作業中にはずっと音楽や映画をかけている。
音が聞こえると集中できない、と、いう方もいるだろう。というか大半の方がそうだろう。静かな環境で、目と指先だけに集中して何かを作る。そっちのほうが職人ぽいしカッコイイし、そーありたいと思うが、どうにも無音だと耳鳴りがしてきちゃったりするし、外からクラクションの音やら、パトカーのサイレンやら、暴走族の爆音(名古屋にはまだいる)やら、裏の板金工場からプライベート・ライアンの冒頭シーンの機関銃ぶっぱなすみたいな音が断続的に聞こえてくる(なんかヒト死んでそう)ので、音楽や映画をかけているのだ。
最近は映画をかけていることが多い。hulu等の映画サイトで、例えば『アクション映画』とかのカテゴリーにして動画を再生すれば、似たようなジャンルの映画が延々とリピートされる。普段は海外の映画なら字幕で見るが、作業BGMである場合は吹き替えだ。字幕で流しておけば、英語のヒアリングができるようになって英語力が向上するのかも知れないが、海外に行くどころか家からも出てないし、外人と話すどころか日本人ともロクにコミュニケーションを取っていないわたしの英語力が向上しても、0.1ミクロンも意味があるとは思えないので吹き替えである。
その吹き替え版の映画を横目で見て、『お、これは面白そうだぞ?』って思った映画を仕事が終わったあと、夜にワインでもチビチビやりながら再度字幕で見るのだが、もうわたしの脳ミソには『映画=作業』と、インプットされているので、条件反射的に手がやることを探してしまう。結果、余暇のハズなのに、細々とした作業を行ってしまい、映画の内容は中途半端にしか頭に入ってこないわ、休めないわの生活習慣が身についてしまった。
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昼間、作業しながら映画を流すときも、もちろん作業しているので映画の内容なんかロクスッポ頭に入ってこない。アクション・カテゴリをリピートしていて、たまにドカーンと爆発音がして「ギャーーー!」とか聞こえてくるので、フト顔を上げてモニタを見ると、人の腕が吹っ飛んでて血ィドバドバのシーンだったりする。なぜ最近のアクション物は残酷なシーンが多いのか。R15指定ばっかりある。今の映画監督は昔のアクション映画を見習った方がいい。バックトゥザフューチャーとか。
どうして作業しながら映画なんか見られるかというと、わたしの作業には『磨く』工程が多いからだ。石を磨く、金属を磨く、waxを磨く、革を磨く。体感的には7割くらいこの『磨く』という作業である。
石なんかを磨いていると、280番手から3000番手まで磨きこんでいくのには、どんなに急いでも2時間はかかるのだ。ただひたすら、2時間もの間サンドペーパーを石に押し付けるのみという、シベリアに抑留された旧日本軍の捕虜が受けたみたいな拷問的行為を自らに課すことになる。セルフ・アウシュビッツだ。想像してごらんなさい。2時間ですよ2時間。無音であったならば100パーセント意識がトブ。っていうか何回かトんだ。カクン!ってなって、水研ぎ用の水(石の粉とか混ざってる)に顔とか突っ込んだ。これは健康に悪い。
そんなドブみたいな水から健康被害を受けないように映画を流すことにしたワケだが、今度は映画を純粋に楽しめないカラダになってしまった。映画館にも石と紙ヤスリを持っていきそうな勢いである(あたまおかしい)。
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そんなわけで、レザーのオーダー。

コバ(革製品の側面)磨きます(映画見ながら)

最近は最初水研ぎから。水だけでけっこうペカペカになります。まぁ、このあとトコノールとかで仕上げますけど。

こんなのも。

できあがり。

プレゼントに人気の『うまい棒 専用ケース』。

こちらはラブラドライト。でかい。

でっかいリングにします。

アンモライトをオーダーの皆さまお待たせしました。ようやく着手します。こちらは一億四千万年モノ(そんな表現あるのか)

カットして磨く(映画見ながら)とこんなふーになりますよ。
アンモライトのリング [ショップページ]

こちらもオーダー。アメジスト。なんかイロイロ混ざったエレスチャル風味。

しかし、忙しいな・・・。
頑張れロミ子!(みんなボクを励ませ)