MILK.
彼は何かに憑依されてたんではないかと今は思う。
僕は中学時代は給食で高校から弁当という感じだったんですが、今回はその高校時代の話。クラスには変わり者ばっかで充実した男子校ライフだったんですが、今回の主人公は吉田君という意外にも割と仲のいい友人の話です。
高校に入学した頃なんかはクラスには暗黒のムードが漂ってましてね、第一志望の公立高校に落ちた奴が大半なもんですから重い重い。しかも失意のうちに入ってきた高校が以前も話したように男子校ですよ。そりゃね、落ちるとこまで落ちるわ。ソースは僕。
それから1週間ぐらい経った頃でしょうか。僕を含めクラスの皆が諦めたか発狂したかは定かではありませんが、少しずつ慣れてきた。否、慣れてしまってきた。そんな時に僕に話しかけてきたのが吉田君ですよ。
出席番号なんか全然離れてるのにわざわざ僕の机のとこまで来て笑顔で話しかけてくれたんです。今考えれば何でここまで来て僕に話しかけたのかが疑問ですよね。そんなちょいとふっくらした彼が始めて話しかけてくれた言葉は印象的で、
「オレ、牛乳が大好きなんだよ。」
もうね、???です。もしもここで「君は食べ物なら何が好き?」と聞かれた方が、僕としては「合コンか!」とか色々ツッコミをしながら仲良くなれたんでしょうが、入学して初めて話すクラスメイトとの言葉が自己主張とかあんまりでしょ。「オレに牛乳をぶっ掛けてもいいんだぜ?」とかいうフリかと思ったわ。
まぁ、この発言に「あぁ、そうか・・・」としか返事できなかったつまんない僕ですが、何気にこれから話すようになってきたんです。その頃には少しずつ話す人も出てきて、皆で男子高生らしく昼ごはんは高カロリーなものを食べてました。さて、ふっくらした彼はカツカレーに肉うどんかな?とか思うでしょうが、彼はね、パン。なぜかいつも大量のパンと牛乳でお腹を満たしていたのです。そこまでするか、吉田。
そんな好きなものに対しては一途な吉田君、ある日こんなことを愚痴ってました。「おーい、オレお金すぐなくなっちゃうよ。」うん、やはりそんな食生活をしてると常人以上にお金がかかります。高校生で昼ごはんに700円とかかけてたらそりゃなくなるわ。しかし彼はパンほど愛すべき牛乳を際立たせる相方は居ないので迷ってる様子。そこで冗談でこんな提案をしてみました。
「コーンフレークにしちゃえば安くない?」
すると彼の目に光が。よほど彼にとってはナイスアイデアだったのでしょう。汗ばんだ手で何度も握手をされ、「付録のおもちゃはあげるよ!絶対あげる。」とまで言われる始末。逆に何でコーンフレークが頭に浮かばなかったのかが気になるし、何よりも付録とかいらないんですけどね。それから彼は変わりました。
ほんっとに毎日毎日コーンフレーク。以前のパンよりお金かかってるんじゃなかろうか?とこっちが疑問になるほどのハマりぶり。同時に彼がハマればハマるほど僕の隣の窓枠には訳の分からない猿の絵が描いてある笛とかが並んでいくわけですよ。どうやって遊べばいいんだよ。
彼の水筒にはいつもコーンフレーク用の牛乳が入ってまして、たまに彼が放置してしまった時の水筒は禍々しいオーラを放ってるんですよ。金属越しに。彼のハマりっぷりはクラスをも巻き込んで加速していくのです。あの時期の彼はまさしくコーンフリークだった。
しかし小さい頃から意味もなく牛乳を飲み続けてきた乳牛からしたら悪魔みたいな存在の彼にも終焉が訪れるのです。彼にとっては牛乳は恋人以上の存在。それは彼に恋人が出来なかったからとかではなく、本当に悩んだら牛乳に相談とかしてたかも知れない。あぁ、恋も牛乳も始まりには理由がなく、終わりには理由があるでしょう。
突然彼が昼食時に吐いたんです。
来る日も来る日もコーンフレーカーの彼は牛乳を口にし、クラスにも「アイツはコーンフレークしか食わない」という暗黙の了解のようなものが出来上がってました。彼はそのプレッシャーに負けたのでしょう。吐いてしまったんです。俗に言う拒食症になったとのこと。
