3月23日 記念日 その2 | スズメの北摂三島情報局

スズメの北摂三島情報局

2011/08/02 リニューアル
2019/07/14 アメブロ移動
柴犬ハルがお伝えします

世界気象デー(World Meteorological Day)(続き)。 
慣例上、熱帯低気圧の発生する領域は、北大西洋、太平洋東部、太平洋西部、南西太平洋、南東インド洋、南西インド洋、北インド洋の7つに区分される。全海域の中で最も熱帯低気圧の活動が活発なのは太平洋西部で、最も活発でないのは北インド洋である。北西太平洋における熱帯低気圧の活動は、日本、台湾、中華人民共和国、香港、マカオ、韓国等の東アジアを中心に、フィリピン、ベトナム、インドネシア等の東南アジア諸国、及び、多くのオセアニア島嶼国に影響を及ぼす。世界中で発生する熱帯低気圧の約3分の1がこの海域で活動していることから、熱帯低気圧の活動が世界で最も盛んな海域と言える。北東太平洋は、北西太平洋に次いで熱帯低気圧の活動の活発な海域であり、年間発生数は全海域で最も多い。この海域で発生するハリケーンは、メキシコ西部へ影響することが多く、次いでアメリカ合衆国本土(特に、西部のカリフォルニア州)、中央アメリカの北部にも影響を及ぼす。大西洋北部、カリブ海、メキシコ湾が含まれる北大西洋における熱帯低気圧の発生数は、年間を通して1個の年もあれば、20個以上になる年もある等、毎年大きく変動する。また、世界気象機関(WMO)は、観測された気象データや予報データを送受信する気象通報式(観測点の気象状況を記号化して表現したデータ)についても定めている。地上の気象観測地点で気象データの送信方式として用いられている地上実況気象通報式(SYNOP)、海上の気象観測地点で用いられる海上実況気象通報式(SHIP)、航空分野で各飛行場での定時の現況を報告するために用いられる定時飛行場実況気象通報式(METER)や、長距離・短距離飛行用飛行場予報の通報に用いられる運航用飛行場予報気象通報式(TAF)の他、気象衛星のデータを送信する方式等、数十種類がある。世界気候会議(WCC)は、世界気象機関(WMO)の主催による一連の国際会合で、主に気候の研究と予測に加えて、地球温暖化等、全地球規模の気候問題に関する会議である。これまでに、1979(昭和54)年、1990(平成2)年、2009(平成21)年の計3回開催されており、開催地はいずれも、世界気象機関(WMO)が本部を置くスイスのジュネーヴであった。世界気候会議(WCC)は、1974(昭和49)年、国際連合の総会において、気候変動に関する研究の推進が世界気象機関(WMO)に要請されたのをきっかけに、気候変動問題に焦点を絞った初の大規模国際会議として開催されることとなり、気候変動問題の研究や対策に関わる国際的な意思決定に大きな影響力を持つようになった。気候変動は、様々な時間スケールにおける、気温、降水量、雲等の変化を指し示す用語として、広く用いられている。特に、環境問題の文脈では、地球の表面温度が長期的に上昇する現象、即ち、地球温暖化とその影響を、包括的に気候変動と呼ぶことが多い。気象学の用語としては本来、平年の平均的な気候が長期的な時間スケールで変化する現象は、気候変化と呼ばれる。気候変動は、平年の平均的な気候からの偏差という意味で用いられ、気候変化とは区別される。しかし近年では、2つの用語を混ぜて利用したり、独自の定義に基づいて用語を使い分けたりする場合もある。例えば、国際連合の地球温暖化問題に対する国際的な枠組みを設定した環境条約、「気候変動に関する国際連合枠組条約(気候変動枠組条約、UNFCCC)では、気候変化という用語が人為的な変化、気候変動が非人為的な変化に充てられている。また、国際的な専門家で構成される、地球温暖化についての科学的な研究の収集、整理のための政府間機構である、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)においては、同じ気候変化という用語が、人為的・非人為的変化の両方を纏めて表記するために用いられ、日本語訳においては(気候変動を内包する言葉として)気候変化と表記されている。