イ・ビョンホン主演のパニックスリラー。
世界各地を襲った地盤隆起による大災害で、一瞬にして壊滅したソウル。
唯一崩落を逃れたファングンアパートには、居住者以外の生存者たちが押し寄せていた。
救助隊が現れる気配は一向になく、街中ではあらゆる犯罪が横行。
マンション内でも不法侵入や殺傷、放火が起こり始める。
危機感を抱いた住人たちは主導者を決め、住人以外を遮断、住民のためのルールを作ってマンション内を統制することに。
臨時代表となったのは、902号室のヨンタク（イ・ビョンホン）。
職業不明で頼りなかったその男は、危険を顧みずに放火された一室の消火にあたった姿勢を買われたのだった。
ところが、マンションが安全で平和な“ユートピア”と化していくにつれ、権勢を振るうヨンタクの狂気が浮かび上がってくる。
そんなヨンタクから防衛隊長に指名されたのは、602号室のミンソン（パク・ソジュン）。
妻のミョンファ（パク・ボヨン）は、ヨンタクに心酔するミンソンに不安を覚え、閉鎖的で異様な環境に安堵しながら暮らす住民たちを傍目で見ながら生活していた。
生存の危機が続く中、ヨンタクの支配力が強まったとき、予期せぬ争いが生じる。そこで明らかになったのは、その男の本当の姿だった。。。
出演は他に、「ディヴァイン・フューリー／使者」などのパク・ソジュン、「君の結婚式」などのパク・ボヨン、「ソウルに帰る」などのキム・ソニョン、「シスターズ」などのパク・ジフなど。
監督・脚本は、「隠された時間」などのオム・テファ。
脚本は、イ・シンジ。
原作は、キム・スンニョン。
脚色は、「隠された時間」などのチョ・スレ、チョン・スンオ。
音楽は、「ユンヒへ」などのキム・ヘウォン。
原題「콘크리트 유토피아」
映倫区分G
2023年作品
韓国映画
配給はクロックワークス
製作会社はClimax Studio=BH Entertainment
上映時間130分
面白いです。
それなりに面白いです。
さすが韓国映画です。
大地震によって唯一倒壊しなかったアパートを巡って、生き残りをかけた人々を描いたパニックムービー。
この設定だと、エゴと狂気が極限状態に追い込まれていく描写がすぐに想定できますが、がっつりそんな映画でした。
展開的には観る前に予想してたものとほぼ同じだったから、衝撃や新鮮味、驚きはあまりなかった。
この手の映画、例えば「蠅の王」など、無人島に漂着してしまいコミュニティを作って統制するような内容のもは過去に結構ありますね。
この作品もまあそんな感じです。
韓国映画得意のディザスター要素に、人間関係をからめてきて二転三転する見せ方はやはり上手い。
過酷な状況下に置かれて、生き延びるために狂っていく人間を描いています。
ただのディザスター映画ではなく、人間模様を強くからめてきているので深さも感じる。
相変わらず、スケールも表現の豊かさも、日本映画は全部とは言わないけどなかなか足元にも及ばないような作り。
エンタメ作品としては超一級です。
韓国映画っぽい大胆な設定もいいですね。
この大胆さで引いてしまう。。。ということがなく、むしろ前のめりになって没頭しています。
そして、物語の展開や構成、各シーンの転がした方など、見せ方が本当に上手い。
このキツイ状況の割には、それなりにコミカルに描いているのもあり、観やすくもある。
人間関係、人間模様の描き方のバランスもいいです。
悲惨さの描き方も半端ない。
こういう状況になった人間の恐ろしさを思い切り感じます。
ただ、たしかに面白いのですが、なんかもう一押し足りない気がする。
もう少し、山が欲しい。
これがあれば、個人的には韓国映画でもベストに入りそうでしたが、ちょっと足りない。
惜しいんですよね。
人間の醜いところにかなりフォーカスされているので、ちょっとげんなりするところもあった。
あと、「はちどり」に出てたパク・ジフちがめっちゃ成長している。。。
後で調べないとわからなかった。
今作、第96回アカデミー賞国際長編映画賞の韓国代表作品にも選出されています。
ただ、この作品がアカデミー賞国際長編映画賞は受賞しないとは思いますが。。。
■興行収入予想
現段階では上映館数232館と普通規模公開。
1月5日（金）からの公開。
同日の公開作品は、「エクスペンダブルズ ニューブラッド」、「名探偵コナン vs. 怪盗キッド」、「シャクラ」、「笑いのカイブツ」、「ミツバチと私」など。
2023年に日本で公開された韓国映画であると、「極限境界線－救出までの18日間－」が約2,000万円。
「コンフィデンシャル 国際共助操作」が約8,000万円という興行収入。
初登場8位スタートと予想。
最終興行収入は3億3,000万円と予想。
星3つ半（5点満点）
★★★☆
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