グレーゾーンの子どものミカタのマツジュンです。

 

たまたまオーストラリアのタスマニアに住んでいた友人家族がいるので、映画の内容はあまり知らないままAmazonプライムでタスマニアが舞台の「二トラム」という映画を見ました。

 

MARTINという男の子が、小さい時から少しとろい、バカだ、のろまだと友人たちに言われて、名前を反対から読んだ二トラムとうニックネームを付けられます。

 

花火が大好きで、20歳以上になっても夜中に庭で花火をガンガン打ち上げて、周囲の家から「静かにしろ!」「いい加減にしろ!」「このバカ!」とののしられます。

 

会話もちゃんとできるし、普通に見えるのですが、こだわりが強い、ダメと言われても止められない、相手の気持ちを思いやれないなど、発達障害のユニークな青年に見えます。

 

お母さんは彼の子育てで疲弊していて、家から出て行って欲しい!もうお母さんは限界だと騒ぎます。

 

お父さんは少しでも彼の気持ちに共感しようとして、怒鳴らないで寄り添おうとします。

 

見ていて、お母さんの疲れた気持ちも分かりますし、お父さんが怒らないでなんとか彼の気持ちに寄り添う愛も分かります。

 

お父さんはお母さんに「君は息子を追い詰めている」と言うのですが、お母さんはもういっぱいいっぱいなのです。

 

お父さんといる時の彼の嬉しそうな様子と、お父さんの笑顔。

 

お母さんの疲れた表情とギスギスした言葉。

 

青年になっても、子どもは自分を受容してくれている人と、自分を受け入れてくれない人は分かるのだと何気ない言葉からもよく分かります。

 

たまたま彼は芝刈りの仕事を探していて、ユニークな年上の女性と知りあい、そこの犬たちにも愛されて、そこで暮らすようになります。

 

びっくりした母親が「あんな子のどこが良いのですか!」とその女性を責めるのですが、その女性は「彼ほど優しくて、思いやりがあり、素敵な人はいません」と答えます。

 

彼は自分を認めてもらい、彼も彼女を認めて、ユニークな二人として、とても仲良く暮らすのです。

 

映画の説明をしたいわけではなく、同じ人間が、否定され責められるとどんどん反抗的になり、悪い面ばかりが出てしまうのが、その彼をユニークでとても良い子だと心から思ってくれる人と出会えると、ますます彼は優しくなり、思いやりのある素敵な人になれる。

 

それがとても分かりやすく描かれた映画だったので、ご紹介したくなりました。

 

お母さんも彼を愛しているのですが、小さい時から彼の世話をしてきて、疲れ果ててしまっている。

 

お父さんは夢があり、それに息子を巻き込もうと思って前向きでいる。

 

子どもをあるがままで受け入れるには、親が幸福でないとダメだとつくづく思いました。