国際連合の機関として、環境に関する諸活動の総合的な調整を行なうと共に、新たな問題に対しての国際的協力を推進することを目的としている国際連合環境計画(UNEP)と、国際連合の専門機関で、気象事業の国際的な標準化と改善、及び調整、並びに各加盟国・地域間における気象情報・資料の効率的な交換の奨励を主な業務としている世界気象機関(WMO)が、1988(昭和63)年に共同で設立した気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、学術的な機関であり、地球温暖化に関する最新の知見の評価を行ない、対策技術や政策の実現性やその効果、それが無い場合の被害想定結果等に関する、科学的知見の評価を提供している。数年置きに発行される「評価報告書」は、地球温暖化に関する、世界中の数千名の専門家の科学的知見を集約した報告書であり、国際政治、及び各国の政策に強い影響を与えつつある。気候変化に関する科学的な判断基準の提供を目的としており、地球温暖化に関する科学的知見の集約と評価が主要な業務である。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)自体が、各国への政策提言等を行なうことはないが、国際的な地球温暖化問題への対応策を科学的に裏付ける組織として、間接的に大きな影響力を持つ。エルニーニョ・南方振動とは、大気では、東南アジア南部に位置するインドネシア付近と、南太平洋東部で海面の気圧がシーソーのように連動して変化し(片方の気圧が平年より高いと、もう片方が低くなる傾向にある)、海洋では、赤道太平洋の海面水温や海流等が変動する、各々の相が数ヶ月から数十ヶ月の持続期間を持つ、地球規模での自然現象の総称である。大気に着目した場合には「南方振動」、海洋に着目した場合には「エルニーニョ現象」(若しくは、単に「エルニーニョ」)と呼び分ける場合がある。エルニーニョ現象と南方振動は当初、別々に議論されていたが、研究が進むにつれて、両者が強く関係していることが明らかになり、「エルニーニョ・南方振動(ENSO)」という言葉が生まれた。「エルニーニョ・南方振動(ENSO)」は、大気と海洋が密接に連動した現象(大気海洋相互作用)の代表であると共に、それが世界的な天候変化に波及するテレコネクション(離れた2つ以上の地域で、気圧がシーソーのように伴なって変化する、遠隔相関、又は、遠隔結合と呼ばれる現象)の代表でもある。現在、学術的には、この一連の変動現象を「エルニーニョ・南方振動(ENSO)」とし、その振れ幅の両端に当たるのが、太平洋赤道域東部の海水温が上昇する「エルニーニョ現象」(「エルニーニョ」という言葉は、スペイン語で「男の子」の意味)、及び、その正反対で太平洋赤道域東部の海水温が低下する「ラニーニャ現象」(「ラニーニャ」とは、スペイン語で「女の子」の意味)とする考え方が一般的である。「エルニーニョ現象」とは、東太平洋の赤道付近(ガラパゴス諸島付近、或いは、南アメリカ西部に位置するペルー沖とされることが多い)で海水温が上昇する現象である。「エルニーニョ現象」は元々、ペルーと、その北隣にあるエクアドルの間に位置するグアヤキル湾や、その近海の太平洋東部で、毎年12月頃に発生する海水温の上昇現象を指していた。これは、南東貿易風(亜熱帯高圧帯から赤道低圧帯へ恒常的に吹く東寄りの風)の弱化に対応して現れる暖流(エルニーニョ海流)によって発生する。地元の漁業民の間では、この時期がクリスマスの頃であることから、スペイン語でイエス・キリストを指す(と同時に「男の子」を意味する)「エルニーニョ」と呼んだ。これが原義に当たり、そして数年に1度、この海水温の上昇現象が大規模に発生し、太平洋東部の広範囲に及んで、ペルーの大雨や南アメリカ西岸の大不漁、さらに、オセアニア・アジア・北アメリカにまで波及する天候の異常が報告されるようになり、海洋学者や気象学者の間では、これを原義たる「エルニーニョ」から引用して、「エルニーニョ現象」と呼ぶようになった。「エルニーニョ現象」が発生した際には、東太平洋赤道域の海水温が、平年に比べて約1℃から約2℃前後上昇する。「エルニーニョ現象」に伴なう海水温の変化は、まずその海域の大気の温度に影響を及ぼし、それが気圧変化となって現れ、大気の流れを変えて、天候を変えてという具合に、世界中に波及する。「ラニーニャ現象」は、「エルニーニョ現象」と逆に、東太平洋の赤道付近で海水温が低下する現象で、「エルニーニョ現象」と「ラニーニャ現象」は、互いにコインの表と裏のような密接な関係にあり、切離して考えることはできない。