人知れず僕なんか「アイツ修学旅行とか何食べるつもりなんだろう?」と1年後の心配をしてたもんですから、人一倍ガッカリですよ。もう何か彼にゲロの上に正座させて言ってやりたかった。なぜベストを尽くさないのか、なぜ掃除箱に向かって吐いたんだ、と。
まぁね、何となくこの事件は皆に流されましてね、誰も触れちゃいけないような雰囲気だったのです。しかしコーンフレークばっか食べて痩せて少しばっかカッコよくなった彼に初めて恋人が出来たのです。厳密に言えば2人目?だけど。そんな彼がいきなりこんなことを言い出したのです。
「もう牛乳はコリゴリ。オレ、今は女子の乳が大好きなんだ。」
ここまで人は変わってしまうのかと。今まではそこらの女性よりもふくよかな体型だったやつが痩せて少しばかり女性を知った途端にこんなにもムカツクことを言うのかと。同時に会話のパターンは何も変わってないままだと。
しかしこの発言は入学式と同様に見事にスベってしまいまして、その後の吉田君の顔といったらもう・・・。少し前のコーンフレークに牛乳をかけるときのあの生き生きした顔が好きだったのに。
あれからしばらく経った後に僕は思い切って気になっていたことを聞いてみたのです。そう、あの入学して間もない頃に何でいきなり僕に「オレ、牛乳大好きなんだよ。」と言ってきたのか。
そして彼は笑顔でこう答えてくれました。
「ただクラスで一番牛乳髭が似合いそうだったからさ。そんだけ。」
そして僕は笑って牛乳を彼にかけた。
最後の過去ログ。
この世界は本当によく出来てる。
僕等が生きてるこの世界は誰が作ったんだか知らないけど、実に退屈しないで済む。悪い事があっても、少しの希望さえあればいくらでも立ち上がれるし、また笑顔になれる。きっと何かの終わりは何かの始まりでもあるんだ。
今言ったのはあくまでも希望が持てる場合であって、モチロン逆に良いことばかりで調子に乗ってたら思い掛けない絶望がチャーハンのように降ってくることだってあるってことも忘れないでいただきたい。
僕なんてのは希望を妄想の域まで達することが出来る2月11日生まれの水瓶座ですから、ポジティブになるためには多少の痛いイマジネーションが必要となってくるわけです。
例にはならないかもですが、ある水瓶座の少年が一人で家にいることに寂しさを感じてる時なんかにこんな妄想の世界にトリップするのです。
僕がスーパーの袋一杯に買い物をして家の階段を上がってる時に、袋が重さに耐えかねて破れてしまう。中からはレトルトカレーや冷凍食品やキムチがこぼれ出てくる。するとそこに203に住むミホさん(A型20歳で彼氏居ない暦半年)と出くわしてしまいます。
僕はこの時に初めてミホさんと会話をします。ミホさんはバイトに間に合わないかも知れないのに僕の落としたキムチなんかを拾ってくれるわけ。そこで僕の顔を見てこう言うんです。
「何か・・栄養の偏ったものばかりですね。夏なのに大丈夫ですか?」すると僕は「あ、はい。自分でも分かってるんですけど、どうも料理には向いてなくていつもこんなのしか口に出来ないんですよ。」と少し照れながら言います。
その後ミホさんは少し考えたあとに腕時計を見て「あ、遅れちゃう!」と言ってエッセンシャルの匂いを残してバイトに行くわけです。僕はと言えばバイトもない日なので、クーラーの効いた部屋で奇跡とも言えるほどの爆睡をやっちゃうんですね。
ピンポーン
ふと玄関のチャイムで目が覚める僕。近くにあった時計を見るともう8時をゆうに過ぎていました。誰だろう?とか思いながら半ケツでドアを開けるとそこにはミホさんが立っているんですね。
「ど、どうしたんですか?」と慌てながらパンツを上げながら話す僕。それを見てミホさんはクスリと笑って僕に鍋を差し出してこう言うんです。「今日はバイトが早く終わっちゃってさ、帰って暇だったからカレー作ってみたの。ホラ、夕方頃に逢った時に少し心配だったからね。食べていいよっ。」
