ローリング・サンダー・レビュー -8ページ目

ローリング・サンダー・レビュー

映画・音楽・小説・マンガのレビューブログ。

エド・ウッド [DVD]/ジョニー・デップ,マーティン・ランドー,パトリシア・アークエット
¥1,500
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ティム・バートン、あんた好きだねえ~という映画。史上最低の映画監督エド・ウッドを例によってジョニー・デップが演じる。映画を愛してやまないが、映画にまったく愛されなかった男。これは悲劇だが、悲劇は時として喜劇に映る。いやむしろ、悲劇と喜劇は同じことの表と裏ということだけなのかもしれない。まったく才能のない映画監督がすべての愛と情熱を注いで作った本気の映画は、それが本気であるという一点において一部のカルトファンに絶大な人気を誇ったのだろう。映画に愛をこめて。
一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル/東 浩紀
¥1,890
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東浩紀の本が平積みになっていたのに驚いてつい手にとってしまって、さあ、この歳になって初めて読む東浩紀。対談とかインタビューとかは読んだことがあって、勝手なイメージで「天才オタクお兄さん」だと思っていたのだが、この本はサブカル要素はないのでオタクでない方でも自然に読むことができますとお勧めしておこう。文章がうまいのか大変読みやすくかつ面白かった。政治に対する考え方をスパーンとお好み焼きを裏返すようにひっくり返してくれる気持ちのよさ。政治をコミュニケーションで解決するには限界があると言ってしまうんだからやっぱりオタク心満載だ。しかし核心を突いている。話し合いで解決できりゃあそれに越したことがない、でもあいつら、しょうもない話しかしてないじゃないか。

『実際、いまわたしたちの国を襲っている政治の困難は、結局はそのような欲望の欠如に集約されるのではないだろうか。政治の危機の最大の理由は、おそらくは、二大政党制の限界にあるのでもなければ官僚制度の肥大化にあるのでもなく、単純に人々がもはや政治を欲望しなくなったこと、ただそれだけに求められるのだ。』

この現実を受け止めたなら、次の一歩は変わってくる。
スピーディワンダー 1 (ヤングチャンピオンコミックス)/綱本 将也
¥560
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競馬ファンならずとも十分に面白いが、競馬ファンならばさらに面白いという理想的な競馬マンガ。原作はジャイアント・キリングの綱本将也で、まさにジャイアント・キリングの競馬版。競馬の背後でいかに多くの人間たちが勝負しているかを緻密に織り込みながらそこに失ったものを取り戻すヒューマンドラマを描く手法はきわめて構成的で、オーケストラかプログレッシブロックのような展開だなあと感心してしまう。それにしてもまさか血統の世界にまで踏み込むとは。主役馬の父カリズマティックの地味さをわかるやつなんてどれだけいるんだ?まるで僕のためにあるようなマンガである。
宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)/村山 斉
¥840
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文系のための宇宙入門。これはおもしろい。
宇宙を見ることができるのは137億光年の距離までとか、
宇宙は加速的に膨張していてそれがなぜかわかってないとか。
こういうの研究しても何の金にもならないんだろうけど、
ただ知りたいからとことん研究してきた人間の歴史。

「私たちのからだは、超新星爆発の星くずでできている」

デュラララ!! 1 【通常版】 [DVD]/豊永利行,宮野真守

¥5,040
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池袋を舞台にした群像劇。決して王道の物語ではない、まあちょっと地味で構成的な物語で、こういうものをライトノベルアニメで見られるとは思ってもいなかった。この物語では、みんなが隠し事をしている。隠し事が隠し事と共鳴して物語が複雑に絡みあいながら進んでいく映画のようなアニメでとても面白かった。それにしても、こういうB級映画のようなアニメでもレベルが高いなあ。オタクたちのリテラシーの高さといったら。こうやって文化は豊かになっていくのだと、レベルの低いお客さんにわかりやすい映画ばっかり作ってる邦画の世界に言ってやらねばならん。

魔法少女まどか☆マギカ 1 【完全生産限定版】 [Blu-ray]/悠木 碧,斎藤千和
¥7,350
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サブカルチャーの批評家たちに大人気のゼロ年代を象徴するアニメ。それもそのはずで、このアニメはただの萌えアニメっぽく見えてかなり過激でとがっている。エヴァと同じで観る者にただ観ることを許さない一種の不快さとか不安感を持っていて、人の心をざわつかせるのだ。そしてこのいかにも萌えな画面で展開される絶望的な展開はその画面との違和感も相まってこれまでのアニメにない独特の雰囲気を確かに出している。シャフトだしね、出来はものすごく良い。それでも星5つをつけられないのは、単なる趣味の問題。僕はセカイ系のマンガ・アニメがダメで、かつ何よりラストがダメ。主人公が神やキリストになっちゃあダメなんだよ。まあしかし、もうひとりの主人公が力強く生きていくことでそこもカバーしているといえばそうなのかもしれない。アニメファンとサブカルファンのためのアニメ。
アニー・ホール [DVD]/ウディ・アレン,ダイアン・キートン,トニー・ロバーツ
¥3,990
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初めてのウディ・アレン。恋愛モノが好きな軽いコメディアンだと勘違いしていて長らく敬遠していたが、いやはや、狂ってるねー、ウディ・アレン。このロマンスコメディはとてもじゃないが笑えない。しかし同時にとても面白い。この映画は喜劇ではなく悲劇なのである。事実と映画と妄想と時間と主観と客観がごちゃ混ぜになってぞっとするようなシーンを撮ってしまったことはこの映画に独特の毒を持たせていて、観た者の心のどこかに残り続けるだろう。

