てきとうに映画感想 イロイロ② | 通りすがりのブルジョワ

通りすがりのブルジョワ

グロテスク・スプラッター作品が好きでよく観ます。最近は育児について書いてます。

  ※☆3.0が「普通」「並」というような評価とする。0.5刻みの☆5.0がMAX。
 ※「エロあり」…性行為の視覚的または聴覚的描写がある(R18)
 「微エロ」…性行為の描写はないが、それらを彷彿とさせる描写がある
 「エロなし」…性行為を彷彿とさせる描写がない
 
 重大なネタバレになりそうな文章はオッパッピー←このような感じで見づらくしてあります。
 ネタバレを避けたい方は目をこらさないでください。




 月に囚われた男
 ☆3.0 ※エロなし(下品な発言あり)

 面白いと思うけど終わり方がびみょー。ガバルディみたいな名前の機械が可愛かった。SF映画に出てくる喋る機械ってみんな可愛いですよね。この映画に出てくる機械は「表情」があるのも面白かった。肝心のシナリオは良いんだけどまとめ方がびみょーだと思った。もう少し何とかできたんじゃないかと思う。いまいち理解できなかったことがあって、それは主人公もクローンなのか? ということ。地球にオリジナルが存在していて、その人のクローン(主人公をはじめとした)が月に何体も眠っているということなのだろうか。そのあたりが疑問でした。
 
 
 キャスト・アウェイ
 ☆4.0 ※エロなし(下品な発言あり)

 飛行機事故で無人島に一人流れ着いた主人公が頑張って生きるお話。私的には「ショーシャンクの空に」よりも、こちらの映画のほうが「希望」を強く感じられて少し感動しました。ショーシャンクは20年、こちらは4年だけれど。人がわんさかいる刑務所での20年と、一人ぼっちの無人島での4年。比べられるものではないけれど、どちらもつらいでしょうね。この映画は何より主人公に人間味があるのが良かったです。島に流れ着いた仲間の死体を悼みながら埋めてあげるところが好きです。仕事や時間に対して厳しいシーンばかりが目についたから、こういう人間らしい暖かみを持っている主人公だったんだな、と好感度が上がりました。だからこそ感情移入してしまうのだろうね。あんな状況になったら希望を捨てて絶望してもおかしくないのに、最後まで諦めなかった主人公は本当にすごいと思います。それとウィルソン・・・(ノД`)
 失速せずに最後まで見せてくれるので面白いです。終盤は、こみ上げてきて泣けるものがあります。初見では大丈夫でしたが、もう一度この映画を見たら泣いてしまうと思う・・・。映画館で見ていたらその迫力もあいまって泣いていたと思う。お涙頂戴の映画ではありませんけど、主人公の心情を察するに余り有る。エロについては主人公が少し下品なことを言う&キスシーンが一度あるくらいなので、自信をもって万人におすすめできる映画だと思います。
 
 
 硫黄島からの手紙
 ☆3.0 ※エロなし

 外国の映画だと思って見ていたらニノ(嵐の二宮くん)が出てきたので驚いた。私自身が戦争映画にさしたる興味がないので「ふ~ん」という感じでした。この映画が良質なのかどうか分かりません。ごく普通の戦争映画という感じですワ。白黒映画ではないんだけど、ほぼ白黒に近い色味ということもあって、ニノ以外の日本兵の顔の区別がつかなかった。仲間が死んでニノが悲しむも「あなたは誰の死を悲しんでいるの?」と感情移入ができなかった。みんな同じ服だし顔は汚れているし画面は暗いし・・・。グロテスクなシーンあるよと聞いていたのですが、兵士が手榴弾のようなものを使って自害するシーンがあり、腹部が爆散してウヒャ~でした。濃密な描写こそありませんが一瞬映る千切れた肉体なんかはもう堪らないっすね。この映画のタイトルについては、つまり「硫黄島からの手紙は一通も届いておりません」ということでOK?
 
