5月24日 記念日 その2 | スズメの北摂三島情報局

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2011/08/02 リニューアル
2019/07/14 アメブロ移動
柴犬ハルがお伝えします

ゴルフ場記念日(続き)。
『神戸ゴルフ倶楽部』の開場当初は4ホールであったが、その後造成を続け、18ホールとなる。ただ、パーは61となっている。グリーンは、当初は芝が生えなかったために、アラビア半島や北アフリカ北部等の砂漠に近いところで行なわれてきたサンドグリーン(砂を下地にしたグリーン)である。フェアウェーより低く作ってあったため、「ナイスオン」ではなく「ナイスイン」と言っていた。第二次世界大戦前に高麗芝(全体に繊細で、葉は細い針状の芝で、冬場に葉が枯れる)の植生に成功させ、現在ではヴェント(西洋芝と呼ばれる、年中緑の常緑芝)のグリーンになっている。第二次世界大戦後はアメリカ軍に接収されたが、企業家、実業家、政治家等も会員として多かったために、早々に復活し現在に至る。関西の政財界では、『神戸ゴルフ倶楽部』と、兵庫県三木市志染町広野にあるメンバーシップ制のゴルフ場『廣野ゴルフ倶楽部』、兵庫県川西市西畦野字金ヶ谷にあるメンバーシップ制のゴルフ場『鳴尾ゴルフ倶楽部』を「御三家」と呼ぶ人もいる。『神戸ゴルフ倶楽部』からは、日本人選手として初めて全英オープンに出場した宮本留吉や、日本初のプロゴルファーである福井覚治らも輩出している。彼らの残した遺産として、和製ゴルフ用語である「アゲンスト」や「アゲる」がある。これは、外国人が「今風は順風(follow)か?」「いいや逆だ!(No No It's against!)」という語をそのまま使うようになったため、と言われている。現在でも、神戸ゴルフ倶楽部用語として「暫定球」を「プロビジョナル」と呼んだりと、イギリス語が多用されている。一時、ハウスキャディーを九州からの女子にしたことがあったが、それ以外は一貫してキャディーは、場所が急でカートが入れないこともあり、男性である。甲南大学、神戸大学、関西学院大学等の学生、留学生が行なっていることが多く、別名「神戸のインテリキャディー」と呼ばれることもある。特に、中国からの留学生は優秀で、博士号等を取得後、高等研究機関や指導者で働く者も多い。1932(昭和7)年に竣工した現在の瀟洒なクラブハウスは、アメリカ生まれで、日本で数多くの西洋建築を手懸けた建築家、ウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計である。なお、ウィリアム・メレル・ヴォーリズは建築家でありながら、ヴォーリズ合名会社(後の滋賀県近江八幡市に本社を置く医薬品メーカー、近江兄弟社)の創立者の1人として、塗り薬のメンソレータム(現在のメンターム)を広く日本に普及させた実業家としても知られ、キリスト教徒伝道者でもある。讃美歌等の作詞作曲を手掛け、電気楽器の一種であるハモンドオルガンを日本に紹介する等、音楽についての造詣も深かった。ゴルフ場では通常、全部で18のホール(Hole、「穴」の意)から構成され、各ホールには規定の打数(パー、Par)が定められている。ボールを打出す場所(ティーインググラウンド、Teeing ground)からカップまでの距離が、1ホールの距離である。18ホール全てを合計して「全長xxヤード」(ゴルフでは通例として、アメリカ等の距離単位「ヤード」を使用する)という。18ホールの規定打数を合計して「パーxx」と言い、パー72を採用するコースが最も多い。各ホールの長さや、コースの全長は用途によって多様である。カントリークラブと名乗っているゴルフ場もあるが、カントリークラブは本来、ゴルフに限った施設ではなく、誤用に近いと言える。ゴルフ場は大きく分けて、レジャー用途のために易しく設定されたものと、競技用途のために難しく設定したものの2種類に分類される。