グレーゾーンの子どものミカタのマツジュンです。

 

昨日のパニックになった男の子のことを考えていました。

 

お母さんは「お前が悪い!」と他人を指さして怒鳴る息子に「そんなことを言ってはいけません」しか言えなくて、お母さんはパニックに慣れているのか、大きな声を出さず、私たちに何も言わないで、ひたすら息子に「そんなことは言ってはいけません」と静かに言い続けていました。

 

その様子を思い出して、お母さんが子どもを怒鳴らなくて良かったとホッとしました。

 

でも言い方は優しくても、子どもの気持ちは関係なく「そんなことは言ってはいけない」と理論だけで子どもを責めています。

 

だから子どもは自分の気持ちを分かってもらえなくて、もっとイライラして声が大きくなり「お前が悪い!」と怒鳴り続けたのだと思います。

 

それでも親が怒鳴らなかったおかげで、その子もそれ以上暴れたり物を投げたりとエスカレートしなかったのです。

 

子どもがパニックになった時の親の対応は本当に重要です。

 

基本は親は子どもと一緒にパニックにならないで、冷静に子どもの気持ちに共感して能動的な聞き方をするです。

 

できれば優しく手を取って、目線を合わせて「何かイヤな思いをして怒っているのかな」と、怒っている子どもの気持ちに寄り添います。

 

すると子どもは自分の気持ちを言いやすくなり、「あのおばさんの日傘が当たった」とか言えます。

 

能動的な聞き方は、相手の言ったことをそのまま受け止めるので、「おばさんの日傘が当たってイヤだったのね」と言えます。

 

子どもは「だからおばさんが悪い!」とか何を言うか分かりませんが、親はあくまでも子どもの気持ちに寄り添い「イヤな気持ちになったのね」と受け止めて、「そんなことを言わない」とか「おばさんは謝っている」とか「気のせいではないの?」などと12の障害になる言い方をしないことです。

 

そしてしっかり子どもが落ち着いてから、「他の人をお前!と言ってはいけない」とか、「相手の言葉も聞かないといけない」などと、言いたいことがあれば、そこで言います。

 

興奮している子どもに何を言っても無駄です。

 

言い方によっては火に油を注ぐことになり、そこで親子喧嘩が始まってしまいます。

 

落ち着いて親子喧嘩にしなかったお母さんは、自分の子どもがパニックになりやすいのを分かっていて、自分は怒鳴らなかったのだと思います。

 

子どもがパニックになると、周囲の視線が気になったり、なかなか親は冷静になれないと思いますが、子どもの気持ちを落ち着かせるのは、子どもの気持ちに寄り添って共感することです。

 

共感と同感は違うので、一緒になって「あのおばさんが悪いね!」と言うことではありません。

 

怒鳴りたいぐらいイヤな思いをしている子どもの気持ちに、どれだけ寄り添えるかどうかです。