グレーゾーンの子どものミカタのマツジュンです。

 

以前のこのブログで新聞のニュースから、札幌の首を切り落とした殺人事件の犯人の一人娘と両親の関係があまりにも異常なので、親が子どもの奴隷になってはいけないと書きました。

 

今週号の週刊文春に事件の詳細が出ていて、60歳の父親は精神科医で、一人娘を溺愛して本当に可愛がっていたと知りました。

 

けれども娘が不登校になり、引きこもりになり、社会と関係を持て無くなる中で、お父さんが専門家なので、専門機関に診せることもしないで、どんどん泥沼にはまった様子が分かりました。

 

もちろん精神疾患もどこまでが病気で、どこまでが特性なのかの判断はとても難しいです。

 

統合失調症で妄想がある場合でも、その妄想をきちんと受け止めてあげると本人が落ち着いて普通の生活ができる場合もあります。

 

私は映画の「ビューティフルマインド」を昔見た時にとてもショックを受けました。

 

統合失調症を患いながらもゲーム理論によりノーベル経済学賞を受賞した米国人数学者ジョン・ナッシュの生涯だったのですが、親友として普通に語られていた人物が、ジョンの妄想の相手だったと分かった時に本当にビックリしました。

 

周囲の人がそれを否定しないで、病人としてではなく普通に接することで本人は安定し、ノーベル経済学賞を受賞するのです。

 

その時の印象が強烈なので、妄想などもその人のあるがままと受け止めると、その人はその人らしく生きられるのかと思っていました。

 

でも今回の札幌の事件では、精神科医の専門家のお父さんが一人娘の言うことを全て受け入れることが、娘が娘らしく生きられると思い込んだことが悲劇だったようです。

 

普通の親はこの前に「変かもしれない」と思えるのですが、精神科医のお父さんは自分が娘をなんとかできると思い込んでしまったようです。

 

診断基準もどんなに特徴があっても、社会生活に不便がない場合はその人の特性や個性と言えますね。

 

でも社会生活に問題がある場合は、どんなにプロの精神科医でも、子どもの問題を家庭で抱え込んではいけないと痛感しました。