矢ケ崎克馬先生講演会 | 皮膚科医が放射能やアトピーについて考える

皮膚科医が放射能やアトピーについて考える

金沢市の野町広小路医院で皮膚科医をしています。
何を信じればいいのかわからないこの時代に、
医師の視点から放射能汚染や皮膚科医療の問題点について考えます。

2月19日に、石川県保険医協会主催の矢ケ崎克馬琉球大名誉教授の講演に参加しました。

「内部被曝は低線量であっても非常に危険」とする立場の方です。
穏やかな口調のなかに非常に強い信念が感じられました。
講演はおもに以下のような内容でした。


○「被曝の科学」は「普通の科学」ではない。米国やICRPにより被曝の現実が隠蔽されている。

○ 福島市や郡山市と同程度の汚染があったチェルノブイリ周辺地域で免疫力低下、先天異常など
  多くの被害がでた。


○ 消費者も生産者も汚染ゼロを目指すべき。食品基準値を現在の50分の1とし、汚染のない土
  地で食料大増産を行う。


○ 核分裂後の放射性物質は多数の放射性原子を含む微粒子(ホットパーティクル)を形成する

○ その微粒子が体内に入ると、体内のある場所に定在し局所的に集中被曝する場所(体内ホット
  スポット)を形成し遺伝子の変成を起こす。



私自身は「現状が続けば子供たちの未来が絶対に危険だ」と訴えているわけではありませんので、矢ケ崎先生とは少し立場が異なります。(子供や妊婦の安全を優先するという点は同じですが)

私は子供たちの健康被害が非常に少なくてすむ可能性もあるかもしれないと思っていますし、できればそうなってほしいと願っています。
ただ、(癌や体調不良などの)健康被害が多発する可能性も、無視できるほど小さくはないとも考えています。


安全派、危険派ともに様々な仮説やデータを持ち出して、自論が正しいことを主張します。
どちらの意見も無視はできませんが、信用に足るものでもありません。
「内部被曝の人体への影響」は科学として成熟していないのですから、研究者たちの共通理解が不足するのも仕方がないことでしょう。

結局のところ、日本のこれから(50年後でしょうか)を見てみなければ結論はわからないのです。(50年後でも結論はでないかもしれません)

安全か危険か不明なのであれば、できるかぎり子供達の被曝を減らす努力をすることが何より優先されると思います。



にほんブログ村 環境ブログ 原発・放射能へ
にほんブログ村