園長通信~こころ~ №373
高澤文学その1
2026.1.19
「好きなこと、やりたいことはないかと考えている。だが、見つからない。」
これは、園長通信~こころ~№237「好きなことがない」の一節である。私も「好きなことがない」人間である。
そんなことを述べている高澤先生は、以前に、№114「自分にできること」で「自分ができることを好きになる。」と述べていた。「私はこれをしてると気持ちがいいんだ、これがまわりに求められていることなんだ・・・」という見方もしている。
私は改めて「今、自分がしていること」が結果的に好きなことだったのかと認識できた。
高澤先生の好きなことは、「人を育てること」「物を書き続けること」ではなかろうか。しかし、本人は「好きなことがない」と綴っている。
それを読んだ私は、なぜかほっとした。高澤先生は、自分がしていることを心から楽しんでいるわけじゃなかったのか、というギャップを感じたからかもしれない。だったら私の「好きなことがない」という状態も、ごく普通だったのかと思えたからだ。
最近、過去を振り返ることが好きになった。いや、高澤先生のせいで好きにさせられた。
以下、同じく園長通信からの一節である。
「あなたのこれからがこれまでを決める。」「自分のこれからが、自分のこれまでを、より一層輝かせてくれるとしたらどうであろう。」「これまでのためにも、これからを力強く生きようと思う。」(№26「これまでとこれから」)
「今を充実させることで、過去を輝かせることができる。」「今や未来によって過去を変える。」(№86「過去を変える」)
私は、そもそも過去は好きではなかった。しかし、運よく「今、自分がしていること」は、「昔、自分がしてきたこと」が原点となっているということを改めて認識できた。そのことによって過去に対する思いが変わった。好きではなかった過去に価値づけができ、過去を輝かせることができた。
そのようなわけで、過去を振り返ることが好きになった。
高澤先生とは同世代ということもあり、その作品には過去を振り返りたくなる話題がたくさん詰まっている。高澤先生は純粋な目で物事を見ている。そして、他愛のないことをクローズアップしてくる。自分のこだわり、あるある的なこと、かゆいところに手が届くといった感じの話題も多い。
誰もが経験していたこと、ふと考えたことがあること、またはよく考えもせずスルーしてきたことなどを取り立ててネタにしていく。それらは改めて意識して考えてみるとかなり面白い。
「言われてみれば・・・」「やっぱりそうだったか」「自分だけじゃなかったんだ」と認識でき、安心感が生まれる。「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」が多くの人に愛されているのは、そのような空気感があるからなのかもしれない。 (次号に続く)
『人生を彩る6つのまなざし』クエーサー出版
https://www.amazon.co.jp/dp/491089358X?tag
『人生は、燦燦と 校長室だより100選』文芸社
https://www.amazon.co.jp/7/dp/4286256049
『表現者を育てる授業 -中学校国語実践記録ー』風詠社
https://www.amazon.co.jp/dp/4434327100