グレーゾーンの子どものミカタのマツジュンです。

 

歯科技工士の専門学校は、歯科衛生士の専門学校と同じ校舎でした。

 

それまでは長男はコミュニケーションが苦手で、対人関係に疲れてしまうために、同性の男の友人もできませんでしたし、女性の友人もゼロでした。

 

それが初めて歯科衛生士コースの女性から積極的にアプローチされたのです!

 

家族全員で盛り上がったのですが、本人が一番クールでした。

 

駅まで学校から帰る道で、雨が降っていたら、それほど親しくないのに腕を組んできたと帰宅して文句を言いました。

 

女性から腕を組んできてくれて、それに文句を言う長男が信じられませんでしたが、それが長男なんですね。

 

腕を組んできてくれて嬉しい!ではなく、まだ仲良くも無いのに変だよねと言うので、それは相手の好意なので嬉しいことだ!とあわてて説明しました。

 

それ以外にも「お昼に温かい物を食堂で食べたいのに、お弁当を作ってきてくれて迷惑だ」と言うので、「お弁当を作ってくれるのは、まさしく好意がある証明なので、相手のその気持ちは大切にしないといけない」と一生懸命言いました。

 

相手への感謝ではなく「卵焼きが甘くなかった」とか、文句が出てくるので、私が代わりに相手のお嬢さんにお礼を言いたいと思ったぐらいです。

 

産まれて初めて女性から好意を持たれたのですから、これまでの女性から意地悪されたり、いじめられたりした過去のトラウマを乗り越えるチャンスだと思い、親の方が興奮してしまいました。

 

会ったこともないその女性に、本気で感謝をしていたのですが、ある日長男が「あの子はイヤだ」と言いました。

 

ビックリして話を聞くと「僕の机の中はごちゃごちゃなので、『中は見ないで欲しい』と言っていたのに、僕が少し席を離れたら、机の中を見ていた。イヤだと言っていたことをする人は信用できない。」と言うのです。

 

親としては、せっかく好きになってくれた相手は大事にして欲しいと思ったのですが、「僕にも相手を選ぶ権利がある」と言って別れてしまいました。

 

親としては発達障がいの息子を好きになってくれたことが奇跡のように思えたのですが、本人は自分にも選ぶ権利があると思っていたのです。

 

それから彼女いない歴が20年以上続いています。