 
 ファイト・クラブ
 ☆4.0 ※エロあり

 騙されたー。ゼノギアスのイドをそれとなく思い出した。真実が明かされる直前に「タイラーは三年ごとに整形して顔を変えている」という情報が入ってくるから、まさかそんなと視聴者は思ってしまうミスリード。終盤、訳が分からず混乱する主人公と一緒に視聴者も混乱することでしょう。はじめのうちは「これは何がテーマの映画?」と疑問に思った。ファイト・クラブという場所で戦う男たちの熱き友情物語? それとも単なる格闘映画? ボクシングのようにお互いを殴りあうシーンを求めて見る人もいるのかもしれないが、この映画のポイントはそこではないよね。殴りあいの描写、ファイト・クラブでの日々の生活はラストに収束するためのおまけみたいなもの。シナリオの核部分というか、この映画におけるトリックの部分は好きなんだけどラストが微妙です。終わっていないのに無理やりエンディングに持っていった感じがある。もっと綺麗に納得できる形で終わらせることは不可能だったのかしら?
 タイラー役の人はベッカム(サッカー選手)だと思っていたんだけど、聞けばブラッド・ピットだって言うじゃない。言われてみればセブンに出てたサマセット刑事じゃないほうってこんな顔してたね。思い出した、ミルズ刑事だ。そろそろブラピの顔を私は覚えると思います。ヒロイン役は「スウィーニー・トッド」「レ・ミゼラブル」に出ていた人よね。名前を存じ上げず申し訳ありませんが著名な女優さんなのかしら? 美人なのにいつも血色の悪い不気味メイクをしているよね。この女優さんの綺麗な顔(または役)をいつか見たいわ。
 
 

 十二人の怒れる男

 ☆4.0 ※エロなし

 とある殺人事件を有罪にするか無罪にするか満場一致で決める、日本でいうところの裁判員裁判をテーマにした映画なのね。12名の男性たちは皆やる気がなくて「野球見に行きたいから有罪にして早く帰ろうぜ~」なんて言い出す輩もいる始末。裁判員ともあろう者が腐ってる・・・と思ったら彼らは国に選ばれた裁判員であり、ついこの間までは一般人だったらしいじゃない。でもこの映画は結構古いので(白黒映画だし)「こんな昔から裁判員裁判の制度あるんすか?」と知人に聞いたら「アメリカではね」とのこと。無知で申し訳ありませんが、映画中では「裁判員12名全員が同じ判決を下さなければいけない」という決まりがあり、つまり「有罪11名/無罪1名」という投票結果になっても有罪判決にはできないのです。空調の壊れた暑い室内で12名の男たちが汗を流しながら、あるひとつの事件について次第に真剣に話し合うようになります。はじめは我関せずな様子で「有罪でよくね?」「どうでも良いから早く帰ろうぜ」だった12名が、やれ有罪だやれ無罪だと熱く語り合うさまは、見ているこっちも思わず白熱しました。面白いけど、なんつうかすごい「低予算映画」な感じがしたよね。12名の男性が会議室のような一室で議論を戦わせるシーンが映画の9割を占めていると言っても過言ではないと思う。
 過去に起きた出来事について再考するシーンが何度かあり、一般的な作品なら「――2年前」というふうな回想シーンに入ると思うが、この映画は回想シーンが一度もない。男たちがただ座りながら「有罪か? 無罪か?」と話し合っているだけのこの映画は、いやに現実感がありました。要するに回想シーン(再現VTRや参考映像)とは、あくまでも視聴者が映画を理解しやすくする為のものである。過去に起きた殺人事件の有罪・無罪を決める際、ドラマのように殺害シーンが映像として見られるわけでもなく、ただひたすら証拠や証言をもとに検証や話し合いをするしか手がない。仮に殺害シーンを視聴者に見せれば犯人が誰なのかが明白になるが、殺人を目撃した人はいないのだから誰も何も分かるはずがない。どのように殺害されたのか映像として見ることは実際にはできないし、真犯人が誰であるかは真犯人以外の誰にも分からない。「自分の知らないところで起こった殺人が有罪か無罪かを決める」という途方もないことを、回想が一切入らないこの映画では表現されているんじゃないかと私は思いました。
 
