大学教員の裏側
皆さんは“ファカルティ・ディべロップメント”という言葉をご存じだろうか?
これは、大学教員自らが成長をすることを意味する。
つまり大学教員も、単に我流で生徒に教えるだけではなく、
別の教員に採点されたり、お互いに勉強会を開くことによって、
授業の分かりやすさや、内容の鮮度を上げ、より良い人材育成を
図るということである。文部科学省も強く推奨しているようだ。
そのために各大学で、ファカルティ・ディべロップメントを考える、
専門委員会を設けたり、またファカルティ・ディべロップメントに優れる、
別の大学のキーマンを大学内の会議に呼んで、その秘訣を
話してもらうこともあるとのことだ。
さらには近年は生徒から、授業の講義内容等について、
アンケートを取ることも多く、実はそれらも昇進や待遇に直結しているらしい。
なるほど、大学でもそんな努力もしているのか、と感心する半面、
今日、大阪のとある大学の若手教員から聞いた話には驚いた。
実はそのような活動に、前向きでない教員も多数いるそうだ。
つまり、生徒や社会の求める授業ではなく、あくまで自分のスタイルで、
自分のやり方を守り抜きたい教員も、今の時代にもたくさんいるらしい。
得てしてそのような教員こそが、鮮度も古く、自己満足としか言えない授業をしているのではないか。
また、学習能力の高い若き世代の人生の時間と、能力が伸びるチャンスを奪ってしまっているのではないか。
今の世の中は、特に中国やインドをはじめとするアジア各国の大学では、世界的企業で通用する人材を多く輩出できるよう、生徒も教員も必死に学び教えている。
しかし日本の大学生は受験戦争を勝ち抜いて、ほっと一息、という傾向にまだまだあり、教員もそれに甘えてか、自己啓発、つまりファカルティ・ディべロップメントにはさほど力を注いでこなかった。
しかしシューカツの現場では、大企業を中心に、他国の大学生を、例えば現地で直接、採用するケースが増えてきている。
つまり日本の大学生のシューカツのライバルは、もしかすれば中国やインドの大学生であるかも知れない。
低レベル教員の授業に付き合って、無駄な時間を費やしていては本当にもったいない。
逆に高レベルの教員を自ら見つけ、今後の糧としなければならない。また高レベルの教員には、高レベルの生徒が集まるものである。
大学生活を有益なものにするためにも、シューカツを有利に進めるためにも、また社会人になってから活躍するためにも、大学教員の裏側を知っておくことには一定の意味があると考えている。