ミホさんが作ってくれたカレーは凄く美味しくて、すぐ食べてしまうんです。んで、キレイに鍋を洗って翌日にミホさんに「とても美味しかったです」と言って鍋を手渡す僕。玄関を閉めてミホさんが鍋をふと開けてみるとキムチ250グラムと僕からの手紙が入ってるのを見つけてしまいます。そこには、
君の瞳にカレーキムチ。
この口説き文句に一気に恋に落ちてしまったミホさんは、「こ、こう君・・・」と涙を流しながら202号室に駆け込んでくる。それを無言で抱きしめる僕。そして202号室の電気がフッと消える。
・・・とまぁこんな親が聞いたら泣きたくなるような妄想の域を超えた妄想をモンモンとしてたわけですよ。おや、何でそんな引いてるんだい?そんなに半ケツがダメだったんだ。(←全く分かってない。)
こんなことを扇風機の前で正座しながら想像してたらいつの間にか時計の針が9時を指してたことに気付きましてね、どーりでお腹が鳴るわけだ。自己主張の激しい奴め!とかまるで胎児に話しかけるみたいに話しかけてましたから。
冷蔵庫を開けるとニンニクとDAKARAとキムチとなぜかピーナッツが2つだけ入ってたんです。ホント、いつ見ても寒気がする状況だよな。主食となるものが一切ないというサプライズ。
こりゃヤバい!と思いながら冷凍庫を見てみると、いつぞやの豚肉がコレ、殺傷能力が芽生えちゃったんじゃねぇの?と心配になる程に固まってました。もう分かったよね?今晩のオカズはミホさん・・・じゃなくて豚キムチですよ。
妄想で色んなとこの元気が出たか知りませんが、今日はやたらとテンションが上がっちゃいましてね、絶望の降ったキッチンでELLEGARDENとかめっちゃ熱唱してやりました。それでも収まりきらない僕のパッションがこう叫ぶわけです。
「豚キム!豚キムーー!!キムチ萌ー!!!」
懐かしいロンブーのCMのように一人で叫び続けました。ちなみに一人ですよ?いえいえ、僕の意思ではありません。僕のパッションです(どーん)。そんな時にいきなりチャイムが鳴り響くわけですよ。
ピンポーン
おいおい、これはまさか妄想通りにミホさんが出てくるのか?残念だけど、今日は豚キムチだからカレーは食べれないぜハニー。もう、鍵ならいつでも開けてるから入って来てもいいのに。恥ずかしがりなんだから、どうz・・・
「あのー、203に住んでるんだけどー、叫び声がうるさいから止めてくんない?」
あれま!僕の妄想とは違ってラッパーみたいなお兄ちゃんが203の住人だったんですか。めちゃくちゃ強面じゃないか、僕のミホを返せ。
少しビビリながらラッパーに「すいません。」と謝罪をして冷めた豚キムチを食べてる途中、鏡に映る自分をふと見てみるとやっぱり半ケツでした。もう色んな意味で終わってる。
最初に言ったけどさ、『何かの終わりは何かの始まり』なんだよ。きっと僕には何かが始まってるんだ。こんな時こそ前向きに物事を考えるとしよう。
そっか。ミホさんは204に住んでるに違いない。
三ツ矢くん。
睡魔こそ本物の悪魔だと僕は思う。
さて、もうそろそろ学校や仕事の時間ではないですか?皆さんが眠い朝を快適に乗り越えるために僕は今バイト終わりなのにも関わらず筆を進めています。皆さんおはようございます。まろんです。
いきなり自分の話をここでするのもどうかとは思いますが、そんなん知ったこっちゃありませんので話します。いやね、最近また小説にハマり出してるわけですよ。ジャンルは誰かさんにも指摘されましたが、偏りまくってます。2時間あれば1冊読めます。
ここで僕の読解力と速読力について語ろうとしたら皆さんの授業が始まってしまうので今は控えますが、とにかく読んでる。しかし、いくら小説が好きとはいえ、1日に3冊も読んでいると眠くなるんです。一旦寝ちゃうと話が訳分かんなくなっちゃむので寝たくはないんですが、なぜかいつも負ける。チョメチョメした後はもっと眠い。
