五木寛之「朱鷺の墓」感想 | リタイアライフのつぶやき

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65才でサラリーマン生活からリタイア。さて、これから何をしていこうか。ブログでつぶやきながら日常生活を報告。参考になれば幸いです。

1度読んだ本を再度読もうとする本はあまりありませんが、再度読んでみたいと思ったのがこの五木寛之「朱鷺の墓」です。

全部で4巻(単行本)で、文庫本では3巻で結構長いのですがあっという間に読み終えてしまいました。本の案内は以下の通りです。1969年~1972年の作品です。

「日露戦争間近の明治38年、金沢に捕虜として収容されたロシア士官イワーノフ少尉と宿命的な恋に落ちた花街の美貌の芸妓氏染乃。二人を待ち受けたのは人々の偏見と迫害、そして愛する者との別離という運命だった。激動の時代の中で愛別離苦の試練に耐え愛をつらぬく二人の姿を、滅びゆく鳥「朱鷺」

に託して描く感動のロマン。」とあります。

以下内容はwikipediaより抜粋しました。(内容がわかってしまいますので注意願います。)

「 5歳で金沢の花街へ売られて芸妓になった染乃が、日露戦争後、民衆に襲われた処を捕虜の貴族出のロシア人イワーノフに救われたことが契機で彼と結婚する。彼がロシアへ帰っている間に、染乃は他の日本海の都市の赤線地域へ売られるが、幼馴染の機一郎に救われる。しかし、さらにウラジオストクへ売られてしまう。  その後、自由になった染乃は、ナホトカの中華料理店で働きながらイワーノフを探し続ける。テロリスト一味の一員だった罪でイルクーツクに流刑中のイワーノフを探し出してやっと会う。出所した彼とは、中国人に助けられてレストランで成功する。その後、スパイ兼殺し屋となった幼馴染の機一郎と三人でペトルスブルグへ脱出する。ペトルスブルグでイワーノフは妹のナターシャに会うが、反ロシア革命派のスパイになっていた。イワーノフはテロリスト仲間にさそわれるが断り、二人は両親を探しにソフィアへ行っても探せなかった。その後、ウィーン、プラハを経てパリへ移り、しばらくは以前のナホトカの中華料理屋と関係ある所で働く。しかしイワーノフが昔のテロリスト仲間に追われることとなり、二人はマルセーユから日本へ逃れる。しばらくは金沢に落ち着き、静かな時を過ごす。しかし、シベリア出兵中の日本ではハルビンで料理屋をやりながらスパイとして働く人が必要で、染乃とイワーノフはこれを断ると、軍部とその仲間から迫害を受けて、イワーノフは亡くなる。1925年、染乃は日本を捨てて、敦賀から再びシベリア行きの船に乗ります。」以上が概略です。

日本が軍事的にアジア大陸へ向かっていく20世紀初期の時代にあって、ひとりの女性が強靭な愛を貫く運命を壮大なスケールで描いた五木寛之の作品です。

感想としては、とにかく読んでいてあきないのです。ハラハラドキドキの展開で先か読めず不幸が連続します。貧しい時代背景で日露戦争による戦後の大衆の不満があり、なぜ日本から出て海外を転々とする必然性に無理がなく納得してしまいます。

昔、映画でみた「からゆきさん(東南アジアで働く娼婦)」を描いた「サンダカン八番娼館望郷」や「女衒(ゼゲン)」を思い出してしまいました。

やっとと幸せになれると思ったら不幸が始まり、どうしてここまで苦しめるのか読んでいて苦しくなってしまいました。ただ主人公の体は汚れても心は美しくそれが外面に出てきます。美しくすばらしい女性になっていくのが救いです。それとこの小説のテーマである夫婦愛です。

どんな迫害や差別にあおうとも最後まで愛を貫き通す姿に感動してしまいました。

また、この本ては、中国人の国民性が描かれていました。人を一度信用するととことん信用します。家族、親族の結びつきが強いことも表されてていて興味深かったです。

 

最後までご覧になりありがとうございます。

 

 

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