この頃、私の中には小さな不安があった。

それは、税金のことだった。


Bに言われるまま、取引所で何度も暗号資産の売買(架空)を繰り返していた私は、

自分がトータルでどれほどの利益を出しているのかを把握していなかった。

記録も一部しかない。

履歴の見方も分からない。

ただ操作だけを続けていた。


このままではまずい。

そう思い、暗号資産の税務サポートをしている会社を見つけ、

一度相談してみようと考えた。


その瞬間、Bの言葉が頭をよぎった。


「Mは、何事も勝手にやらないでください。

必ず私に相談してください。」


また怒られるのが怖かった。

だから私は、その会社に相談する前にBに確認を取った。


「B、Mは少し心配なことがある。日本では2月に確定申告っていうのがあってね、前年の所得に応じて税金を納めます。

今までたくさん取引をしてきたけど、自分がどれくらい利益を出しているのかMは分からない。

だから、税金納付のサポートをしてくれる会社に相談してみようと思うんだけど…。」


「私は毎年、web取引所のオンラインサポートを通じて少量の税金を支払います。

怖がる必要はありません。」


そう言った直後、こう続けた。


「脱中心化には税金はありません。

サービス料と手数料があるだけです。」


税金があるのか、ないのか。

今ならすぐに分かる矛盾なのに、

その時の私は深く考えなかった。


「Mは全く心配しなくていい。」


その一言で、私は安心してしまった。


「じゃあ…どこにも相談しなくて大丈夫?」


そう、簡単に答えてしまった。


今思えば、

第三者に相談されることほど、彼にとって都合の悪いことはなかった。


誰にも聞かず、

誰にも確かめず、

ただ彼の言葉だけを信じる私。


その状態を作るために、

その時の彼は必死だったのではないかと思う。





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今、騙されそうな誰かに届いてほしい。


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