 
 ターミネーター
 ☆4.0 ※エロあり

 面白かったけど、くどいほどの濡れ場があったのが非常に残念だった。「肉体関係がある」という事実をストーリー的にどうしても描写しなければならないのは分かるけど、それにしても濃厚すぎる。もっと淡白な描写でも良いじゃないっすか、と知人に不満をもらしたら「一生ぶん愛しあったんだからアレくらいの濃い描写にもなるだろ」とたしなめられました。ベッドシーンさえなければ(あるいはもう少しソフトな描写ならば)この映画は面白いよ! と声を大にしておすすめしたかったな。何となく先が読めてしまう展開だったけど、そうだとしても面白かった。アーノルド・シュワルツェネッガー氏の肉体改造がすごすぎてCGかと思った。でも笑っちゃうくらいしつこくて怖かったです。ターミネーターから何とか逃れる方法はないのか? という会話のときに「(ターミネーターは)絶対に諦めないんだ。君の死を見届けるまでは」みたいな台詞を主人公が言ったときは戦慄しました。怖すぎるよ。

 

 

 ターミネーター2

 ☆3.5 ※エロなし(下品な台詞あり)

 2は傑作だと聞いていた。1から見ないと「?」となる点があるので順番に見ると良いと思います。けど1を見たことがある人は序盤で騙されるよね。私は騙されました。先入観というか思い込みで「ええー!」となりました。ネタバレだからあまり言えませんけれど、前作で敵だったヤツが今作でパーティーインみたいな感動がありますね。エロが無い分、1よりは好きです。けど逃げるシーンばかりで肝心の(?)戦闘シーンって意外と短いですよね。序盤はターミネーターとの邂逅、中盤は逃げたり武器を調達したり、終盤はドカンと一発ターミネーターと戦うって感じです。真ん中あたりは少し退屈でした。けど面白かったので、1の濡れ場を我慢できるのならターミネーターは1・2セットでおすすめです。

 

 

 探偵ミタライの事件簿 星籠の海

 ☆3.0 ※エロなし

 御手洗先生とか石岡君、竹越刑事の名前なんかも出てきたりしてウッヒョー! この映画の脚本は島田荘司氏が書いたということなのかな。→この間図書館に行ったら同タイトルの小説がありました。小説原作を映画化したということなんですね。完成度としては微妙でした。小説として読んだら面白いかもしれないけれど、映画としてはイマイチ・・・な感じ。だらだら長くて毎度のごとく1.5倍速で見ました。批判する気はないのですが助手の女の子の演技が大根だったと思います。島田荘司氏の作品に触れたいなら、この映画を見るよりも小説を読んだほうがずっと楽しいかと思う。

 

 

 遊星からの物体X

 ☆4.0 ※エロなし(下品な会話あり)

 怖い。私が今までに見た「地球外生命体」系の映画って、はじめは小さくてだんだん巨大化する作品ばかりだったんですが、この映画ははじめからデカイ。しかも黒い甲虫のような、いかにも強そうな見た目をしている。何で襲ってくるんですかね。加えてコピー能力がある点もヤバイ。何かの拍子に地球に舞い降りたら勝ち目は無いと思います。今まで見た中で(地球外生命体系では)私はこの映画が一番怖かったです。他のエイリアン系の映画は見ても割と「うお~すげ~」くらいにしか思わないけど、この映画は「ヒィィ」となりました。純粋に怖い。

 

 

