「虹色デイズ」の飯塚健監督がメガホンをとり、「とんび」や「流星ワゴン」の著者・重松清による同名小説を映画化。
妻に先立たれてから一年、人生の再出発を決意した主人公が、仕事と育児の両立に奮闘しながら娘と共に成長していく10年間の物語を映しだす。
主演を務める山田孝之が自身初となるシングルファーザーを演じ、國村隼や余貴美子、広末涼子、伊藤沙莉、川栄李奈、岩松了などが出演。
脚本は飯塚健。
音楽は「犬鳴山」や「としまえん」「貞子」などホラー映画も多い海田庄吾。
主題歌は秦基博。
日本映画
配給はエイベックス・ピクチャーズ
2020年作品
上映時間118分
原作は前に読んでおりまして、もう号泣したんです。
私、重松清さん大好きで、ほぼ全部読んでるんですが、この作品はたくさんある中の上位に入るほど感動した本でした。
なので、映画化に関しては、嬉しい半面、大丈夫かなぁという思いも。
まず、主人公が山田孝之のイメージじゃなかった。
でも、面白かった。
めっちゃ泣いた。
ほぼ全編、ずっと泣いてた。
泣きすぎて頭が痛くなった。
でも、やはり小説の時ほどの感動はなかったけど、それでも上手くまとまっていたと思う。
映画に必要なところだけを上手く切り取って、ダイジェストのようにならずちゃんと温かいドラマなってました。
小説の時は、行間の見えない文章まで読めて、それはそれは感動した。
この映画も、見えているもの以外のところもちゃんと見えた。
その深さが自分だけには見えたという優越感もあった。
これ、映画では大事なんですよね。
それを感じることで、この作品はもう自分だけの特別なもの。になる感覚があった。
それでなんでもないところでも涙がたくさん溢れた。
特に原作とイメージが違うということもなかったんですが、やはり映画となるとこのストーリーではちょっと地味か。
重松作品は、小説ではこの地味さがとても等身大でいいんですが、映画となるとちょっとスケール感では物足りなさを感じる。
でも、元々スケールを感じるような内容ではないし、この些細な家族のお話に、心は大いに大きく揺さぶられました。
人の子の親だと、絶対泣くと思う。
好きな人がいる人もなくと思う。
家族がいる人も泣いてしまうと思う。
きっと、たくさんの世代、状況の人にこの感動は届くと思う。
なんだったらオープニングから泣いてしまう。
人って、いいなぁ。
人って温かいなぁ。
って、心からそう思う。
人物描写も細く繊細。
山田孝之の演技もいいです。
おじいちゃんの國村隼の演出がちょっと見え見えでクサかったけど、それ以外は良かった。
私はシングルファーザーではないけど、とても共感出来て、感情移入出来ました。
しかしどうしても、感想が小説の感想になってしまうだろうなぁと思ってたけど、これは映画としてちゃんと映画になってた。
映画としては地味ですが、細かいところまで良かったですよ。
いい出来だと思いました。
人が好きになる優しい映画です。
そして、人恋しくなる映画ですね。
好きな人に会いたくなります。
興行的には、現段階では上映館数175館と普通規模。
4月3日から公開予定でしたが、コロナで延期になり7月17日から公開。
重松作品の映画化なんでちょっと地味なんで大ヒットとは行かないでしょうね。
それに、コロナ自粛中の山田孝之の沖縄旅行も、多少は興行に影響するでしょうか。
個人的には大好きな作品なんで、沢山の人に見て欲しいですが、ちょっと弱いですかね。
初登場9位スタートと予想。
最終興行収入は2億円と予想。
コロナがなかったら、もう7000万円くらいは上乗せでしょうか。
星4つ(5点満点)
★★★★