私のフランス My France 6 Digne Village 裏山の村
『ディーニュの裏山に行く』
1983年10月1日
ディーニュ・レ・バン
夕方、ディナーの客が来るまでにちょっと時間があるので、裏山までドライブしましょうと、ミセスが誘ってくれる。
十分もしないで裏山の頂上に着く。
全く忘れられたように、昔のままの石造りの家が数軒寄りそうようにして、半分傾いて建っている。
この山頂には羊飼いの3家族しか住んでいないという。
古い石の小さなチャペルが建っている。
粗末な教会が村人の心の支えなのだろう。
ここまでの登り切ると、四方を山で囲まれ、緩やかなデュランス川が町を横切っている深い谷間の温泉地、ディーニュの町が一望にして見渡せる。
一番高い山の頂上にテレビ塔があり、マルセイユからの電波を受けとめて、下の盆地に流しているとミセスが説明してくれる。
ビュービューと山間の風が音をたてて吹き過ぎていく。
爽やかな秋の夕暮れ、間もなく寒い冬が訪れ境目である。
『幻の旅路』第6章1983年、第6回の旅
(P420-P422)より ブログ用 に1部引用。
2017.09.24 (Sunday)
Digne-les-Bains, Village
(1)裏山に建てられた家々
(2)30年以上も前に訪れた時は、これらの家はなかった。
確か13軒の家が建てられた小さな部落だったと、そう記憶していたが、いま『幻の旅路』を読み直して見たら、たった3軒だった。
(3)ライオネルの家から坂道を下ったところにある隣家
(4)村の路地
(5)石造りの頑丈な家屋
(6)民家の入り口
昔は羊飼いたちが住んでいた部落だった。
(7)ブドウが絡まった2階の手すり
(8)美しいぶどうの葉と石壁
(9)長く使われていないような車庫
(10)ブドウが絡まった家のおじいさん
おばあさんは写真は苦手と一緒に入ってくれなかった。
(11)風雪を凌ぎ時代を経た木の扉
(12)石壁
(13)部落からチャペルに続く階段
(14) 34年前にホテルの子供たちと歩いた凸凹道はどこだったのだろうか?
谷間からの風が吹いていたが、この坂道を上った先に広場があるのだろうか?
昔記憶していた風景とはまったく変わってしまい、同じ部落、同じ村を訪れているのかよく分からない。
(15)チャペル
Chapell St. Pancrace, Digne
(16) Chapell St. Pancrace, Digne
(17)村人の心を支えたチャペル。
いまはこの横には民家があって、チャペルの庭と思って足を入れたら、住民から「ここはプライベートの敷地よ」と注意された。
(18) Lionel's house
ライオネルが新しく購入した家
窓の雨戸は南仏風の淡い水色
家族が持っている山の家と同じ色にライオネルがペイントした。
家具は2、3時間先のマルセーユから取り寄せるらしい。
(19) Lionel's house
入り口
(20) Lionel
昔は山登りが大好きで、スイスの国境近いシャモニーに住んでいた。
いまは故郷に戻って、町の消防員として活躍している。
ホテル経営しているノエミを助け、アルツハイマーの母を介護し、心の病気のある妹をかばっている家族思いの心の優しい青年だ。
1982年10月17日
一番上の息子がライオネル。
本来ならこのホテルを継ぐべき人間なのに、彼はそんなビジネスは全く興味ない。
毎朝裏山に登って、昼食時、おめかしした客で一杯のレストランに泥と汗まみれのTシャツ姿で現れる。
そんな姿を見て、両親はハラハラしながらも苦笑している。
彼は冒険家で将来登山家志望。
まだニキビ面の14歳の若者だ。
裏山に登った時の様子は下のブログに載せています。
テーマ: ├ ディーニュのホテルの家族と
幻の旅路―1978年~1984年 ヨーロッパひとり旅/大湾 節子
¥2,940
Amazon.co.jp