 ライフ

 ☆3.0 ※エロなし

 何この投げやりなバッドエンド。まず序盤で突如「呼吸する」って流暢な日本語が映画から聞こえてきたのでびっくりした。日本の映画だっけと思ったら日本人のおじさんが一人、宇宙船に同乗していました。う~んひげ面でワイルド。例によって「宇宙で地球外生命体を見つけたけど攻撃された」系の映画であり、もはや使い古されたネタなので観客を楽しませて納得させるのは難しいと思う。ゆえのバッドエンド? 友好的な地球外生命体はいないのか? 公開当時、テレビCMで予告を見たことがあるなあと思い出した。気になってはいたけど予告が何のこっちゃ意味不明で、いったいどんな映画なのかよく分からなかったから劇場までは観に行かなかったんだよなあ。よくある映画って感じでした。

 

 

 スリー・ビルボード

 ☆3.0 ※微エロ(下品な会話あり)

 あんまりだった。だってオチらしいオチがないんだもん。映画にオチを求めるのは間違っていないよね? 広告屋のおにーさんがオレンジジュースをくれるところが好き。優しいなあ。でもって署長・・・(つд;)

 

 

 ノクターナル・アニマルズ

 ☆3.0 ※微エロ

 何のこっちゃよく分からなかったけど監督インタビューを見て納得。「この映画意味わかんない!」という人がいたら、メニューにある「監督インタビュー」をぜひ。現実世界の物語と、主人公の元夫であるエドワードが書いた小説の空想世界の物語が同時進行で進んでいく。だからよくわからなかったのよね。現実→空想→現実→空想と交互にひっきりなしに描写が変わるから。主人公に宛てられた小説はエドワードからのラブレター? いやいや怨みと呪いの手紙だと私は思います。

 小説の主人公は妻子持ちのトニー。彼ら一家は旅行中(?)ゴロツキに襲われ、妻と娘を殺されてしまう。もちろんその物語はフィクションなんだけれど、問題は「君(=主人公)との過去の生活から着想を得て書いたよ」というメッセージと共にこの小説が送られてきたということだと思います。エドワードは結婚2年目に主人公に離婚を申しつけられ、ほぼ同時期に自分の子供を中絶させられた過去を持つ。それは「妻と子供を同時に失った」という見方もできるわけであり、ゴロツキに妻と娘を殺された小説の主人公と重なる・・・つまりこの人は自分を主人公に小説を書いているわけか! と、その大前提を私は監督インタビューを見てはじめて理解しました。それが分かると合点がいく気がしました。たとえば、


 小説→トニーの妻は殺される前にレ○プされていた。

 現実→離婚前、主人公の浮気(?)現場を目撃してしまったエドワード。自分以外の男性との性行為=レ○プという形での表現。


 小説→トニーの娘は暴行を受け、苦しんだ末に殺された。

 現実→堕胎手術でぐちゃぐちゃにされた我が子・・・。


 みたいな投影があったのではないか、と一人考えてはゾワゾワしていました。その小説を「ねえこれどうかな? 読んでみてよ!」と主人公に送りつける神経もすごいと思うけど。エドワードは主人公のことを怨んでいると思う。だからこんなネチネチしたことをするんだと思う。でもネチネチされても仕方ないことを主人公はしていると思うし、主人公自身も何だか心の底から「幸せ!」って感じがしない。エドワードと結婚したら幸せになれたんじゃないのかなあ。わからないけど。というか冒頭、全裸のおデブな女性が全力でダンスをしているシーン・・・(しかもスローモーション・・・)あれ何? 主人公が開いた個展だよね? 趣味が悪いと思いますう。

 

 