また、一連のプレーを行なうためのゴルフ場とは別に、ゴルフの練習を目的として設置されたゴルフ練習場と呼ばれる施設がある。ゴルフ場(ゴルフコース)の特性を出すには、とりわけゴルファー達が苦手意識を持つバンカーや池を、コースのどの位置に設定するか、グリーンの大きさ、フェアウェイの幅の広さ、ラフ(フェアウェイを外した場所)の芝の深さをどのくらいにするか、等の様々な要素が関係している。設計者が競技者に対して仕掛ける技巧の1つに、視覚のマジックがある。グリーンに向いて両脇から中心に向って背丈の低い/高い樹木を配置することにより、実際よりも遠く、若しくは、より近くに錯覚させる手法や、ティーグラウンド上のマーカーを微妙にずらしたり、ティーグラウンドに僅かな傾斜を付けたりすることを通じて、競技者が無意識の内に危険な方向に打出すよう仕向けたりする手法等が、一般によく知られている。或いはまた、ハザード(バンカー・池等)や樹木の相互の位置関係を通じて、如何に競技者の心理に必要以上のプレッシャーを掛けるか、といった点も、レイアウト上の重要な考察要素である。これら千差万別なレイアウトのゴルフコース間で、スコアの客観的評価を容易ならしめるために、ゴルフ場の難易度を具体的に示すために用いられる指数であるコースレートが設定される。プロスポーツ・競技としてのゴルフや、上級者向けに難易度の高いゴルフ・コースが珍重される一方で、初心者用や接待用に敢えて難易度を抑えたレイアウトのコースもあり、設計は即ち、「どのような利用層を想定したゴルフ場とするか」という運営側の経営理念と表裏一体である、と言うことができる。また、ホールには単に、競技上の難易度を盛込むだけでなく、森林・山岳・河川・湖沼・海岸・荒野・田園・神社仏閣等、土地の風物を借景として如何に配置するかが、設計者の腕の見せ所であり醍醐味でもある。これらの巧みな仕掛けが、元々の地形や環境をできるだけ活かした上で設計されていることも、真価を図る尺度の1つとなると言ってよい。ゴルフ場の運営方法には大きく分けて、会員制のゴルフ場であるメンバーシップコースと、特定の会員への優遇なしに、平等にプレーできるゴルフ場であるパブリックコースとがある。日本では、ゴルフ場の約9割がメンバーシップコースである。プレーするには、会員になるか、会員の同伴、又は紹介が必要である。しかし、実際には会員が少ない等の理由で、ビジター(非会員)でも、会員の紹介なしで受入れているゴルフ場も多い。日本では、ゴルフ場は企業の接待に多く利用され、バブル景気(1986[昭和61]年12月から1991[平成3]年2月までに、日本で起こった資産価格の上昇と好景気)時代に建設ラッシュが起きた。1988(昭和63)年に施行された「総合保養地域整備法(リゾート法、昭和62年6月9日法律第71号)」も、それに後押しする形となった。1990年代には、日本のゴルフ場の総数は2,000を超える数にまで増加した。ゴルフ場の開発は、環境破壊に繋がるとの批判もあり、バブル景気の時代、バブル期にはゴルフ場の乱立により、禿山のような状態になっていることが、報道で頻繁に取上げられていた。ゴルフ場の利用する権利と結び付いたゴルフ会員権は、実際の価値を超えた相場を構成することがあり、主にバブル期には、ゴルフ場経営者に対する預託金(賃貸借契約の際に、借主が貸主に一定の金額を無利息で預入れる金銭)よりも高くなり、特定のゴルフ場でゴルフのプレイを楽しむ権利としてよりも、投資対象、又は、保持者の地位としての会員権売買が盛んとなった。しかし、1991(平成3)年2月から1993(平成5)年10月までの平成不況(バブル崩壊不況)以降、ゴルフ場利用者は激減し、会員権の相場も急激に落ちた。返済すべき預託金も支払うことが困難となったゴルフ場も現れ、倒産したり、他の企業に買収されたりするゴルフ場も少なくなかった。