グレーゾーンの子どものミカタのマツジュンです。
家庭によって価値観が違い、その子に何を望むのかは違ってくると思います。
私は子どもに成功させたいとか、お金持ちになって欲しいとかではなく、自立して欲しいと願いました。
もちろん子どもの障害によっては、子どもの正しい依存もあるので、必ず自立しないといけないではありません。
私は大江健三郎さんのファンなのですが、息子さんの障害のことを書いた「個人的な体験」など、お子さんの障害に向き合うことで、作家としての大江健三郎さんが完成された気がしています。
もちろん障害のことを書いたのではない作品がほとんどで、どれも大好きなのですが、大江さんの個人的な体験が、作家生活に大きく影響して、ノーベル文学賞を取られたのだと思います。
大江さんの長男の光君が、知的障害者として生まれて、その事実を受け入れるまでの苦悩が、大江さんの文学をとても深くしてノーベル文学賞にまでなったと思います。
小さい時の音への敏感さから、光さんを音楽の道へ進ませて、作曲家としてCDも出すように導いたのは、家族の力です。
何かの大江さんのエッセーで、「わが子を自立させたいと思うけれど、息子の障害を思うと、息子は正しい依存をしていると思う」の文に出会い、感銘を受けました。
人間として、必ず自立しないといけないではないのです。
正しく依存させて、親子でしっかり今後を考えていく。
無理に自立させようとして、その準備もできていない子を追い出すのは、自立ではなく孤立です。
自立はしっかり親に甘えて依存して、自分で時期が来たら自分の意志で一歩を踏みだすことだと思います。
その時期はその子によって違うので、他の子どもが自立したからとか、他の子と比較するのではなく、その子が自立できるかどうか、その時期がきたのかどうかを、親が見極めることがとても大切だと感じています。