- 世界史をつくった海賊 (ちくま新書)/竹田 いさみ
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16世紀イギリスの海賊達は一体何者だったのかを著者の興味の赴くままに説明する、リアル『ONE PIECE』。海賊は英雄であり略奪者であり軍隊であり商人でありスパイであり、貧しい国であったイギリスに産業革命が起こる土台を作った立役者であったという。彼らは当時の先進国であったポルトガルやスペインの船を襲い、金銀財宝奴隷を略奪し本国に持ち帰り、いわばそれを元手にしてスパイスや砂糖や茶やコーヒーの貿易を拡大させていくのだから、海賊はハイリスクハイリターンの商売をやっていた商人というイメージでよいのだろう。
たとえば、マゼランの次に世界一周をしたのは誰か?実はイギリスの海賊、フランシス・ドレークだった。しかもマゼラン自身は途中のフィリピンで死んでいるから、リーダーとして初めて世界一周から帰ってきたのはドレークが初めてで、そうなれば海賊だろうと簡単に英雄になってしまう。なんかゴールド・ロジャーみたいなかんじだけど・・。
このイギリスの海賊たちをヴェネツィアの商人たちとの比較で見るとわかりやすい。見たことのない場所に商機を求めたイギリスの海賊たちと、よく見知った地中海の間で外交能力を発揮し組織的に貿易を行ったヴェネツィア商人。逆に言えば、地中海ではヴェネツィアに勝ちようがなかったから、スペインやイギリスは新しい土地を求めざるをえなかったのだ。そして彼らはその賭けに勝った。世の中を動かすのはいつも、勇気ある者の思い切った一歩なのだろう。