 ハンガリー連続殺人鬼

 ☆3.0 ※エロあり

 TSUTAYAで見つけて名作臭がしたから借りたんだけど、別にそうでもなかったね。シカン(死/姦)というジャンルをサイコ映画としてではなくサスペンス映画として扱っているのが好きだった。シカンという異常性が背景にあるからエロシーンがあるのは致し方ない。映画中3割くらいはエロエロしている感じだからお気をつけるといい。間違えて自分の奥さんを夜道で襲っちゃうオチャメな犯人。ハゲてるのが気になったわ。映画冒頭で終身刑を言い渡された主人公は実は冤罪であり、10年間服役したのちに無罪放免となるのだが、ラストのテロップが残酷だよね。映画中でとある男性が言っていた「自分の無実と正義を貫くべきだった」みたいな台詞。冤罪を作った一人でもあるのにこいつ何言ってんだ? と思ったけれども、確かにそうだね。主人公はやってもいない罪を自白したせいで投獄された節はある。アリバイがなくて怖くなったんだって。それ以上に警察から拷問まがいのこともされていたようだけれど。そんなことをされ続けたらまともな思考回路も奪われるよね。もっと無実を主張して戦っていれば、あるいは最悪の結末は防げたかもしれないと思うけど、圧迫面接みたいな圧迫取り調べをずうっとされたら精神的にたまんないんでしょうな。自白して楽になりたいって思っちゃうのかね。

 実話らしいけれども、警察のあのズサンな捜査も事実なのだろうか? 被害女性の死因は「斧で殴られた」ことによるって警察は言っていたけど、実際に使われた凶器は「線路に落ちていた木の板」よ? 斧か木の板か、って分からないものなのかな? 冤罪が分かって無実になってハッピーエンド、とはいかないのがやるせないよね。冤罪を訴えて再審請求をする・・・って言うと、今の日本に似たような事件がありますよね。仮に無罪が認められたとしても、この映画の主人公同様、奪われた人生は戻ってきませんよね。とにかくすっきりしない映画でした。真犯人が逮捕されて主人公は釈放されるのに、それでも心に淀が残る。嫌な気分になるよ~。

 

 

 ラディウス  ↓怖いけどホラー映画じゃないよ!

 ☆3.0 ※エロなし

 パッケージは溢れんばかりのB級映画感が漂っていて「つ、つまらなそ~(汗)」と思いながら借りたけど、そんな駄作でもなかった。ただ設定を生かしきれていないと思うな。それと白目になって死亡するのが怖いという欠点もある。ラストはいわゆる「どんでん返し」で結構よかった。主人公は記憶喪失なので、自分が善人なのか悪者なのか分からない。もちろん視聴者にも分からない。やがてすべての記憶が戻ったとき、自分が最低最悪の犯罪者だったと知る・・・これは中々堪えるよね。はじめは善人としか思えないのに、一つまた一つと事実が明らかになるにつれて自分がとんでもないクズサイコ野郎だということが分かる。ジェーンの妻が言っていた「この男はサイコ野郎だ」という台詞はあながち間違っていなかったのね。でもそれまでの主人公はクズ野郎だけど、記憶喪失になったあとの主人公は善人だと思うのよ。これは性善説が証明されたよね。若干と言うかだいぶ非現実的な要素が入っているので(俺の間合い(15m以内)に入ると死ぬぜ)その設定を変えて現実的なストーリーにしたら、ミステリーとして十分成立したと思います。嫌いじゃないぜ。

 

 

