「アレックス」「CLIMAX クライマックス」などの鬼才ギャスパー・ノエが“暴力”と“セックス”を封印し、自身の体験に基づき、監督・脚本・編集を兼任して“病”と“死”をテーマに作りあげた物語。
心臓病を抱える映画評論家の夫（ダリオ・アルジェント）と、認知症を患っている元精神科医の妻（フランソワーズ・ルブラン）。
離れて暮らす息子（アレックス・ルッツ）は、2人を心配しながらも、お金を無心するために家を訪れる。
心臓に持病を抱える夫は、日に日に重くなる妻の認知症に悩まされ、やがて日常生活に支障をきたすようになる。
そして、2人に人生最期の時が近づいていた。。。
出演は、「サスペリア」などを送り出したホラー映画の巨匠ダリオ・アルジェント、「ママと娼婦」などのフランソワーズ・ルブラン、「ファイナル・セット」などのアレックス・ルッツ、キリアン・デレなど。
原題「VORTEX」
映倫区分PG12
2021年作品
フランス映画
配給はシンカ
製作会社はRectangle Productions=Wild Bunch International=Les Cinemas de la Zone=KNM =Artemis Productions=Srab Films=Les Films Velvet=Kallouche Cinema
上映時間148分
私、「アレックス」、「ルクスエテルナ」と「CLIMAX クライマックス」しかギャスパー・ノエ監督作は観ていないのですが、この3作好きなんですよね。
しかも今作は、ダリオ・アルジェントが主演ときている。
2021年制作でその年の6月のカンヌ国際映画祭で上映されていました。
その後、なぜか日本公開されない。。。
今になってようやく公開されることになり、ずっと期待してました。
おお、いいですね。
面白いです。
いつものギャスパー・ノエ監督作のように、暴力やセックスを訴えるのものではなく、今作はメロドラマな感じですね。
一見らしくないように思えるシリアスさではありますが、でも、ちゃんとギャスパー・ノエしてました。
どの作品にも、根本に【愛】というテーマがあるんですよね。
それを感じるのがいい。
最初に【心臓より先に脳が壊れていく人へ】というメッセージがあり、老夫婦が死に向かっていく日々が映し出されています。
人間である限り、避けられない現実が、静かに描かれています。
これが怖さを感じるんです。
二画面同時進行で進むスタイルです。
いわゆるスプリットスクリーン、二画面技法です。
これにより、【フレーム内の外の世界】を表現することが出来る見せ方です。
これはギャスパー・ノエ監督作「ルクスエテルナ」でもそうでしたね。
それを非常に短期間で制作・完成させた作品です。
にしては、全体的なクオリティは高いです。
そして、オープニングはいつものエンドロールから。
この作品は、コロナ禍でロックダウンなどあった中に撮影されて、出演者も最小人数で抑えられて撮影されたそう。
役者の演技も、、設定のみを伝えてセリフは役者に任せていたらしいとのことです。
ほぼ全部アドリブらしいです。
驚きです。
なので、ダリオ・アルジェントやフランソワーズ・ルブランがとても自由に演じている感じがした。
とても自然だし、リアリティがある。
演出されていないようで実はちゃんとされている感じがして、表現の深さを感じた。
ダリオ・アルジェントがちゃんと俳優に見えてくる。
本当に死んでしまうんじゃないかという呼吸の仕方だった。
■興行収入予想
現段階では上映館数11館と少ない。
12月8日（金）からの全国順次公開。
同日の公開作品は、「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」、「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」、「窓ぎわのトットちゃん」、「彼方の閃光」、「Winter boy」、「市子」など。
ギャスパー・ノエ監督、日本ではまだまだマイナーですからね。。。
ファンは外せないですが、万人まで広がるかといえば、ちょっと厳しいか。
あと、ダリオ・アルジェントファンも外せないですね。
ミニシアターランキングでは上位に入るでしょうね。
初登場圏外スタートと予想。
最終興行収入は2,000万円と予想。
星3つ半（5点満点）
★★★☆
「VORTEX ヴォルテックス」公式サイト
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大好きな映画です！
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