- 1Q84 BOOK 3/村上春樹
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むう。なんと言えばいいのか。
面白いけどよく考えたらしょうもない。
よく考えたらしょうもないけど面白い。
じわじわくるかんじとかやっぱり巧い。
30歳のボーイミーツガールかあ。
1Q84は村上春樹が苦手な三人称で物語が語られる。
「僕」がどうしたではなく、天吾はどうした青豆はどうした、
というふうに語られるのだが、これまでになく滑らかだなあ、
と思ったのはその三人称がきわめて一人称に近かったからだ。
天吾はどうしたと書くときの視線は徹底して天吾目線だった。
が、このBook3では実はそれが一度破綻してしまっている。
339ページ。
『ここでいくつかの「もし」が我々の頭に浮かぶ。』
このときの「我々」とは誰か?
これは実は、「村上春樹と読者」なのです。
村上春樹はかつて物語の中にほとんど顔を出したことがないのに、
この一瞬だけ、ふいに「我々」として顔を出してしまった。
この瞬間、物語はあくまで物語になってしまった。惜しい。
Book4が出るんじゃないかとか一部で言われてるみたいだけど、
絶対出ないです。どう読んでもこれで終わり。
ヘンな話だけど、村上春樹はやっと普通に終わった。
『世界の終り』みたいにこっちへ戻らないことを選んだり、
『カフカ』みたいにふたつの線が交差しないこともなかった。
やっと普通に終わってもいいかなと思えたのかもしれない。
でもね、なんだか最後の方、作者がつまらなそうなんです。
やっぱりヘンなもんを書いてるときの村上春樹が良い。
NHKの集金人のシーンとか文章が弾みまくってるし。
「わたくしNHKの受信料をいただきに参りました。
そうです。みなさまのエネーチケーです。」
あれ、本当にただ書きたかっただけなんじゃないかなあ。