 華麗なるギャツビー

 ☆3.5 ※微エロ

 哀しき哉・・・恋物語・・・。ラブストーリーなんか微塵も興味ないわと思って見たけど、ラブストーリーと一言で片づけてしまうには勿体ない面白さがあった。「これはとある男の人生の物語である!」というように妙に暑苦しく演出してくれれば素直な心で見ることができた。いかにもキレイな感じで物語は進んでいくけど、所帯があるのに異性と肉体身体を結んだ時点で、何を言おうとオマエはただの浮気者だ、ケダモノめ! と私は思うよ。浮気だとか不倫をする人間は嫌いだし、同じ人間とも思いたくはないわ。なぜ人は人を裁くのか? という議論を何度かしたことがあるけれど、私の持論は「罪を犯した時点で人間ではなくなる」ってことよ。だから人が人を(裁判などで)裁くのではなく、人が「かつて人間だった下劣なナニカの生物」を裁くのだと思うわ。つまり犯罪者は犯罪者になった時点で人間失格というワケ。人間という資格を剥奪されるの。似たような理屈で、不倫をした人間はケダモノに成り下がるってことで、善き人間たちと同じフィールドには立てないわ。よってトム&デイジー夫婦は似た者同士のケダモノよ。愛だか何だか知らないけれど浮気は浮気。関係を持つなら離婚してからにしなさいよね。まったく辟易するわ。

 そんな感じで嫌な部分もたくさんあったが、総評としては意外と面白かった。キスシーンが何度かあり、ベッドで肌を重ね合わせるシーンも一度あるので、その部分さえクリアできれば他に気まずくなる箇所はない。それらのシーンも別にわざとらしくイヤらしく描写されているわけではないので、この人らは深く愛し合っているんだなあ~と微笑ましいような気持ちで見られないこともないだろう。ギャツビー役の人はあの有名なレオナルド・ディカプリオさんらしいです。この人がDCPか~。


 

 逃亡者

 ☆3.5 ※エロなし

 帰宅すると寝室で妻が殺されており、無実を訴えるも有罪判決を受けて投獄されてしまう主人公・・・。という基礎設定はショーシャンクを思わせるよね。ショーシャンクの終盤の脱獄シーンを序盤に済ませました!! って感じ。主人公が無実を訴えるからには、精神障害や多重人格でもない限り真犯人はいるんだなーと思っていて、まあどうせそのへんのゴロツキとかが強盗に入った際に騒がれたから殺したとかその程度だろう、と軽く見ていた。タイトルにあるように「逃亡者」だから、序盤~終盤まで大げさに警察を逃げかわし、最後の数分で真犯人が見つかって無罪万歳っていうありがちな映画だろう。・・・と思っていたんだけど、131分を見終わったら意外と壮大(?)な話で、犯人はゴロツキなんていうショボい輩じゃなくて、事件の背後に結構大きな黒幕がいたので驚いた。チンケな真犯人を一人逮捕するよりもずっと爽快感があった。中盤、こいつがおそらく犯人か? と有力にさえ思われた男が、実は数か月前に事故で死んでいる、という展開にワクワクした。そうだよこういうのだよ! と。視聴者の期待をことごとく裏切って、見ているこっちを疲れさせてほしい。視聴者の素人脳で導きだせるような推理や結末は、なるべく避けてほしいと思っちゃうのは、自分がアッと驚くどんでん返し系ミステリが好きだからなのかな。「もしかして○○なんじゃないか?」と少なからず自分自身で予想をして、それが当たっちゃうと何だかショックを受けないか? 中には「よっしゃ当たった!」と喜ぶ方もいるのだろうが、私は自分の推理が当たると「な~んだ」と思ってしまうね。もしくは、自分の推理の大筋は正解だったけど、更にその先に隠された真実があった、というのも大好き。「なんだ~当たっちゃったよw」とドヤ顔しているところにドカンと一発落とされて、トリックを見抜いてやったぜとか思っていた自分を恥じるという楽しみ方もある。(私だけ?)

 まあそんな感じで、私が思っていたよりもずっと大きな黒幕がバックにいて、更には外科医の主人公が逃亡中に負った傷を自分で治療しちゃうところなんかがグッドな映画でした。行く先々で怪我人と出会い、警察から逃げながらも外科医として今自分にできることを最大限にやる・・・そんな素晴らしい主人公でした。←日本のドラマの「鳩村周五郎」シリーズを思い出した。あれ面白いからDVDレンタルしてくれないかなあ。

 



 今回はこのくらいにしておきますデス(*・ω・)ノシ

 感想 第3弾→