チャップリンいわく、「人生は、クローズアップでみれば悲劇だが、ロングショットでみれば喜劇である」。そういう映画。
イン・ザ・エアロプレーン・オーバー・ザ・シー/ニュートラル・ミルク・ホテル
¥2,500
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1998年に出されたUSインディーアルバム。
正直言ってつい最近まで知らなかったのだが、
これまで知らなかったのが情けないくらい良い。

USインディーのイメージどおりのローファイサウンドで、
近い時期に同じようなことをしていたBECKに近くもあるが、
アコースティックギターの響きが明らかに違う。
アコギはふつう懐古的サウンドとして使われるが、
ニュートラル・ミルク・ホテルのアコギはそのものとして新しい。
ブルースに新しい音やノイズを付け加えるのではなく、
ブルースの音自体を新しく置きなおしてしまった。
非常にかっちょいいアルバム。
ファインディング・ニモ [DVD]/アンドリュー・スタントン,アルバート・ブルックス,エレン・デジェネレス
¥1,890
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幼児向けアニメ。話は古典的でギャグは子供向けなので当然面白くない。日本のアニメがいつからか失った純粋な「幼児向け」っぽさがここにはまだあって、逆に日本のアニメの複雑さを思い知る。以下はウィキペディアより。スティーブ・ジョブズはピクサーの代表だったんですよ。

ピクサーのCEO、スティーブ・ジョブズが「ファインディング・ニモ」試写のあと、海藻の動きの不自然さを指摘した。エンジニアは「現在の技術で海藻の動きを自然にしようとすると、映画の公開が1年遅れるか、巨額の制作費がかかる」と答えた。ジョブズは「映画は何十年にも渡って見られるもの。この海藻の動きで、本当に後悔しないのか。お金や公開時期はそれに比べれば重要な問題ではない」と返した。
生命保険入門 新版/出口 治明
¥2,730
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ライフネット生命の社長が書く生命保険概論。ライフネット生命の社長と言っても元々は日本生命のエリート街道を突っ走ってきた人のようで、世界的な視野から業界全体を語るだけでなく、将来の明確なビジョンを語ってしまっている。まあこの、明確なビジョンのひとつのかたちがライフネット生命なわけだけど。最近でこそ週刊ダイヤモンドなんかで生命保険の実態が明らかになっちゃっているが、かつては生命保険は業界全体として商品内容を完全にブラックボックス化していた。なぜかというと、いろいろバレたくないから。生命保険ってものすごく高い金を払ってるわけだけど、実は無駄だらけだということに早く気づいたほうがいいです。いらない特約とかいっぱいついてますから。というようなことを、生保業界のお偉いさんが舌鋒鋭くずばっと言ってしまうのが本書の魅力。え、そんな赤裸々に言っちゃうのっていう。著者は非常な読者家であるためか、文章がやたら上手くて読みやすい。単に読み物としても面白いかもしれない。

一応、著者がオススメする設計は以下のとおりらしいです。保険は最小限かつシンプルでいいぞということらしい。

◆死亡保険・・・子供が大学を卒業するまでの間、3000万円程度の定期死亡保険(掛け捨て)を購入。(必要であればこれに共済等をプラスアルファ)

◆医療保険・・・日額5千円~1万円程度の終身医療保険(掛け捨て)を購入。

◆年金保険・・・定額の終身年金保険を、退職金等を原資に一時払いで購入。

ちなみにライフネットとかネクスティアのネット生保だと、まったく同じ商品が大手生保よりたぶん3割以上安いです。営業のおばちゃんの経費かかってないから。短所もあるらしいけど保険料なんてほぼ安心料なんだから、安いのでええんちゃうかという気がする。高い買い物なんで、保険に入るときは必ず勉強してから入ったほうがいいです(ちなみに自分は考えた末、今入ってるのは共済のみです)。週刊ダイヤモンド(もしくは東洋経済)の保険の回をとりあえず薦めますが、さらに深く知りたい方には本書を薦めます。