「甘き人生」「シチリアーノ 裏切りの美学」などのイタリア映画界の巨匠マルコ・ベロッキオ監督・脚本が“エドガルド・モルターラ誘拐事件”の史実に迫った衝撃作。
1858年。
ボローニャのユダヤ人街で、教皇から派遣された兵士たちがモルターラ家に押し入る。
枢機卿の命令で、何者かに洗礼を受けたとされる7歳になる息子エドガルド（エネア・サラ）を連れ去りに来たのだ。
取り乱したエドガルドの両親は、息子を取り戻すため、あらゆる手を尽くす。
世論と国際的なユダヤ人社会に支えられ、モルターラ夫妻の闘いは急速に政治的な局面を迎える。
しかし、教会とローマ教皇は、ますます揺らぎつつある権力を強化するため、決してエドガルドの返還に応じようとせず。。。
出演は、「シチリアーノ 裏切りの美学」などのファウスト・ルッソ・アレジ、「きっと大丈夫」などのバルバラ・ロンキ、「Viva！公務員」などのパオロ・ピエロボン、エネア・サラ、レオナルド・マルテーゼなど。
脚本は他に、「ミス・マルクス」などのスザンナ・ニッキャレッリ。
音楽は、「夜のロケーション」などのファビオ・マッシモ・カポグロッソ。
原題「Rapito」
映倫区分G
2023年作品
イタリア＝フランス＝ドイツ合作映画
配給はファインフィルムズ
製作会社はIBC movie=Kavac Film=Rai Cinema=Ad Vitam=The Match Factory
上映時間134分
マルコ・ベロッキオ監督作は、今まで「シチリアーノ 裏切りの美学」しか観たことなんですよね。。。
あんまり日本で劇場公開されないんで、なかなか触れる機会がなくて。。。
配信もされないし。。。
今作は実話の書籍をベースとした作品です。
スティーヴン・スピルバーグが映像化に向けて動いていたものの諸事情で実現しなかった作品です。
書籍は未読です。
“エドガルド・モルターラ誘拐事件”の事も、全く知りませんでした。
なので、とっつきにくいところもありながらの鑑賞でした。
なかなか面白いですね。
この時代のイタリアの時代背景を知っていれば、もっと楽しめたかもしれない。
世界史とまでは言わないけど、ローマ史やイタリアの宗教と庶民との関係性などを少しでも知っていればもっと色々と理解出来たと思う。
でも、知らなくても、それなりに理解は出来るし勉強にはなります。
てか、この作品、実話とはいえ、ユダヤ教を攻撃しているようではあるけれど、実はキリスト教とその教皇を残酷な犯罪者として描いている。
これは映画化するには勇気がや大きな決断があったはず。
スピルバーグも、触れてはならない宗教の闇の部分かなにかで、映画化を断念したのか。
前半までは子供・エドガルド（生後6か月）を取り戻そうとする両親がクローズアップされる見せ方も、結構息が詰まる展開だった。
そして、両親が知らない間に勝手に洗礼を受けさせられていて。。。という裁判劇に。
後半は、成長してすっかりキリスト教に洗脳されたエドガルドの目線で描かれます。
礼を受けた子をイエスを裏切ったユダヤ人に育てさせるわけにはいかないという宗教上の理由がある。
ユダヤ教である家族との宗教での対立や葛藤などが描かれます。
宗教や権力、神様、そして家族とは何かを問うとています。
スケール感はあまりないですが、音楽も映像もなかなかいい感じで、見応えがあった。
全体的にはなんか分厚い作品な印象があった。
教会によるエドガルドの連れ去り行為は完全に誘拐ですね。
許されることではありませんね。
エンディングは。。。かなり○○でした。
それは言えません。
観てのお楽しみですが、なかなかきつかった。。。
■興行収入予想
現段階では上映館数18館と少ない。
4月26日（金）からの公開。
同日の公開作品は、「ゴジラxコング 新たなる帝国」、「キラー・ナマケモノ」、「辰巳」、「マリウポリの20日間」、「リバウンド」など。
マルコ・ベロッキオ監督作では、2009年の「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」は、製作費1,300万ドルで、イタリアで約300万ドル、全世界で約570万ドルという成績。
その他の作品の興行収入は不明。
マルコ・ベロッキオ監督作は、日本ではなかなか公開されません。
今作も、興行的にはヒットになるのは厳しいか。
初登場圏外スタートと予想。
最終興行収入は1,000万円と予想。
星3つ半（5点満点）
★★★☆
「エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命」公式サイト
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