好きこそ物の上手なれ、ということわざがある。
そのいっぽうで下手の横好き、という言葉もある。
二度ある事は三度あるということわざと、三度目の正直ということわざ。
どっちが正しいんだ故事成語。はっきりしてくれ。
先人たちよ、もっと本気だせ。
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私が言いたいのはこの矛盾した言葉のどちらが正しい正しくないということではなく、故事成語にも矛盾を含む皇紀2600年を過ぎた日本語ですらあやふやじゃないか、ということだ。
そして、それならばたった30年弱しか生きていない私があやふやでフラフラでヘロヘロなのなんか当たり前じゃないか!それは誰にも責められる事ではないのじゃないか!日曜日の昼間っからワイン飲んでジャニーズのDVD見ててもいいじゃないか!という自己弁護を展開してみたいだけである。
しかし、小春日和の日曜日の午後に朝起きたまんまのパジャマ姿でアルコールをしたためながら亀梨を鑑賞する私の心に150キロの豪速球で容赦なく投げつけられるのは、「これでいいのか・・・」というアラサー女としては至極当然の自問であって、そしてその後0.1秒後に自らの心に否応なく突き刺さる回答は『ダメじゃん』と、こうなる。
ダメじゃん。
そんなときは下手の横好き、とばかりに好きな物を作るのが一番である。
以前のエントリーにも書いたのだが革製品が好きで、革細工が好きだ。
道具も材料もそれなりに揃っている。
レザークラフトも何年かやっている。
しかし、なぜだろう。完成したモノはどこかしらちょっと残念なものになるのだ。

使っていたキーケースが古くなってきたので新しいキーケースを作成した。
外観はなかなか。悪くない。悪くないのである。

鍵を収納してみる。キーケースさんの仕事はこれだ。
ここで疑問が生じる。見た目の美しさではない、機能性への疑問である。

小さい。
私の作ったキーケースは明らかに小さい。
鍵を入れると閉じることができない。
これはキーケースではない。
キーホルダーだ。無駄にデカイだけのバッグに入れたら明らかに邪魔になる類の、上野のアメ横なんかで売っている出来の悪いキーホルダーである。

小さくて綺麗なものがかわいい、という固定観念が私にはある。
だってそうでしょう?小さいほうがいいじゃん!かわいいよね?
けれども、いかにかわいくても、実用性が伴っていなければ道具はダメなのだ。
やっぱ、ダメじゃん。
自問自答を繰り返し人は成長する。
その概念だけが私の心を救う。前に進ませてくれる。
だが、レザークラフトに関して、私に足りないものは自問自答でもなく、精神論的な話しでもなく、先人達の深淵な知恵による言葉でもない。
定規である。
サイズをきっちり計ってから、革を切るべきである。

