アートかエロスか?
松田英子、藤竜也がセックスと愛の極限を表現! 愛憎の果てに男性器を切り取るという昭和の日本を震撼させた「阿部定事件」を、大胆な性描写と圧倒的映像美で描き切った大島渚監督史上最大の 問題作が2Kデジタル修復版で蘇る。
「夜と霧」などで知られるフランスのプロデューサー、アナトール・ドーマンから「ポルノを」と誘われた大島は、題材に阿部定を選び、ハードコアで作る構想にたどり着く。
日本側のプロデューサーには若松孝二。
検閲を逃れるため、日本で撮影されたネガフィルムを未現像のままフランスに送って編集し、日本に逆輸入して上映するという執念で作品を完成させる。
1976年カンヌ国際映画祭で世界初上映され大絶賛を浴びるが、日本公開に際しては、税関検閲の段階でズタズタにされ、性描写などに多くの修正と一部のシーンカットがなされた。また、作品のシナリオと写真を掲載した書籍『愛のコリーダ』が三一書房から刊行されたが、その一部がわいせつ文書図画に当たるとして、東京地検はわいせつ物頒布罪で大島と出版社社長を起訴する。
裁判で大島は「芸術か、わいせつか」ではなく「わいせつ、なぜ悪い」の論点で戦い、1979年東京地裁で無罪、1982年東京高裁の控訴審でも無罪を勝ち取った。
2000年のリバイバル上映では、オリジナルプリントを新たにフランスから取り寄せ、本篇プリントはノーカットで、税関・映倫の精査によるボカシという修正のみで「愛のコリーダ2000」として公開された。
今回は、ブラー処理、色調整、レストア作業などをほどこし、全面的に修正が行われ、初のデジタル素材となって全国公開される。
出演は、松田英子、藤竜也、中島葵、芹明香など。
撮影は「われに撃つ用意あり」などの伊東英男。
音楽は「愛のコリーダ」などの三木稔。
映倫区分R18+
1976年作品
日本=フランス合作映画
配給はアンプラグド
上映時間108分
セックスの描き方にリアルさを追求し、映画での「本番行為」は芸術かエロスかを問いかけ、国内外に大きな波紋を巻き起こした作品です。
この映画は、2000年の「完全ノーカット版」リバイバル上映の時に初めて観ました。
その時は、めちゃめちゃ衝撃でした。
エロいというか、正直ちょっと吐きそうになった。
恐怖すら感じた。
ほぼ、ホラーやん。
アートかエロスか?で話題になっていましたが、初見の時はポルノ映画としか思えなかった。
当時は裏ビデオとかでなく、劇場で観る映画で「本番行為」で撮影されたものを初めて見た気がする。
陰部も映るとかいうレベルではない。
モロに映りまくっている。
性的な場面は、陰部などもすべて無修正。
上映中、ほぼエッチなシーンか、性器が映っているところばかり。
そこだけを観ると、本当にただのポルノ映画。
ただ、今回2度目を観て、あ、ただのポルノ映画ではないな。と思った。
やはり阿部定事件が題材なので、そこに大きなドラマが生まれている。
クライマックスの陰部切り取りのシーンは、ほんま吐きそうになるが、この切り取られたモノが、この映画の最大の見せ場。
藤竜也、若いこともあってめっちゃ色っぽいですね。
格好いいです。
雪が降る中、藤竜也とすれ違う軍人達は二・二六事件の青年将校たちなんですよね。
あのシーン、凄いです。
主人公・吉蔵と日本軍青年将校たちとの対比。
ちょっと震えた。
藤竜也さんは、この映画に出た後、世界的に話題にはなったけど、日本で仕事のオファーがしばらくなくなったとのこと。
ほんと、とてつもない1本です。
年頃の未成年者、子供には絶対観せられない。
いや、ある意味勉強になるかもしれんけど、やはり観せられない。。。
■興行収入予想
興行的には、現段階では上映館数14館と少ない。
2021年4月30日(金)から全国順次公開で、2021年6月18日(金)から大阪では公開。
この作品は世界各国で公開されましたが、興行収入は不明。
日本でのカットされまくった初公開も、2000年のリバイバル上映の興行収入も不明。
ちなみに今回のリバイバルで同時公開されている大島渚監督作で最大のヒット作「戦場のメリークリスマス」は、初公開時、日本では配給収入9.9億円なので、興行収入にしたら18億円くらい。
大島渚監督の遺作1999年公開の「御法度」は興行収入10億1000万円。
初登場圏外スタート。
最終興行収入は1億円と予想。
星4つ(5点満点)
★★★★
「愛のコリーダ 修復版」公式サイト
「愛のコリーダ 修復版」のパンフレットです!
初回公開時の「愛のコリーダ」のパンフレットです!
2000年リバイバル公開時の「愛のコリーダ」のパンフレットです!
「愛のコリーダ 修復版」ではない「愛のコリーダ」が収録された「大島渚 DVDセット4」です!
「大島渚 DVDセット1〜3」です!
「大島渚 DVDーBOX1〜3」です!