園長通信~こころ~ №374
高澤文学その2
2026.1.20
日常の些細な話題が心をくすぐる。すると、何気なく通り過ぎていったささやかな日々の、途切れ途切れの思い出が呼び起こさせられる。心の中に眠っていた記憶が蘇ってきたら、もう止まらない。時間を忘れ、あの時に浸る。
高澤先生は選手時代を含め、長くソフトテニスに携わってきている。一瞬一瞬を大切にし、一打一打に思いを込めてきたに違いない。しかも、その一瞬のプレーのみでは完結させることはない。必ず、その後のプレーへの伏線となる。前のプレーを分析し、次のプレーを組み立てていく。次のプレーへの選択肢はたくさんある。どんどん世界を広げていく。将棋の棋士が打つ一手に莫大な思いが込められているように。
現在の高澤先生の作品は、このようなソフトテニスの経験も礎になっているのかもしれな
い。文章の力強さ、緩急、相手の心理を逆手にとるような展開。まさしくテニスの戦略に通じるところがある。
シンプルな一文一文が重なり合い、リズムとなる。
飾り気のない文章が、色となり音となる。
適度なゆるさが、読者の想像の翼をどんどん広げていく。
書き手と読み手の相性もあるのだろうが、私にとっては心地よい読後感が醸し出さ
れる。
それが高澤先生の作品である。
“幸せホルモン”と呼ばれる物質があるらしい。それを発動させてくれる刺激となる
ものは、個人の感性によってそれぞれであろう。私は過去を振り返ると、ほんわかとした気分になる。心の中に眠っていた記憶が目覚め、ノスタルジーに浸ることができる。
高澤先生の作品は、私の幸せホルモン発動にスイッチを入れてくれる。ただ単に、懐かしさを呼び起こしてくれるだけの材料ではない。その見方・考え方によって、過去が真新しい感覚で現在に蘇ってくる。今の自分に新しい風を吹き込み、世界を広げてくれる。そして、これからの自分に活力を与えてくれる。
今後も、高澤先生のエッセイを通し、ノスタルジックな世界に入り込むのが楽しみである。
「これまで」を分析し、「これから」を構築していく。そして「あの頃があってよかった」と過去を輝かせることができる未来に出逢いたい。
その時、また多幸感を味わえるであろう。
前号と今号と2号にわたり紹介したのは、『人生を彩る6つのまなざし -元校長が綴る日々を見つめ心を育てるエッセイ集』に載っているものである。「校長室だより~燦燦~」から現在の「園長通信~こころ~」まで、ずっと読んでいただいている友人に、読者の声を掲載したいとお願いして書いていただいたものである。「~アンサーエッセイ~『高澤文学』」となっている。改めて感謝申し上げたい。 ネットでは、アマゾン、楽天、三省堂書店オンライン、丸善ジュンク堂書店オンラインで扱っている。加えて、著者本人、あるいは家人こと妻にご連絡をいただければ購入できるようにしてある。ぜひお読みいただき、読後感あるいは多幸感を味わっていただきたい。
『人生を彩る6つのまなざし』クエーサー出版
https://www.amazon.co.jp/dp/491089358X?tag
『人生は、燦燦と 校長室だより100選』文芸社
https://www.amazon.co.jp/7/dp/4286256049
『表現者を育てる授業 -中学校国語実践記録ー』風詠社
https://www.amazon.co.jp/dp/4434327100