山本周五郎「ちいさこべ」感想 | リタイアライフのつぶやき

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65才でサラリーマン生活からリタイア。さて、これから何をしていこうか。ブログでつぶやきながら日常生活を報告。参考になれば幸いです。

江戸の大火ですべてを失いながら、みなしご達の面倒まで引き受けて再建に奮闘してゆく大工の若棟梁の心意気がさわやかな感動を呼ぶ作品です。

日本人の持つ細やかな情の世界を描いています。

映画化・宝塚歌劇団による舞台化やNHKによるドラマ化も行われました。

また、本作がリメイクされる形で漫画化もされています。

これも青空文庫でスマホで読みました。無料です。

表題の「ちいさこべ」とは、雄略天皇が養蚕振興のため、蚕(こ)を集めるよう命じたところ、を取り違えて嬰児を集めてしまい、その養育を命ぜられ、少子部蓮の姓を賜ったという説話(日本書紀)からきているようです。

確かに、みなしご達の面倒をみながら火事の現場を再建していく棟梁の話ですが、内容は、若い男女の純愛の話です。実に感動的であり、何度も泣いてしまいました。

もちろん、みなしごに対しての愛情もすごい。盗人をした子供をかばう姿、集団から逃げた子をゆさしく迎える姿も感動的でしたが、若棟梁「茂次」は、いつも口は重くぶっきらぼうです。しかし「りつ」に対してのやさしいいたわりがはしはしに感じられます。短編ですが、こころ洗われる内容でした。

映画、舞台、ドラマ化する理由がわかりました。

ますますも山本周五郎ファンになってしまいました。

最後までご覧になりありがとうございます。

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