光合成タイプ

人間の余暇の方法には二種類のタイプがあると言われている(わたしの中で)。

ひとつは『充電タイプ』。普段外に出て働いているのだから、休日位は家の中でゆっくりとした時間を過ごしたい、映画を見たり音楽を聞いたり趣味に没頭したいというタイプである。こういう休日を過ごしたがる人と謂うのは、どちらかといえば社交的な職業、例えば販売職や理容師等の職業についてる方が多い気がする。普段オープンなぶんであるだけ休日は一人でヒッソリ…と、という塩梅だ。

そしてもう一つは『光合成タイプ』。ゆっくり体を休めるはずの休日をゆっくりせず、外に出て活発に活動することにより、太陽の光からエネルギーを産み出し、それを明日への活力にするというタイプの休み方である。賢明な読者の諸君はもうお気づきだろう。わたしはこちらのタイプであり、時間ができると(出来なくても)すぐ何処かへ出かけてしまうという悪癖がある。普段は部屋に閉じ篭もり、暇さえあれば壁や空中に向かってなにか話しかけているような変質者めいた生活を送っているんだから、休日はより一層ダラダラとして、今度は天井やTVの画面に向かって語りかけてもよさそうなものであるが、否！太陽からエネルギーをもらい、潮風に吹かれ遠い大地に夢を馳せるのだ！

土に根を下ろし風と共に生きよう。種と共に冬を越え鳥と共に春を歌おう。リーテ・ラトバリタ・ウルスアリアロス・バル・ネトリール。アラビン・ドビン・ハゲチャビン。

しかし最近はめっきり壁や空中に向かって語りかけるということも少なくなった。そう、ツイッターでつぶやく事が増えたからである。フォローフォロアーとかいうゆるい繋がりの中で、思ったことを只々呟くという一見無意味とも思える行動であるが、その行為によってわたしの変態性は大分緩和され、たとえば電車の中で面白い中吊り広告を見つけた時は、以前ならばひとりヒヒッと笑って薄気味悪い事をブツブツ口の中で咀嚼するように低くうなり、大いに廻りの乗客たちに気味悪がられたものであったのが、最近では華麗なる手つきでスマート・フォンをバッグから出すや否や、優雅な指さばきで瞬く間にツイートするというスキルを身につけたことにより、一寸だけ通常の人間に近づくことができた。ありがとうツイッター。

この『呟き』の効果は実に大したもので、通常であれば取るに足らない個人の意見を、インターネット上の活字情報というものまで押し上げてくれる。以前であれば、ある程度の文章力がなければ、そう謂ったものは認められなかったが、例えば『安倍総理は自分で戦争行かないから九条改正しても平気』みたいなガキのタワゴトみたいなことを呟いても、一定の数の人が、そうだ、そうだ～とばかりに賛同してくれるのだ。現実の世界と乖離している意見、まともに会社では言えない意見や苦悶、そしてそのプライドとのギャップ等を、『呟く』というマスターベーションは見事に昇華してくれる。フォロアーがどこへ行き誰と会って、何を食べて、どう思ったか、今は怒っているのが楽しんでいるのか、それらのどうでもいいその人の親兄弟さえ知らない情報が、無駄にダラダラと流れて、それについて会話さえ行われるのだ。わたしはそれらの方々と会ったことはないし、今後も会う気は一切ないが、そういった特殊な関係にもある程度の絆めいたものを覚えるのだから不思議なものである。

話が逸れた。そう、『光合成タイプ』であるわたしことロミ子は諸々の事情により本日より４、５日ほど旅に出てくる。無論、その間Canecryの配送業務はストップせざるを得ないが、お店は開けっ放しである。すこうしお安くして行くから、お届けは少々お待ちを。

今回の行き先は、下手をすればモバイル端末のデンパも届かない場所なので問い合わせも遅れるかもしれないが、悪く思わないでくれよな。

と言っても、配送に関しては、通常5日程かかるメール便を、数日後には纏めて速達で出すので、到着日時はさほど変わらないと思う。よろしく。

では。

光合成、してくる。

↓読んだらクリックしてね。