今思い返せば、青春とは睡魔に始まり睡魔に終わったといっても過言ではないと言い切れるぐらい僕は悩まされてきた。大事な場面ではいつも2度寝をしてしまい、殊もあろうか遅刻ということなんて平気であります。小・中・高と全て卒業式には遅刻したのが僕の自慢です。
センター試験でも遅刻しかけたし、国立の後期試験なんか30分遅刻しましたからね。『2分半遅刻して、小走りで駆け寄ってくるアナタを抱きしめた遥か遠い日の夕暮れ~♪』・・・うるさい。小走りってレベルじゃなかったんだからな。メロスだよ、言うなれば。
まぁ、いつも遅刻するまろんちゃんなんですが、高校の時の話をします。僕の母校は1学年1000人近く居ましてね。分かりやすく金玉で計算すると2000個ですよ。多分オブジェとか作れる数ですよ。僕はテストだけはよかったのか、上位40人だけが入れるクラスに3年間在籍していたんです。これプチ自慢。
そのクラスは教室どころか棟や職員室まで別にしてあり、クラスの全員が国立にほぼ通るというとんでもないクラスでした。茶髪もピアスも居るようなクラスですが、皆頭いい。まぁ、このクラスで告白されたりしたという話は次回しましょう。
んで、このクラスには何をトチ狂ったのか課外というやつが毎日あったんですよ。しかも朝と夜に。1日9時間と言う拷問のようなカリキュラムの中、必死に勉強してました。告白には必死で拒みました。
この課外というやつが文字通り加害者なんですけど、朝早くに起きないととてもじゃないけど間に合わない。これは課外を受けたことある人なら誰でも分かるでしょう。しかーし!僕は3年間毎日ですからね。そりゃ狂う奴も出てくるよ。
僕なんかさっき言いましたけど、病的に朝に弱い人ですからね。目覚ましなんてそんなものは僕には効きません。聞こえません。今まで無意識に何個壊したのかすら覚えてません。眠りながら電池を抜くなんて朝飯前。朝飯を食べながらだって出来ますよ。これまたプチ自慢。
やっぱりそこは高校生というまだ子供のカテゴリに入るわけですし、家には家族だっていました。そこで、毎日毎日例の母に起こして貰ってました。確かに起きるという面では甘えてた。うん、これは僕だけじゃないはず。
しかし悲劇は訪れました。
恥ずかしい話、寝起きの僕は恐ろしいほど不機嫌でありまして、且つ、ちょーネガティブ。毎朝母が起こしに来るたびに口癖のように言ってました。『殺してー。』とか、『もうオレ無理だわ。』とか、『学校辞めたいお。』とか、今聞いたら本人をぶっ飛ばしたくなるようなことを言ってたわけです。
母の立場としては、息子が起こしてくれ、と頼んだくせにいざ起こすとこの有様。今改めて考えると確実に僕に非がある。そりゃ怒りますよ。枕で僕を叩いたのも頷けます。でも耳元で僕のシャーペンの芯をプチプチ折るのだけは控えていただきたかった。聞こえますか、お母さん。あれはかなり後から困るのですよー。
そんな中、夜勤で帰って来た母にいつもの様に起こしてもらってる途中に僕がまさかの逆ギレをしたのです。あれは申し訳ない。あそこまで僕の口がアナタを攻撃するとは微塵も思ってなかった。まぁ、そんな反省意味ないけどね。すると、母は怒らずに僕の部屋から出て行きました。そして僕がまた眠りに入った時のことです。
「これでもくらえー!」
バシャー!!!
「hぐybrmwjrjfしおりyrn???」
音声だけじゃ苦しみは伝わらないだろうので解説しますが、何を思ったか、僕の母君は前日に買ってきた僕の三ツ矢サイダーを躊躇いもなく、万年の笑みで僕にぶっかけてきました。似たようなことを去年も居酒屋でされた気がするのは気のせいでしょう。
いつも『殺してください。』とか言ってたけどさ、まさかその攻撃に出るとは僕も予測できないよ、ママ。水とかならまだ理解出来るだろうけど、まさか炭酸が来るとは。化学式で表せばH2CO3ですよ。目に入ったんだもの。あんな勢いで起きることはそうないと思うよ、ママ。
『そよ風の帰り道、アナタは今日その目に何を映し、何を思い、何を望んだの?』
バカ野郎、炭酸で死ぬかと思ったんだよ。
