし
リアフェンダー → 割れあり
全体的に問題ないが、ボルトやナット類が、陳腐なため、車体に歪み等が出やすく、また強度的にも心配がある。
できるだけ、肝になるボルトやナットは強化品に交換する必要がある
【駆動系】
エンジン → かからず
チェーン → テンション張りすぎ
タイヤ → ほぼ新品。エアー入っておらず。
ホイール → ほぼ新品
ブレーキ → 前後機械式ディスク。要調整
マフラー → チャンバーらしきものが付いているが、エンジン不動のため、消音性能等確認できず
エンジンは、刈払機等で使用されている2サイクルエンジンです。これが不動だと、保守交換部品等が手に入りにくいため、ちょっとキツイなぁ。
【電装系】
今回の車体は保安部品が付いていないため、電装チェックが必要ありません。
さぁ、不動エンジンの再生にとりかかります。
トモスレストア(その2)
無事に東京まで走ってくれたトモス。
実働だから、キャブレターのオーバーホールは後回しとし(でもちゃんと最後にはやるんですよ)、まず、引き取り時にできなかった詳細チェック。
【電装系】
ヘッドライト → OK
ヘッドライトレンズ → 曇りあり
ウィンカー → すべて点滅OK
テールランプ → OK
メーターランプ → OK
バッテリーレス車は点検項目がシンプルで良いですねぇ。
【駆動系】
エンジン → OK
チェーン → 伸び気味
チェーンテンショナー → 最大値
タイヤ → 前後割れあり。3分山。
ホイール → 錆びあり
ブレーキ → 鳴きはあるがOK
ペダル → 曲がり、歪みなし。回転もスムーズ。
ペダル走行 → OK
このペダル関係がモペットの面白いところ。エンジンを掛けなければ自転車です。でも、ギア比の関係で、進みは恐ろしく遅いですが・・・
【車体系】
ボディ → 各所に錆びあり
フロントサス → ダンパーはあまり効いてないが、OK
フロントフォーク → 再塗装あり
リアサス → 錆びあり
フロントフェンダー → 錆びあり
バックミラー → 新品取り付け済み
ハンドルロック → 鍵なし
トモスには、エンジン連動の鍵がありません。ハンドルロックのみです。
この鍵がなくとも、駐車時はワイヤーロックを使用しているので問題ありません。
今回の焦点は、錆びをどうするか、というところにかかってきそうです。