お話ができたので書きますね。
娘が子供のころは、秒針の刻む音を子守唄にして、サンタクロースの贈り物を心待ちにしたものでした。
雪に埋もれた街並みは、今夜だけ特別です。色鮮やかな電飾でお化粧をして、華やいでいました。
今にもベルの音が聞こえてきそうなくらい、さすらう雪たちは軽快で、きらきらと舞い上がっています。
「どうして」
娘がどう言いくるめても、少年は動じませんでした。
「ハイリスクだからです」
真剣な表情でホットミルクをすすります。
伏し目がちな瞳は、何もかもを知った大人のそれに似ていました。
「でもサンタクロースは、子供の夢を叶えてくれるのよ」
「もの限定でしょ」
少年は眉をひそめ、薄くたくわえられた白い口髭を動かし、何かを言いたそうにしていました。
「だいたい、お人よし過ぎて現実味がないんだよね。僕らはもらうだけだけどさ、サンタさんは世界中の子供の数だけのプレゼントを用意しなきゃならない。そんなことしたら、骨が折れちゃうよ」
少年の心は、温かな飲み物のせいで緩んでしまったようでした。
急に砕けた言い方になって、軽蔑のまなざしをこちらに向けます。
娘はきりりと胸が締め付けられました。
「最近の子供は夢がないのね」
「何とでも言いなよ」
もう一度、ホットミルクをすすりました。
前編って感じです。
ほんとは全部のっけたかったけど、だめだったぜ!
次書きます。