「リバー・オブ・グラス」でデビュー以降、独自の視点を追求するケリー・ライカート監督・脚本・編集がA24とタッグを組んだ日本初の劇場公開作。
ジョナサン・レイモンドが2004年に発表した小説『The Half Life』を原作としている。。
西部開拓時代のオレゴン州。
料理人クッキー（ジョン・マガロ）は、アメリカン・ドリームを求めて未開の地を訪れる。
そこで中国人移民のキング・ルー（オリオン・リー）と出会い、成功を夢見る2人は自然と意気投合する。
やがて2人は、この地に初めてやってきた“富の象徴”である牛からミルクを盗み、ドーナツで一攫千金を狙うという大胆な計画を思いつく。。。
第70回ベルリン国際映画祭金熊賞ノミネートのほか、世界中の映画祭で計157部門ノミネート、27部門受賞。
原作・脚本は、ライカート作品の脚本を多数手がけてきたジョナサン・レイモンド。
出演は、「ギャング・オブ・アメリカ」などのジョン・マガロ、「やっぱり契約破棄していいですか!?」などのオリオン・リー、「エンパイア・オブ・ライト」などのトビー・ジョーンズ、「スノーピアサー」などのユエン・ブレンナー、「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」などのスコット・シェパード、「パトリオット」などのルネ・オーベルジョノワなど。
音楽は、「ザ・メキシカン」などのウィリアム・タイガー。
原題「First Cow」
映倫区分G
2019年作品
アメリカ映画
配給は東京テアトル=ロングライド
製作会社はFilmscience=A24=IAC Films
上映時間122分
なかなか面白かった。
物語的には、悲劇は話なのですが、なぜか優しさを感じるところがあった。
異色の西部劇ですね。
今までの定番の西部劇とは違う視点で描かれていて、定番イメージとは異なる物語で、こういうのもいいなと思う。
決闘や銃撃戦もなく、静かで穏やかですが、とても重い。
でも、すごく素朴なんですよね。
この微妙なラインの描き方が秀逸です。
切ないけれど、穏やかな気持ちになれて心温まる作品。
これはなかなかずっと心に残っていきそうな作品でした。
構成的にも面白い。
クッキー作りに必要なミルクを巡って、サスペンス要素があるのもいいですね。
なんとなく、ジワジワと引き込まれていきます。
そして、ポワッと心が温まる。
この思いにさせてくれるところがにくい。
A24らしいといえばらしい映画です。
そして音響効果がいいですね。
抜群の雰囲気を出しています。
風の音や木々が揺れる音など、自然の音がとても美しく感じた。
ドーナツを揚げる音もいいです。
このドーナツもすごく素朴な感じで。。。食べたいですわ。
この作品は製作から5年の時を経て、日本で劇場公開されました。
ほぼお蔵入りになっていた作品です。
劇場公開してくれて、配給会社の方に感謝です。
ケリー・ライカート監督は今作と「ショーイング・アップ」が同日公開。
ケリー・ライカート監督、いいですね。
これは他の作品も観なければ。
そして今作は、ルネ・オーベルジョノワの遺作となった作品です。
■興行収入予想
現段階では上映館数22館と少ない。
12月22日（金）からの公開。
同日の公開作品は、「劇場版SPY×FAMILY CODE: White」、「ハンガー・ゲーム0」、「PERFECT DAYS」、「TALK TO ME／トーク・トゥ・ミー」、「マイマザーズアイズ」、「うかうかと終焉」など。
北米では2020年3月6日公開。
興行収入は約54万5,000ドルという成績。
A24ということでファンは楽しみな一作ですが、ヒットになるのは厳しいか。
異色とはいえ西部劇だしね。
でも、いい作品なんですけどね。
ゲイリー・ライカートファンには外せないでしょうが、果たして日本に彼女のファンがどれくらいいるだろうか。。。
ミニシアターランキングでも上位に入るのは難しいか。
初登場圏外スタートと予想。
最終興行収入は1,400万円と予想。
星3つ半（5点満点）
★★★☆
「ファースト・カウ」公式サイト
ジョナサン・レイモンドによる、「ファースト・カウ」の基になった小説「The Half Life」です。
英語版です。
ケリー・ライカート監督作「ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択」のDVDです！
ケリー・ライカート監督作「ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画」のDVDです！
ジョン・マガロ出演の「ギャング・オブ・アメリカ」のDVDです！
オリオン・リー出演作「やっぱり契約破棄していいですか!?」のDVDです！
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